味のり・梅ぼし定食


50年生きてきて、ずいぶんいろいろなものを食べてきた。特に外食においては、高いもの安いもの、豪華なもの大したことのないもの様々であった。

…が、今回ある意味ですべてを凌駕する、衝撃的なメニューと出会うことができた。

「味のり・梅ぼし定食」280円

朝食ではない。ごく普通のメニューとして存在する。素晴らしい、美味かった。詳細はいずれ

納豆サンド


朝食である。
せっかくだから、メニューは昨日のコッペパン(になりそこねたフランスパン)を使ってサンドイッチとする。

といって、よい具材の用意などあるわけもなし。目の前のもので即席製作である。レタス、酢キャベツに納豆を加える。切り方が悪いのは愛嬌ということで済ませていただきたい。

決して悪いチョイスではないと確信する。

コッペパン、その失敗について


このところ休みのたびにパンづくりを行っている。
先だってある方からホームベーカリーを譲って頂いたのだ。せっかくだからやってみようという訳だ。


といっても、さして難しいことはない。材料を入れ、あとはボタンひとつで練る、一次発酵、二次発酵の後、焼くまで済ませてくれる。分量をしっかり計らなければならないのが、面倒なくらいだ。


これで数回、食パンを焼いた。
とりあえず初心者ということで、お試しをしてみたまでだ。先に書いたように、機械にお任せなので、分量をきちんと計るクセをつける学習をしているだけのようなものだ。

なんということもない。しかし、発酵が深まるにつれ、パンの香りが立ち込めてくる。焼成の行程ともなれば、室内はすっかりパン屋さんである。
ケースから取り出したる食パンの神々しいこと。粗熱を取り、しばらくビニール袋に入れておくと、しっとりしてきて、切りやすくもなる。これは、家内に教わったことだが、50過ぎて新しい知識が得られるなどということはじつによい事と考える。


これがまた美味いのだ。
コスト的には、スーパーで買ってきた方がずっとよいのだろうが、そこはそれ、苦労した分が加算され、一層の調味料となるのであろう。
本日も休みであったから、当然パンづくりの日。食パンもいい加減飽きてきたので、今回はコッペパンに挑戦してみよう。


クックパッドでレシピを検索

水 160g
砂糖 12g

塩 4g

バターまたはマーガリン 12g

強力粉 250g

インスタントドライイースト 5g


これだけの材料をホームベーカリーに入れ生地コースを選択する。
いつもと違うのは、生地を取り出し、切り分けてベンチタイム。成形して二次発酵、焼成という行程を自らの手で行わなければならない。



手際が悪い

当たり前だ。まったくの初体験で、教えてくれる者もなし。あるのはクックパッドにyoutube、あるいは友人にLINEで問い合わせると言った程度である。四苦八苦しながら成形し、オーブンで二次発酵。

ここまでは良かったのだ。
成形の際にしわがよってしまったり、二次発酵の際に膨らみが悪かったり(丸めるのに時間をかけ過ぎたようだ)はあったものの、その程度なら許容の範囲といえる。


まさかオーブンの操作を間違えるとは。
「予熱」が不要だったのに、うっかり設定してしまったのだ。おかげでふんわりコッペパンが、パリパリのプチフランスパンとなってしまった。


とはいえ、食べられないわけではない。レタス、チーズ、トマト、ハムを挟んだシンプルサンドの昼食はなかなかのものだった。



失敗は成功の母である。
次回は上手く出来るように気張ってやろうと考えている。


長野市「みーるマーマ 本店」にて自然食バイキングを堪能した件


【お店のデータ】
みーるマーマ本店
場所 長野県長野市穂保724-1  [地図はこちら]
電話 026-219-6693
営業時間 11:00~16:00 17:00~21:30 日曜営業
定休日 無休
駐車場 あり

基本、大喰らいなのだ
ひと口でも多く食べたい者がダイエットをする、などという無謀な試み以外何者でもない。しかしながら敢行せねばならない理由がある。したがって、食べるものはいきおい肉よりも魚、魚よりも野菜と極端に偏向することとなる。

ということでこのところ野菜料理だのサラダバーだのといった、低カロリーかつ糖質制限にも影響の少ないものを大量に摂取、お腹いっぱいにする。こんなメニューが多い。この日も同様である。そして長野で自然食で大量に、といえばこちらであろう。

「みーるマーマ」

といえば地元産の食材を使ったバイキングで有名である。元はと言えば「ミールケア」という委託給食をされている会社が、別に事業展開されている店なのだという。この手の店では断トツに美味い。
以前から大豆島で営業されていたが、数年前穂保に「本店」をオープン、こちらではレストランだけでなく、カフェや農業体験などができるイベントスペースが併設されているとのよし。ということでたっぷり頂こうではないか。

しかし、こういう場に来ると困ってしまう。優柔不断すぎて何を取り上げたらよいのか判断がつかないのだ。毎度のことだが。
とりあえず、最も好きな物のところへ。

『長芋の三珍和え』

素揚げした長芋に甘辛のタレを和えたもの。これは美味い。こちらの一番人気である。

話は変わるが、伊藤理佐の『おい!ピータン!』にバイキングの本質はいかに美しく盛るかなのだ。というテーマの回があった。正しくその通り、美味さには味だけでなく『美しさ』もあって然るべきなのだ。あゝオレはいつまでも達人にはなれない。

とりあえず好きなものを取り上げてみた。 という以外の何者でもない、じつに『美しさ』の感じられない皿である。嗚呼

しかし、料理ひとつひとつは素晴らしい。ピンピンの生野菜にぷりぷりの鶏肉。ナスのドリアは最高に美味かった。ダイエットに炭水化物は禁物なのだが、これを見せつけられては食べないわけにいかない。ナスに生きナスに殉ずるまでである。

スープ、鶏肉と湯葉のなんとか、そして烏龍茶。 スープは山菜のたくさん入ったコンソメ風。さっぱりして大変な美味であった。もちろんお代わりは当然のことである。鶏肉と湯葉のなんとか、というのは名前を失念しただけなのだが、これもさっぱりで二重丸。烏龍茶も香り高く美味であった。

デザートを求めてふらふらしていたら蒸し野菜と出くわしてしまう。これは食べねばならぬ。キャベツブロッコリーニンジンプチトマトなどはポン酢で。さつまいもはそのまま。ふんわり暖かで美味い、美味すぎる。

伊那市「うしお」あるいはご当地グルメ本来の味わいについて


【お店のデータ】
うしお
場所 長野県伊那市荒井3460-1 [地図はこちら]
電話 0265-72-4595
営業時間 11:30~13:00 17:00~21:30(L.O.21:00)
定休日 日曜日(不定休)
駐車場 なし

伊那まで遠征である。

早々に用事を済ませランチの段取りとなる。「みや川」の非常識から揚げと考え、調べてみたら閉店されたようだ。致し方ない。南信らしいランチは何か?やはり『ローメン』であろう。そしてローメンなら「うしお」に行くしかあるまい。
「行くしかあるまい」
などと、上から書いているがじつは初訪問である。有名なお店で、何年も前から知っていたし、じつは昨年二度ほど訪れたのだが、定休日・アイドルタイム突入に行き当たってしまい諦めるしかなかった。今日は時間もある、せっかくのご縁である、いざ参らん

「うしお」

こちらは伊那市の中心地にある。ビルとビル(というほど大きな建物ではないが)の間に挟まれた小さな小さなお店である。昭和の香りが濃厚なフォルムがじつにたまらない。内部も同様、積年の油脂がたっぷりと染みついた、安心感安定感満載のフォルムがたまらない。ああ、オレこういう店が大好きだ。注文はもちろん「ローメン」。せっかくなので

