昭和の食堂


長野市「やばね食堂」

場所 長野県長野市安茂里小市2丁目17-38

電話 0262-27-5365

駐車場 あり



令和の御代となり半年近くが経過した。

元号不要論などいまだに喧しい限りだ。たしかに、西暦だけで進めてくれた方がどれほど具合がよいかと思うのだが、これも日本文化のひとつ。今さらやめられないし、仕方のない事であろう。それに建築屋である以上、行政とは切っても切れない関係にある。手続きその他は元号を使わざるを得ない。ということで”令和”とは本気でおつきあいしなければならぬ。ようやく”平成”に慣れたのに。普通に”令和”が使えるようになるまで、また30年かかりそうだ。



それにしても、昭和-平成-令和とみっつの元号を経験する事となった。平成生まれの女の子から

「ずいぶん古いんですね」

と言われてしまったが、考えてみればわれわれだって、明治-大正-昭和を生き抜いてきたときけば、歴史的人物に感じるのだからおあいこだ。



いつの時代も、何かしらの問題を抱えているものだから満足できるときなどないのだから、”あのときはよかった”というのは単に個々人のノスタルジーでしかない。とはいえ昭和、とくにバブル期の前くらいまでは現代よりもはるかに大らかな時代であった。今とは比較にならないほど差別や不公平はあった筈だが、もっと寛容さがあったような気がする。



悪い大人もいたし、いじめもあったが、大人と子どもが正しい関係にあった。小学校の入学式で校長先生が「自分の身は自分で守ろう」などという講話をすることはなかったし、少なくともコンプライアンスなんていう、嫌なものもなかった。すべてがよかったとは言わないが現代よりはよい時代だったと思う。





「やばね食堂」

国道19壕線を松本方面へ向かい、安茂里駅、小市の交差点を越えて少し行ったところにこちらはある。南側斜面の山裾に建っているので、絶対に眺望がよいだろう。そして、その古びたフォルム。モノクロ撮影したら間違いなく昭和30年代前半としか見えない外観が気になっていたのだが、なかなかタイミングが合わずようやくまかり越す事となった。店内は古くはあるが清潔感たっぷり、何より南への眺望が素晴らしい。壁面に掲示されている黄色の短冊メニューがまた昭和っぽい。



「カツカレー」800円

じつは前夜と当日の朝はカレーであったのだが、隣席のおじさんが食べていたこちらの魅力にこうし切れず、つい注文してしまう。まぁカレーは大好きなので文句はないのだが。たっぷりご飯にまずはカレー、その上にカツが載るという理想的なフォルム。揚げ物はカリカリが好きなのだ。

ルーからは固形の具材は確認できないが、大量の玉ねぎとにんじんが入っているであろうと推察できる。何がよいといって、スパイシーいやはっきりと辛口であること。現代風な甘口ではなく、ジャワカレー辛口レベルなのがよい。ここはひとつ、昭和風にソースをじゃぶじゃぶかけて食べてみよう。





昔がよかった。

といいたい訳ではない。総合的に言えば現代の方が遥かによいだろう。しかし、その分なくなってしまったもの、自分自身忘れ果ててしまった大事なものもあるような気がしてならない。

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