『うしおのすべてが味わえる‼︎食いしん坊のためのよくばりセット』並セット1200円

生来の『食いしん坊』である。無類の『よくばり』でもある。母親から「お前は『全部』と『いっぱい』が大好きだった」とも言われている。文句なし、これでいってみよう。

ローメン
うしお煮
トーフ汁
小鉢
お漬物
ご飯(小)
という、まことに「よくばり」な構成である。楽しみ楽しみ♪

「うしお煮」

こちらでいうところのモツ煮なのだそうだ。モツを時間かけて柔らかく煮込んだもの。モツ煮といえばミソ仕立てをイメージするが、こちらはあっさりしょう油味でちょっと甘め。

「トーフ汁」

こちらも名物らしい。サイの目に切られたトウフのすまし汁である。真ん中に大きな麩がひとつ。かなり甘い、少々クチに合わない気がする。

「小鉢」

さつま揚げ、ちくわ、こんにゃく、鳥つみれの煮物。要するにおでんである。これはサッパリとして美味しかった。日替わりなのであろうか。

「ご飯(小)」

小だけあって、小さなお茶わんに軽く。水気多し。水を間違えたかな?

「ローメン」

以前、他のお店で食べたローメンは異様に甘ったるくて辟易としたものだが、こちらはいかがなものか?
…と、内心ビクビクしていたが、このローメンはきちんとソース味で安心。太い中華麺とシャキシャキのキャベツ、ラム肉炒めがベストなマッチングであった。

「うしお煮」「トーフ汁」で強く感じたことなのだが、全体的に甘いのだ。出汁少な目の砂糖多目という感じといえばよいだろうか。『芯のない味わい』と表現すると叱られるかもしれないが、これまであまり出会ったことのない味わいでもある。

※これから南信の方、あるいはこの味わいの好きな方に大変、失礼なことを書いてしまう。後ほど理由を申し上げるが、まずはあらかじめお詫びを申し上げておく。

『これは本当に美味いものなのか?』

『不味い』
というのではない。食べられないわけではない。強いていうなら『違和感』と表現すべきだろう。
同じ国に住み、同じ言葉を話しているに関わらずどこか共有できない部分がある。やはりこれは『違和感』と表現するべきではなかろうか。
これは文化に起因するものではないか。平たく言えば知らないだけ、ということではないか。
現在住んでいる北信地域と、彼の地である南信地域とは、元は全く違う国だったのだ。明治以後、行政上の必要性から『長野県』として括りあげただけなのだ。『文化』も『風習』も、そして『味わい』も違って当然なのである。

ご当地グルメ

そもそも『ご当地グルメ』なるものは、そのような存在なのではないか。逆を返せば、わが北信だって他所からすれば『あんなクソ不味いものを食べている』と思われているかもしれない。本当に美味いものとは当地で住み暮らし、当地で働き、当地の人びとと親しみ、当地の空気を吸い、当地の水を飲んでこそ楽しむことのできるものなのかもしれない。
無論、今までご当地のものがすべて美味くなかったわけではない。北海道のジンギスカンやザンギは涙が出るほど美味かった。新潟のカニ汁、玉子いっぱいのコウバコガニには絶句した。しかし、本質的な部分で、本当の意味で「美味さ」を感じていないのではないか。オレは理解して食べていたのかァァァァァァァァァァァァァァァ!

まとめ

そんなことを考えていたら、南信に引っ越したくなってきた。オレは心の底から「ローメン」を理解していないのだ!「うしお煮」を美味いと感じたい!おい!お母さん!南信に引越すぞ!などと無論、半ば冗談、半ば本気で考える今日この頃である。

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長野市「やきにく屋さん HABUKIYA」“ボリュームランチ”と鈴木その子


【お店のデータ】
やきにく屋さん HABUKIYA
場所 長野県長野市川中島町御厨2414-1  [地図はこちら]
電話 026-214-6928
営業時間 11:30~15:00、17:30~22:30(L.O)日曜営業
定休日 月曜日
駐車場 あり

ダイエットと鈴木その子

ダイエットとひと口に言っても様々な方法がある。最も有効なのは摂食あるいは運動だと思うのだが、中にはリンゴだけ食べる、バナナだけ食べると痩せる。水だけ、コーヒーだけ飲んでいれば○Kgいけると種々様々、百花繚乱と言えるほど種類がある。
今まで出会った中で最も面白かったのはやはり鈴木その子であろう。料理・美容研究家としての晩年、テレビに出てその異様な白面美で世間を騒がせていたのを覚えている方も多いのではないか。「笑っていいとも」に出ていた頃はすごかったなぁ。鬼気迫るとはまさにこのことである。
彼女を有名にしたのは『やせたい人は食べなさい』(1980年)のベストセラーであろう。絶食・節食法ではなく、いろいろ食べながら痩せられる!ご飯食べても大丈夫!という先駆的な存在だった。

あの書はずいぶん評判になった。好きなだけ食べてよい、というのだから。とはいえ中味には??がたくさんついてくる不思議な内容だった。とりあえず何でも食べていいよ。というのはよく分かる。過剰な絶食は体調を崩してしまうだけなのである。

トンデモ本

問題はここから先だ。
もちろん肉も食べてよい。ただし、調理の際は一晩水に浸けておけ、という。旨味はそのまま、脂肪分が溶け出して最適なダイエット食になるというのが彼女の主張であった。さすがはベストセラー、通常とは違った発想である。
んなアホな。茹でる、というならまだしも肉の脂肪が水に溶ける?そんなことがあるわけがない。とそこで読むのをやめてしまった。いわゆる『トンデモ本』の嚆矢ともいえる存在だと思う。なにゆえそこまで詳しいかというと、母親がこの書を一所懸命読んでいたからである。まったく軽薄な母親だ。恥ずかしい。
もっとも、その軽薄さ加減を一番受け継いだのは私なのだから気をつけねばなるまい。
しかしながら近年になって糖質と血糖値の相関性が確認されてからというもの、炭水化物=糖質の摂取をある程度気をつけていればそこそこのダイエットにはなる、というのが主流となった。ご飯をごく少量に、または食べすぎなければ焼肉だって大丈夫。やせたい人は食べなさい、ということは現代において実現したのだ。

「焼肉屋さん ハブキヤ」

ではひとり焼肉としよう。相変わらず前置きが長くて恐縮だが、気にしないでほしい。こちらはいろいろハブいてコストダウン。その分を価格に反映するといってずいぶんと安く食べさせてくれる。土曜日・日曜日でもランチタイムのある素晴らしい店なのである。

「ボリュームランチ」1,000円

鶏豚牛揃って全350g、サラダバー付というすごい内容だ。

鶏のみはタレ焼きのみ、豚牛は塩とタレどちらかを選択できるので塩を。もともと好きなのだ。ダイエットのためだけではない。あらかじめ申し上げておく。
豚はSPF、鶏牛の品種は失念したがどれも柔らかくあっさりしていて品がよい。
よい肉を扱う店は出来るだけ焼くな、というが、こちらのマスターも同様である。焼きすぎるなという。左から右へとドライブスルーのように動かしながら、白くなったら焼き上がりという。早く焼けるので食べ放題向きだよ、とも言われた。

どんどんと焼きあがる肉ども

どんどん焼き上がるのでどんどん頂く。
ちなみにサラダバー・スープバー付である。マスターにほとんど焼いてもらって(他のお客様が少なかったのもあるが)上に1,000円ポッキリ。あまりに申し訳ないのでドリンクバーも注文。それでもプラス140円は安すぎる。
つけだれも試してくれ、とのことで二種類。信州りんごを用いたものと、何かのたれである。詳細は失念。これは美味かった。何者にも得難い店である。また来よう。ダイエットのためにも通い詰めなければならない。

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須坂市「とら食堂」腹がへったら”とら食堂“


【お店のデータ】
とら食堂
場所 長野県須坂市大字相之島539 [地図はこちら]
電話 026-245-8100
営業時間 11:00〜20:00
定休日 月曜日
駐車場 あり

海街diary

先ごろカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した、是枝裕和が2015年に製作した作品「海街diary」を観た。鎌倉に住む、歳の離れた4人姉妹の日常を淡々と悠々と描いた佳作だ。

4人の暮らしがたっぷりと描写、…というより映画そのものが、彼女たちの暮らしの中にあるのだ。かしましく、などという可愛らしいレベルではないほどの騒がしさ。間段のないおしゃべりと共に食事をとり、服を選び、ケンカをし、酒をのみ、いたわりあう様が面白くてならない。女だらけの暮らしってこんな感じなんだ。と、男三兄弟の末っ子は深く感じ入る。

男ばかり産んでしまって面白くない
と母親は嘆いた。4姉妹+長男1という、「海街diary」以上の場に育った母にとって、まさかこんなむさ苦しい家庭を作り上げてしまうとは、まったく想定外であったようだ。
でかくて重くてくさい洗濯物、ケンカは一度始まると物は壊れそこいら中がめちゃめちゃとなり果てる。おしゃべりではあるが、女性と違い「間段なくしゃべる」ということがない、割と静かな茶の間など、思ってもみない状況であったのだから。しかもそれが、すべて自分が生み出したもの、自分の責任なのだから余計と面白くなかったのかもしれない。
中でも、もっとも面白くなかったというのは食事の場だったとか。たしかに、一人当たり肉を2キロずつ平らげたり、朝食用に一升、弁当用に一升ご飯炊かなければならない状況は、彼女からすれば無残としか表現しようがなかったかもしれない。

母の激怒

それ以上に腹が立ったのはその光景。肉2キロ食べようと、どんぶり飯三杯喰らおうと仕方ない、我慢しよう。問題は、おかわりする際に
「んッ」
とだけ言って差し出すこと。
「せめて『おかわり』くらい言いやがれ!」
と、叱られた小学3年夏休みを現在でも鮮明に覚えている。

「とら食堂」

須坂市相之島、小布施街道添いにあるこちらはまさしく「オアシス」であると思う。わが家と比較して、ということだが、ご飯、みそ汁、キャベツ食べ放題という豪快かつ太っ腹なお店で、「んッ」とどんぶりを差し出しても怒られないところが何よりもよい。しかしまぁキチンとした飲食店であるし、こちらも「んッ」なんて無礼なことはしないが、ご主人以下全員がいつもニコニコ。「いらっしゃいませ」「おかわりいかがですか?」と気配りを怠らない、その笑顔こそ「オアシス」と感じる次第だ。本日も、いつも通りのニコニコの中で、いつも通りのメニューを注文することとなる。

「焼肉定食 超大盛」

特製のタレと最後にどっかりと投入されるマヨネーズによって、まったりと仕上げられている。ぷりぷりの豚バラ肉がたまらない。タレにからめていただく千切りキャベツほど美味いものはない。

「ご飯おかわり記録」

なるものが店内に掲示されている。いつぞや最高で20杯と聞いたが、その後更新されたであろうか。この貼り紙を見るたびに、母のあの日の怒鳴り声がどこからか聞こえてくるような気がする。

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長野市「牛若」ステーキ、その悠々たる多幸感について


【お店のデータ】
牛若
場所:長野県長野市篠ノ井会54-3 [地図はこちら]
電話:026-293-8929
営業時間:《ランチタイム》11:30~13:30(L.O)《ディナータイム》17:00~22:00(L.O.21:30)土日祝日もランチ営業
定休日:火曜日

きのう何食べた?」なる漫画をご存知だろうか。
映画化された「大奥」などを著した、よしながふみの作品である。コミックモーニング誌に月一回連載という、じつに悠々たる姿勢で描かれている。

『悠々たる』とは言ったが、内容はというと中年のゲイカップル、几帳面で内向的な弁護士と人当たりのよい開けっぴろげな美容師。まったく正反対な二人がの生活を淡々と描いただけのものである。
派手なストーリー展開はほぼない。しかし二人の仕事や、彼らを巡る人間模様、あるいはゲイに関する諸事情、カミングアウトの是非、両親や兄弟姉妹、職場との向き合い方などシビアな問題はきちんと扱われる。
そして何より重要なのが、主人公の調理シーン。毎回かなりのページを費やして語られるのは、ほとんどレシピ本同然に詳細に描写し尽くされ、かつ各回のストーリーに密接に関わっている。

二人がステーキを食べる、という回がある。
何話目のことかは失念したが、到来物の高級牛肉を苦労しながら、胃もたれしつつも『肉を喰らう多幸感』に浸り切るというお話である。

われわれの子どものころと違い、近年では冷凍技術は発達し、関税が緩和されたりもしているので、輸入状況がよくなっているから、牛肉もずいぶん安くなった。とはいえ、ステーキともなればどことなく「高級」というイメージが払拭出来ないのは貧乏育ちだからか。

昔、新宿二幸(現スタジオALTA)裏にあった小さな洋食屋の店先にあったショーケース。その中に陳列されていたロウ細工のステーキ。楕円の銀皿の上に埃むしながらゴロリと鎮座しているディスプレイモデルの脇には、「ステーキ2000円」の文字。40年前の2000円がどれほどの価値があったかは分からないが、けっこうな高額商品であったことは間違いないだろう。そんなわけだから、ステーキ食べて多幸感に浸るのは中年ゲイカップルだけではないのだ。

そんなわけで今回はステーキである。本当は巨大な鉄板を前にして、というのをいきたいがそんなものが食べられる訳がない。しかし1,000円未満でステーキを食べられると聞き、篠ノ井までいってきた。

「焼肉 牛若」

篠ノ井駅にほど近い旧18号線沿いの小さな焼肉店である。壁面に「牛若」と大書されてはいるが、開口部の少ない外観は、昔ながらの焼肉屋という風情がして好感が持てる。
店先にはランチメニューがぶっきらぼうに掲示されている。この素っ気なさがかえって期待感を高めてくれるのだ。
ランチメニューは
焼肉定食
ステーキ定食
の二種だが、注文はもちろん一択である。

「ステーキ定食」980円

ドリンク(コーヒー・コーラ・カルピス・ウーロン茶・ジンジャーエール・メロンソーダ)
オーストラリア産チルド牛肉150g(特製ソース付)
新潟産コシヒカリ・特製コーンスープ・野菜サラダ

刮目して見よ!この威風堂々たる陣容を。鉄板の上でパチパチと、小気味好い音を立てている肉塊を!生野菜サラダの楚々とした姿を!コーンスープの見るからに滑らかな素肌を!などと、勇ましく語りたくなるようなステキなフォルムである。

肉はやや硬め、ウェルダンというくらいだ。塩コショウは少なめで、ソースで食べると丁度よい作りとなっている。あるいは卓上の天然塩を少し用いるとよいだろう。
ガシガシとナイフ、フォークを繰るのは多幸感を増幅してくれるようで、楽しいのではあるが、正直いうと疲れる。誰か切ってくれないか。高校の同級生Sくんのナイフ使いは一流で、面倒くさがりの私はよく切ってもらっていたものだ。邪道中の邪道なのはよく分かっているが、楽して美味しいのが一番である。あゝSくんがこの場にいてくれればいいのに。


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長野市「アルテリア・ベーカリー長野店」メロンパンなひと時


【お店のデータ】
アルテリア・ベーカリー長野店
場所 長野県長野市長野東後町2 [地図はこちら]
電話 026-217-2655

メロンパンのおやつである。
こちらのオープンはいつだったか。すでに権堂の名店と認知され、行列が絶えたことがない。とはいえ、昼過ぎの中央通りはさすがに並んではいない。

『メロンパンアイス カフェセット』500円

例の「500円でなっちょ」を使い、冷たいデザートという訳である。名物であるメロンパンにバニラアイスを挟み込んだものと、250円までのパイ、200円までのドリンクを選択できるという

メロンパンは、クッキー生地のサクサクとした歯ごたえと、もちもちの内部のコントラストがとても楽しく、抑制された甘味もよろしい。そこにバニラアイスが挟まれたとあれば、美味しくないわけがない。

冷たいバニラアイスが、少しずつ溶け出し生地に染み込んでいくと、双方の旨味と、舌ざわりがほどよく合わさる。これは絶品だ。しかし、これひとつでかなりの大きさとなり、お腹いっぱいになってしまう。


コーヒーの苦味と暖かさが口中を塩梅よい風にしてくれる。もう一つはカレーパンとしたが食べ切れないのでお土産に、こちらもほどよく辛く美味しかった。

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長野市「COLORFUL」若者たちの…


【お店のデータ】
COLORFUL
場所 長野県長野市南千歳1-16-14 [地図はこちら]
電話 026-219-2144
営業時間 11:00~17:00(LO PM17:00)17:00~23:00(LO PM22:30)
定休日 月曜日

若者」とは何歳くらいまで呼んでよいのだろうか?10代まで?いや20歳まで、いやいや今どきは精神年齢ひくいから30まではよいのではないか?

……このオヤジはいったいナニを言いたいのか?別に気にすることなどない。など思わなくもないのであるが、「若者」でなくなってから幾星霜、心身ともに汚れてしまった身としては、彼らが眩しくて仕方がない。寒い寒いと言いながらも▲20℃の環境下でスキースノボに昂じられる彼ら素晴らしい。今日は海水浴、明日はディズニーランド明後日は、などと2日も3日も寝ずに遊んでいられる彼らが羨ましくてならない。

戻ってみたい
と思っているわけではない。現在だってそれなりに面白いことはある。「若者」には出来ないこともある。
あゝ、オレもあんな時代があったのか?いやまぁあったのだが、何十年も前のことすっからかんに忘れてしまった。
ということなのだ。汚れたオヤジは元には戻らないが、汚れっぱなしは話にならない。少しは細胞を活性化させないと長生きできない。

そんなバカなことを半ば本気で考えながら選んだ店がこちらである。

COLORFUL

長野の「若者」といえばアゲインあるいはC-1じゃないの?と言う向きもあるかもしれないが、対象年齢が低すぎて、50オヤジは入っただけで空中浮揚したような気分となってしまう。だからCOLORFULくらいがちょうどいいのだ。

広くガランとした室内に高い天井、通りに面した側の大ガラスからは、方位のせいか柔らかな日が差しこむ。健康的でじつに若々しい空間である。シーズンともなればJ3長野パルセイロのパブリックビューイングが行われるという大きな白い壁面に圧倒されつつ頂いたのが

『カレーLUNCH+カラフルセット』
6種のカレーとご飯が食べ放題。そこにサラダバー、ドリンクバー、スープバーが装備される。

6種のカレーとは
◯スパイシーカレー 香辛料たっぷりの本格的なカレー(豚肉、玉ねぎ)
◯ビーフカレー かくし味はデミグラスソース☆(牛肉、玉ねぎ、さといも)
◯チキンカレー (たぶん、説明なし)
◯ハヤシライス トマトとデミグラスソースたっぷり!(豚肉、玉ねぎ)
◯レッドカレー 赤唐辛子のペーストをベースにココナッツミルクと沢山の具材のタイ国カレー(とり肉、キノコ、たけのこ)
◯グリーンカレー ココナッツミルクがたっぷり入ったタイ風カレー(たけのこ、とり肉、アサリ、ナス)

ご飯をうまく盛りつけ、6種すべてを一つ盛りにするのがオシャレなのだと言う。

『カラフル盛り』

とも言うのだそうだ。不器用なオヤジの盛りつけはオシャレとはほど遠くなってしまったが、
#カラフル盛り
というハッシュタグをつけてSNSに投稿すると、デザートが貰えるというので、つい頑張ってしまう。結果、バニラアイスをGET。よかったよかった。

カレーには失敗がないという。肉野菜を煮込み
、ルーを加えれば完了である。逆を返せば、個性の出しづらい料理でもあるのだ。
その点、こちらはじつにうまく個性を作り込んでいる。スパイシーカレーは苦味を加え、ビーフカレーは和風っぽい感じ。チキンカレー、ハヤシライスはコクのある濃厚な仕上がり。一番気に入ったのはタイ風カレー2種。とくにレッドカレーは辛くてとても美味かった。

葉物野菜が高い昨今、サラダバーといえばレタスたっぷり盛りつけてしまうのがビンボー性をいやますようでイヤなのだが、こればかりは仕方ない。

スープバーはコーンスープとキノコとかアサリのスープ。後者をいただいたがアサリ出汁たっぷりで濃厚で。
ドリンクバーはリンゴ、グレープフルーツ、紅茶、ウーロン茶など。

久しぶりにシャレオツな空間でシャレオツなランチを頂いた。時間帯が少しズレていたせいか、あまり若者の姿を見かけなかった。次回はもっと早く来ることにしよう。

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長野市「乙妻」19年のおつきあい


【お店のデータ】
乙妻
場所 長野県長野市高田338 [地図はこちら]
電話 026-226-4240
営業時間 11:30~14:30、18:00~22:00
定休日 日曜日

移住

長野県に移住して今年で20年になる。
時の流れに疲れ果て、というほどでもなかったのだが、東京でいろいろあったのは確かである。バブルも終り、狂騒やんでヤレヤレと思ったのもつかの間、勤務先が一気に傾きはじめ、困り果てたが逆にこれを幸いとして、いっそのこと長野へ行こう。嫁さんの実家も心配だし、環境の良い場所で子育てするのがよいだろう。そんなこんなで引っ越して来たのが1998年6月のことである。
転職先で最初に配属されたのは松本だった。

排気ガスだらけの東京と違い、澄み切った大気と清麗な水。水が「うまい」と感じたのはこの時が初めてだった。
窓を開け放っていたら、寒くて起きてしまった6月の朝。どうも顔面がぴりぴり痛くて仕方ない。よぉく観察したら紫外線が強く日焼けしたのが原因だった。冬もすごかった。「痛い」としか感じられない寒さ。街中でダイヤモンドダストを見た時の驚愕。
安曇野の山々はどこまでも深く、昼間でも野生動物たちサル、キジ、カモシカを目撃する、イノシシと出くわした時は感動してつい近寄ってしまい、同行の先輩に怒られた。初めて過ごす地方の生活は、東京でのほほん育ったお坊ちゃん(という歳でもなかったが)の予想を遥かに超えるものだった。

そして長野へ

翌年長野市へ転勤。
「めくるめく」体験をもたらしてくれた松本とは、正直別れ難かったが、会社から「行け」と言われては致し方ない。それにもともと来たかった地であるのだから、嫌も応もない。
長野市に来て最初の確認事項は本屋と図書館、そして定食屋の在り処だったのが「らしいところ」と言えよう。双方ともになければ死んでしまう。とはいえ、本屋も図書館もちょいと探すだけでなんとかなる。問題は定食屋だ。
「端から試していけばいつかは」
という手法もなくはないが、それではあまりに非効率すぎる。ここはひとつ口コミを利用するべきであろう。同僚のMくんに、うまくて盛りよくそこそこ安い定食屋を。と尋ねたら教えてくれたのがこの店である。

「乙妻」

おとづま
と読む。今昔物語を思わせるような響きで少々驚いたものだ。こちらはとにかくすごい。大皿にてんこ盛りの惣菜、ドンと鎮座する丼メシ、油揚げと麩、もやしのみそ汁はいつも変わらない安定感をもたらしてくれる。

大盛り!

などとコールしようものならとんでもないことに発展する。定食ものはあの丼メシが二つどん!どん!カツ丼天丼などは蓋が閉まらないほどの大ボリューム。
オムライスは真円のマクラである。よほどの食欲と覚悟をもってして挑むがよいだろう。幾度となく後悔したものが言うのだから間違いない。

こちらのお気に入りはデカい丼に並々と盛られている「豚汁定食」、あるいはもつ煮の汁気をとばし、炒めなおした「もつ焼き定食」。比較的新メニューであるところの「豆腐チゲ定食」なのだが、では最初に食べたものは何であったか。

「焼肉定食」

おそらくこれであろう。
豚こま肉と玉ねぎを甘辛いタレで炒め、千切りレタスと共にドサっと盛られた豪快な一品。
「見ただけでお腹いっぱいに」
と言い放ったのはわが家内であった。
こんなことを考えていると、やはりどうしても食べたくなる。致し方ない、これは行くしかないであろう。乙妻、焼肉とは切っても切れない関係なのだ。
到着したのは12:00少し前だったが、そこそこな入りである。着席するなりお冷やと注文取り。
「焼肉定食!」
のコールの後5分ほどで出てくる。スタッフの機敏さと正確性は見事なものた。これぞ人気店の所以と言えよう。

大皿の…

直結30cmほどの大皿一面に薄く敷かれた千切りレタス、そして強烈な色合いと、猛烈に美味そうな香りを放つ肉!肉!肉!
なにが美味いといって、千切りレタスとともに食すのがもっとも美味いであろう。少々火を入れすぎて、甘たるいタレが焦げくさい臭気を放っている時もあるが、男のコは気にしない。額に汗を浮かべ、唇の周りを油だらけにしながら「かきこむ」のだ。美味い!

ランチはゆっくり楚々として

というあり方は否定しない。あって然るべき、とも思う。しかしながらかきこんでこそのランチ、ガッツいてこそのランチでもあるのだ。ガツガツと食べてこそ午後の戦いに挑むことが出来るのだ。

「乙妻」と出会って19年。これまでありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。

【追伸】
そういえば、乙妻の名前の由来を聞いたことがない。今さら改まって聞くのも恥ずかしい。誰かご存知の方がいればご教示されたし。


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長野市「湯遊び広場 ぶらっと稲田 」銭湯の味わい


【お店のデータ】
湯遊び広場 ぶらっと稲田
場所 長野県長野市稲田3-31-8 [地図はこちら]
電話 026-259-4126
営業時間 [月~金] 9:00~24:00 [土・日・祝] 7:00~24:00
定休日 無休(加えて年5日程度不定休あり)

発端、そして銭湯へ

昨年末から今年初のことだが、訳あって銭湯通いをすることとなった。……といって、数日のことだが。
単にわが家の給湯器が故障し、時季が時季ゆえに修理も叶わず、いやこちらもいちおう建築屋だから無理を言おうと思えばできるのだが「無理はお客様用」なのだ。我がことで使うものではない、という建築屋独特の思考法にて修理を断念。致し方なく風呂を借りに行くということとなった。
とはいえ寒中である。
往復の負担を出来るだけ低減したいと願うのは誰も同じであろう。となれば、わが家にもっとも近い

「ぶらっと稲田」

こちらを選択するのが懸命だ。年末年始通し営業というのもありがたい。そんな不自由な生活ではあるが、これはこれで楽しくなくはない。
広々大きな浴槽、露天風呂、足湯、壺風呂、変わり風呂にサウナなどひと回りするだけで面白い。休憩室にはTVあり雑誌ありマンガありで暇つぶしま完璧。そして畳敷きの広間。ここで寝転がるもよし食事するもよし。
最大の楽しみは飲食メニューである。
さほど凝ったものはないが、麺類、丼もの、定食もの。もちろんビールやつまみ類も充実している。

大ジョッキ

ぐ〜〜〜〜〜〜〜っ!ぷは〜〜〜〜〜〜っ!
風呂上がりのこれを飲み干す快感!至福の喉ごし!これなくして銭湯は語るべからず、である。

さて、ナニを食すか。
お節料理が続いているので、舌が普通の味わいを求めている。数あるメニューを一目で決断できるほどの勇気はない。様々な逡巡と優柔不断が続く。…………続きすぎるのでひとまずおつまみを注文する。

「山盛りポテト」380円

揚げたてのポテトが山積みされている。
指で摘まめないほど熱々だ。揚げたてだから当然だ。割り箸でがッと掴み口中に投入。がしゅッがしゅッと力強く噛み締め、ビールをぐびり
くぁ〜〜〜〜〜〜ッ!うめ〜〜〜〜〜〜ッ!

息子はカレーを食べたいという。
なるほど、普通の味わいだ。では父も同様としよう。

「わらじかつカレー」1750円

私ではない、息子の注文だ。
でかい平皿にてんこ盛りご飯。300gとも言われる量の上に厚さこそさほどではないが、長径30㎝、短径15㎝ほどの巨大な楕円形のかつが鎮座している。ドロリとしたカレーにはコーン、角切りニンジンなどミックスベジタブルが投入されている。千切りキャベツと大量の福神漬けは、この皿の格をあげる存在である。

「野菜カレー」

こちらが私の注文だ。

船形のカレー皿に品良く盛られたカレーの上に、ナス、カボチャ、インゲン、ニンジン、レンコン、ブロッコリーがトッピングされている。このような場では珍しくスパイシーなカレーとベストなマッチングといえる。うまい。

息子の
『とてつもなく腹がへった』
という理由でわらじかつカレーを注文したはよいが、そのスケールに泣きを入れるので私、家内、娘家族4人総出で片づける。厨房のおばちゃんに聞いたら、何人かでシェアするメニューなのだとか。さもあらん。

ということで風呂がなくとも楽しき日々を過ごした。年始のうちに、もっとも思い出深いエピソードが出来て、とても喜ばしく思う。ちなみに修理が完了したのは1月7日、およそ10日間の銭湯通いであった。

銭湯といえば

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上田市「十一屋」『地元民仕様(に見える)』素晴らしいお店


【お店のデータ】
居酒屋 十一屋
所在地:長野県上田市吉田319-2 [地図はこちら]電話 :0268-23-1008
営業時間:11:30~13:30、17:00~22:00
定休日:水曜

「地元民しか行かないような、安くて美味しいお店を教えてくれない?」
「そんないい店はないし、あっても教えねーよ。バーーーカ」

長野に越してきて19年になる。
最初の1年のみ松本であったが、その後はずっと長野へ居住している。
おかげで土地勘もそこそこ出来てきた。東北信限定ではあるが。言葉もすっかり板についてきたとみえ、先だって東京の姪から
「いったいどこの国のひと?」
と訝しく顔を見つめられた。よほどおかしな言葉と感じたのであろう。信濃言葉は「ほぼ標準語」であると思っていたが、どうやら違うようである。

かようなわけで「ほぼ地元民」であると自負している。
ほぼ、とはいえ地元民であるからには観光客など絶対に寄り付かない店のひとつやふたつ知っていて当然である。長野市のあの店の「玉ねぎのロースト」は凄かった。そもそも発想が違うのだ。この店の中華もとんでもなかった「彩りのサラダ」など次元が違う。酸っぱくない「黒酢酢豚」辛くない「麻婆豆腐」「干焼蝦仁」があれほどうまいとは!!!

んっ?「あの店」「この店」と書くのはなぜか?なぜ黙っているのか?意地悪ではないか?とご憤激のみなさまにお答えしよう。

「そんないい店はないし、あっても教えねーよ。バーーーカ」

よい店は自分で探すのだ。自らの目と耳と足を使って探し出してこそ「良店」なのである。うっかり話してしまったがために混雑でもされては目も当てられない。

とはいえ
「あの店」「この店」だけで済ませるわけにはいくまい。そこでこちらを紹介することにしよう。

「居酒屋 十一屋」

なんだ。
あちらこちらで紹介されている店じゃないか。食べログにも掲載されている。
とクレームをいただきそうだが、いやここは完全に「地元民仕様」のお店なのである。

上田と松本を結ぶ国道143号線を西へひた走り、塩田を抜け築地バイパスの交差点を越え1.5kmほど行ったところにこの店はある。
店構えを観てほしい。「十一屋」という屋号こそ確認できるが、まるで廃業したたばこ屋ではないか。

おそるおそる中を伺うと、元雑貨屋という風情の店内は酒あり野菜ありその他商品が陳列……いや、放置されている。中尾彬のような強面のオヤジが一人店番をしている。
「やだな、怖いなァ」
とビクビクしながら見回すと、奥にもうひとつのドアがありそこが「居酒屋 十一屋」なのであった。

このつくりはやはり「地元民仕様」と表現するのが妥当であろう。
二つ目のドアを開くと、予想以上に明るく広い空間が現れる。
カウンターが3席ほど、四人掛けのテーブルひとつそして小上がりにテーブル3~4脚ほどの、居酒屋としてはそこそこな規模である。
大将とその奥方らしきわかい男女が切り盛りされているようだ。大将は先ほどの強面オヤジの息子さんなのであろうか。

目当ては日替わり定食である。
梅・竹・松の三種類が用意されているという。
各々500円、700円、1000円という素晴らしい金額設定である。
値段も去ることながら、内容が素晴らしい。

梅:マカロニサラダ・マグロのブツ切り・春まき
竹:さしみ(マグロ・ブリ)・ブリ大根・イワシのフライ
松:マグロ丼・マカロニサラダ・ブリ大根

典型的な「和テイスト」定食である。
日によりけりで洋食系も入ることがあるようだが、本日は魚中心である。
さぁ、どれを喰らうか、オレはなにを入れたいのだ。

様々な逡巡と試行錯誤、優柔不断の果てにいきついたのが竹700円である。
中を選択してこその大人、謙虚であり奥ゆかしさを発露してこその日本人である。あらためてメニューを確認してみよう

竹:さしみ(マグロ・ブリ)・ブリ大根・イワシのフライ

さしみはマグロ三切れブリ二切れ。新鮮でプリプリしている。
ブリ大根というメニューはそもそもアラで作るものと思っていたが、こちらは立派な「身」である。多少血合いは入っているものの、大きなブリの塊と面をしっかりとった大根の見事なコンビネーションによって別の次元に誘われているかのように思えるほどだ。
そしてイワシフライ。
25センチほどの「大羽」といわれるサイズを使用したものとみえ、大変大きなイワシフライである。ソースをたっぷりとふりかけ、大胆に噛みしめると、熱い肉汁がほとばしる。うまい。新鮮なるがゆえに、まったく臭みを感じない。ああ、至福の時である。

すべて食べつくすのに7分ほどかかったであろうか。
「おかわり」は別料金というので注文はしなかった。「大盛り」は無料とのことなので、次回は遠慮なしいただく事にしよう。

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小海町「どんぶりや 風とり」『普通』に美味しいカツ丼


【お店のデータ】
どんぶりや 風とり
場所:長野県南佐久郡小海町豊里2014-1 [地図はこちら]
電話:0267-92-3330
営業時間:[日~土]11:00~14:30(L.O)、17:00~21:00(L.O.20:50)、日曜営業
定休日:水曜日の夜

仕事で川上村まで遠征してきた。
のんびりのどかな地で気に入ってしまった。静かなのもよい。これで雪さえ降らなければ「住んでみたい」と思わなくもないのだが。だれかわたしに別荘を建て与えてくれる危篤な人物はいないか。

ここで昼ご飯とも考えたが店がない。
困った困った。こちらの視界に入らない、というだけで、絶無ではないのだろう。時分から外れていた、ということもあるか。

致し方ないので帰途へ。
道中何かあるだろう。だらだら下っていくと小海町の少し手前に店を発見。

「どんぶりや 風とり」

どんぶりものが主であるようだ。広めな店内には小上がりとテーブル席があったが、くつろぎすぎてしまいそうなので、テーブル席へとつく。
「風とり丼」
というのがおすすめというが、とろろがメインのようだが、現在の気分ではなかったのでパス。疲労のせいか甘いものを欲しているのだ。様々な逡巡と優柔不断の果てに注文したのは

「かつ丼セット ラーメン付き 950円」

アツアツごはんの上に、あまく煮つけられたカツがどっさり。安定した昔ながらのかつ丼、という表現が適切であろう。「うまいまずい」で言えば「普通」。しかしかつ丼のうまさとはこのようなものであると確信する。

識者によれば、ラーメンを吸い物がわりにするのはもってのほか!であるという。しかし、ラーメンとは本来スープのカテゴライズされるものであるとの説もある。だからラーメンセットでも文句を言われる筋合いはない。鶏ガラのあっさりスープとストレート麺は相性ピタリ。薄味でけっこうであった。

時間はだいぶ押してしまったが、満足な昼ご飯であった。「風とり丼」を食してみたい気もするが、彼の地まで参るのが大変すぎる。さすがにランチだけで小海まで行けない。またなにかの用事ができるとよいのだが。


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小諸市「自然の恵みそばと、カフェ 凱」さわやかな…


【お店のデータ】
自然の恵みそばと、カフェ 凱(Toki)
場所:長野県小諸市滋野甲591-1 [地図はこちら]
電話:0267-31-0927
営業時間:11:30~17:00(夜は完全予約制)、日曜営業
定休日:日曜日
駐車場:あり

昨年秋のこと
篠突く雨とまでは言わないが、決して少なくはない雨の中、他業である。10月も半ばをすぎた。夏は失せ消え、秋冬の気配が背後から少しずつ忍び寄ってきているのがよくわかる陽気だ。

あまり外に出たくはないが、仕事ゆえこればかりは仕方ない。後工程に支障がないのを幸として、時間をかけてゆっくり行こう。
須坂を抜け、菅平を越えるころには外気温5℃と表示された。寒いわけだ。今シーズン初めてエアコンディショニングを暖房に切り替えて走行していると、上田に差し掛かるころには、すっかり車内は常夏の状態といえる温度となってしまった。

寒いのに暑くてたまらない。
調子に乗って設定温度を上げすぎた。窓を開放、換気したが顔の火照りは収まらない。時分どきでもある。冷たいものでも食べて冷却しよう。ちょうど行く道に試してみたかった店がある。

「自然の恵みそばと、カフェ 凱(Toki)」

浅間サンラインの東部湯の丸インターと、小諸インターの中間くらい、道沿いのゆるやかな南斜面にひっそりとある、外壁全面を杉板で張り込んだ、一見では民家としか受け取れないようなデザインの店である。基本そば屋だが14:00からはカフェになるという。大きな屋根つきのデッキで飲むコーヒーは、さぞや美味しく感じられるであろう。いずれ、季節のよいときにお邪魔するとしよう。

内部は小さな厨房とそば打ち部屋があり、客席は広々したワンルームである。
大きな開口部からは、外光が差し込み明るい。この陽気でこの明るさなのだから、春夏は小気味好いほどのであろう。やはりそば屋よりカフェという表現が正当であろう。四十より少し前と見受けられる、若い男女が切り盛りしている。息のあった所業は、日差し以上に心地よい。ご夫妻であろうか。尋ねてみるか、とも考えたが先だって他所で間違えて、盛大に恥をかいたばかりである。余計なことは避けるとしよう。

メニューはもりそばざるそば天ざるなどスタンダードと、オリジナルと呼ばれるメニューがあるようだ。
オリジナルには春夏秋冬、季節替わりのものがあるようだが、「販売終了」と付箋がなされている。

初メニューは右上、といったのは井之頭五郎であったか。今回の注文は

「凱」Tokiのそば 1000円

『たっぷりの炒め野菜をいれた温かいつゆと、だしのきいた冷たいつゆに、冷水で締めたそばをつけてお召し上がりください』

という、どことなく稚拙な風ではあるものの、真面目一辺倒で誠実な文章に心を打たれたのもある。冷温双方を楽しむことができる、というのも気が利いている。

「出来上がるまで、あちらをお召し上がりください」
と、女性スタッフが指差した先にはサラダバーとドリンクバーがあった。

レタス、水菜、ベビーリーフにカットされたトマトが散らされた大きな鉢と、輪切りにされた茹でとうもろこし。そばの切れ端を揚げたものはクルトン替わりであろう。
ドリンクバーは冷たい烏龍茶とハーブティが用意されている。簡単なものだが、だからこそシンプルでうまいということもある。季節は外れたが、茹でとうもろこしがとろけるほど甘くて驚いた。

そして
「凱」Tokiのそば
である。

冷たいつゆはやや辛く、きりりと締まった味わいである。
温かいつゆには、軽く炒められた野菜類、ネギ、大根、にんじん、野沢菜、シイタケなどがどっさりと投入されている。ゆずの香りを効かせたのが一層個性を際立たせているようだ。

手打ちされたそばは、香り高く、細くそして固めに茹で上げられている。個性的なつゆどもと、堂々と対峙するかのような、どっしりとした存在である。

わずかではあるが、栗ご飯も供されていた。もち米の心地よい歯ごたえと、ほんのり甘い栗の存在感がとても嬉しい。ああ、本当に秋が来てしまった。

Tokiのそば
というのは、「時そば」にかけたものであろうか。会計の際、ひぃふぅみぃよぉとやってみようかとも考えたが、まったく通じず、恥をかくのもいやなのでやめておいた。


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長野市「燻製SAKABA峰家」どこまでも深く濃い味わい


【お店のデータ】
燻製SAKABA峰家
場所 長野県長野市北石堂町1390 2F [地図はこちら]
電話 026-228-7433
営業時間 [火~土] 17:00~23:00
定休日 月曜日・日曜日

「燻せばなんでもウマくなるんだよ」
と言ったのは友人のTであった。何も知らない、知っているはずもない背伸びしたい盛りの15歳。
当然こちらも15歳、生意気盛りで理屈こねたい15歳である。

「そんなことあるわけねーだろ?お前食ったことあるのかよ?バーーーカ!」

まったく、無知ほど大きな罪はない。
数年前、別の友人が作った燻製の数々、ゆで玉子、チーズなど簡単なものであったがその品々の美味なること。濃いのだ、深いのだ。日常的な飲酒はない方だが、つくづく

「あーーー!ジン飲みてー!」
と、思ったものだ。
燻製といって、スモークチーズくらいしか食したことのない小僧が言ってよい言葉ではなかった。Tよすまぬ。お前の住む方角に精神的な平身低頭をするオヤジひとり。

長々書いてしまったが、先だって先輩から連れて行って頂いたこちらの料理と出会い、上記の強く思い出したのである。

「燻製SAKABA峰家」

もともと料理好きであったマスターは、「好きが高じて」会社を早期退職。こちらを開店したという。
平成29年11月25日開店
この日はマスターご本人だけでなく、われら長野市民にとっても記念すべき日であると確信する。大袈裟に書いているようだが、それほど美味なのだ、深いのだ。

お通しとして出された大根おろしとしじみ汁。しょう油をサッとかけ、柚子胡椒をのせただけの大根おろしがなぜうまいのだ?しじみ汁?なぜこれだけしかないのだ?ドンブリで出しておくれ!という声は心中だけに留めておこう。今、大切なのは自己主張ではない、連れてきてくれた先輩の面子なのだ。

「スモーク3種盛り合わせ」

しっとりしたチーズ、ねっとりレバーは香り高くそしてワサビをのせたハムは凄まじくうまい。

「スモークソーセージ3種盛り合わせ」

お初の場所は様々な品目を、というコンセプトの注文なのだがこれが奏功した。ぶつッ!ぱりッ!じゅわ〜ッ!である。これほど旨味の深いソーセージは初めてかもしれない。

「豚ローススモークハムステーキ」

極厚!と冠された上におそらくサービスしてくれたのであろう、これほど厚いハムは見たことがない。熱い鉄板の上にパチパチと音を立てながら存するハムは、その形態と反してじつに繊細な味わいである。とろけるのだ。舌上で転がさずとも消え失せてしまう、そんな心持ちのする一品であった。ハムステーキ、といえば大藪春彦「蘇る金狼」であるがあんなにがさつな食い物ではない。別な次元であることは言うまでもない。

「スモークハムと玉ねぎのオムレツ」

オムレツといえば、薄く薄くカットしたプレスハムを思い出すが、こちらはそんなけちなものではない。ゴロンゴロンと投入されたスモークハムが、シャキシャキの玉ねぎとともに、とろんとろんの玉子に包まれるのである。ゴロンゴロンシャキシャキのとろんとろんなのだ。たっぷりケチャップも気に入った。

他にもいろいろと頂いたが、今回はこれくらいにしておこう。次にお邪魔するときは、酒ではなく勇気を持ってご飯を頂こう。ソーセージ、ハムステーキ、オムレツ。どれを取ってもご飯に合わないわけがない。勇気を持って大盛りを注文することにしよう。


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御代田町「岐阜屋」嗚呼、お母さんのチキンライス!


【お店のデータ】
店名:岐阜屋
場所:長野県北佐久郡御代田町御代田2770-1 [地図]
電話:0267-32-4129
営業時間:11:00〜20:00 不定休
駐車場:あり

世のオトコどもの大半はマザーコンプレックスがデフォルトなのだという。特に味つけに関しては、母親のそれから逃れられず、配偶者とのトラブルが絶えない、などという家庭がそこかしこにあるのだそうだ。

面白いことに、わたしにはまったくその気がない。その場その時の味わいをしっかり受け止めるのをテーマとしているためか?ぶっちゃけたところ、母親と同居していた時にナニ食べさせられていたのか、まるっきり忘れてしまってもいる。

「薄情もの」
と、いつぞや母親に詰られたことがある。

「鮭は甘塩以外みとめない」
と母に言ったら、うちはおばあちゃんの代から塩鮭が好きでお前たちにも塩辛いのしか食べさせたことがない。兄二人も塩鮭が好きだ!お前はなんて薄情なんだ。
……母と別居して25年が経過した。あなたの味から離れて25年。そんなもの忘れてしまったわい。まったくアホな母親である。

そんな薄情なわたしあるが、唯一忘れられない「母の味」がある。嗚呼、それはチキンライス。

わが家の土曜半ドン昼めしはニラ玉かチキンライスと決まっていた。家業が忙しく簡単に用意出来るもの、ということだったのだが、大好きなチキンライスに文句を言うはずがない。

大量の冷やご飯に大量の鶏肉(プレスハムということもあった)を投入し、大量のケチャップでべたべたに味をつける。咽頭部がいがらっぽくなるほどの酸味を楽しむのがわが家流であった。

家食だけではなく、外食でもチキンライスは人気者だったはずだが、いつの間にか見かけなくなった。近年に至りオムライス、ナポリタンスパゲティは復活したが、チキンライスは未だお隠れになったままなのが口惜しくてタマらない。
あーー!お母さんのチキンライス喰いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

御代田町に「岐阜屋」という食堂がある。

煤だらけのフォルム、油がじっとり染みついたインテリアは、この空間だけうっかり昭和の時代からタイムスリップして来たのではないか?と、本気で思わされるようなシブいお店である。

先だって、人を介してこちらの「揚げ焼きそば」の存在を知り頂いて来た。その時の写真をチェックしていたらメニューになんと!チキンライスがあるではないか!これは行くしかない。ちょうど佐久への用事もある。いざ、チキンライスを貪りにゆくべし。

母より少し年若であろうか、シワだらけのばーさ、いやおばさんの作ってくれたチキンライスはまさにイメージ通りの品であった。


大量に投入されたぷりっぷりの鶏肉、同じく大量の玉ねぎはどこまでも甘くシャキシャキ歯ごたえが小気味よい。何より嬉しいのは乱切りされたナルトである。いかにも「嵩増し部隊」然とした存在は、まさに「お母さんのチキンライス」を象徴したものといえよう。実母のそれにもナルトはもちろん、さつま揚げやらハンペンやらたくさん入っていたものだ。

レンゲでひとすくい。
ケチャップのべたべた感が素晴らしい。今様のあっさりなど味つけではない。ケチャップは大量だから価値があるのだ、と言わんばかりの投入量である。重いのだ、咽頭部がいがらっぽくなるほど酸味が強いのだ。うまい、うますぎる。

年末に母の元へ行く予定がある。
大した用事ではない、顔を見に行く程度のことである。先ほど電話で、当日の夕食にチキンライスを作ってくれ、と依頼したら

「面倒だからイヤだ」
とのこと。あゝ、また御代田町まで食べに行かないと。

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辰野町「まつくぼ」あるいは神の創りたまいし『ソースカツ丼」


【お店のデータ】
まつくぼ
場所 長野県上伊那郡辰野町羽場7831-7
電話 0266-41-1729
営業時間 [土・日]11:30~14:00 17:30~20:00
[平日] 11:30~14:00 ※平日夜はテイクアウトのみ 日曜営業
駐車場 あり

南信州への道行きである。
仕事ではあるが、すでに何度目かの訪問だ。自らの段取りの悪さが腹立たしい。とはいえ真っ青な空の下、気持ちよく参ろうではないか。ナニ仕事などすぐに終わるのだ。はてナニ食べて帰ろう。ローメン?ソースカツ丼?これしか知らないのが哀しいところだ。

そもそも
「ローメンとソースカツ丼しか知らない」
ことそのものがあってはならぬ、研究が足らぬ、人として生きる上での覚悟が足らぬ。
しかしながら、いくら嘆いたところで本日この場に間に合うわけもない。研究は今後の課題としてソースカツ丼とする。
しかしながら、『ソースカツ丼』を極めたわけではないのだ。
「明治亭」には行った。「ガロ」も堪能した。「ソースカツ丼界のニューウェーブ」ともいえる「蒼い塔」にも行った。しかし、山々はまだまだ連なる。ソースカツ丼の森はまだまだ深く続いているのだ。

ジャンルは決まった。
では『どこ』で食すのか。自ら持てる情報と、立ち回り先との道のりを検討。様々な思考の果てにこちらに決定。いや、今はここしかないだろう。

「まつくぼ」

行列のできる店と聞いたが、特に並ぶことも待つこともなくテーブルへに誘われる。昼少し回った時間であったのだが。日によって違うのであろうか。
メニューを覗くとソースカツ丼、チキン丼、カツカレー、とろろカツ丼とドンブリ専門店のようだ。いろいろと悩んだが『Theまつくぼな1品!』と冠された

「特製ソースカツ丼」1609円(税込)

に決定。優柔不断ゆえに「とろろ定食」にも惹かれたがここまで来てソースカツ丼食べないなどということはあり得ない。あってはならない。
店内の貼り紙に
「厚切り・揚げたてにこだわっているので20分ほどお待ち下さい」
とあるが、さほど待った感はなかった。せいぜい10分~15分といったところか。

黄金に輝くドンブリにデンと鎮座ましますトンカツは長径25cm、短径15cmほどの巨大な楕円形である。
ほぼドンブリに覆いかぶさるようなフォルムは、わざわざこのようにカットしたのであろうか、と思わされるほどきれいに、整然と配備されている。分厚なレモンと垣間見える千切りキャベツが、愛おしく感じられるのは、葉物と荒々しき肉塊とが美しく調和されているからである。

主役を制する前に脇役どもの紹介しよう。レタス、ワカメ、玉ねぎニンジンの千切りのシンプルサラダ。黄色いコーンが嬉しい存在だ。
漬物は白菜と瓜。瓜とは久しく出会っていないので妙に嬉しく感じられ、サクサクとした歯ごたえでうまい。みそ汁はネギ、豆腐、大根、ワカメなど具沢山、おかわり自由というだけで、とても豊穣な気にさせられる。
  

あらためてメインであるソースカツ丼を見つめる、いや睨め回すのだ。この美しく艶めかしいフォルムに刮目せよ。サクリと黄金色に揚げたてられたトンカツは、どこまでも大きく、特製ソースによって彩られし姿は、まさしく『神』が創りたもうた芸術とでも表現するべきか。

刮目せよ。
いざひれ伏すのだ。『神々しき』とさえいえる厚みに。2.5cmから3cm、いや八分から一寸ほどの、と言い換えよう。ほんのりと桃の肌と白き脂のバランスはやはりARTである。美しく、素晴らしい。

しかし、いくら神の創りたもうしARTでもこのままでは相対することができない。カツの半分を椀のフタに退避させると、あらためてこの威容に圧倒される。あゝ神に敵うものはない。カツに圧縮された千切りキャベツとソースをかけまわしたご飯の愛おしいことよ。

ソースは甘すぎず辛すぎず。なにより肉がうまい脂身が甘い。つい一口でいってしまいそうになるが、わが口に入りきらないほどのサイズに圧倒されるばかりである。