長野市「ししとう」大きいことはいいことだ


ししとう
場所 長野県長野市高田426-2 [地図はこちら
電話 026-228-4410
駐車場 あり

経済おんち

毎度のことながら、またしても恥をさらしてしまおう。私ほど金銭を知らぬものはいない。無頓着、というほど持ってもいないし稼いでもいないから、単に「知らない」とだけ申告しておく。ローンの金利が1%だとしたら、総額に0.001をかけてからそれを足して12ヶ月で割ってから。などという有様では本業に支障が出るレベルなのだが、今さらどうにもしようがない。当然、長期プライムレートだの、マクロ経済だのと専門用語を並べられてもアップクチキリキアッパッパァ(©️江戸川乱歩)だ。まぁ経済そのものがわからないという事だ。

消費が少ない

だからよくないのだという。市井の人びとがものを買わない、あるいは買い控えているからお金が回らない、いつまで経っても景気がよくならない。というほどの意味だと解釈しているのだが、バカを言っちゃァいけねぇよ。今どき物が売れないのはカネがない、あるいは欲しいものがないからだろう。稼ぎが少ないから高いものが売れない。欲しいものがないわけがない、物欲は消えない、私は愛人が欲し…いのはともかく、そういった煩悩は別として、日常生活に必要なもの。テレビはある、電子レンジもある、DVDもBlu-rayプレイヤーもある、食べ物も同様に家の中にないものはない。そんな状況下でものが売れると思うか?それだけで景気の動向を計っているわけではないだろうが、適当な理由をつけているだけのようにしかみえない。そんな事では、みながみか萎縮するだけでますます悪い方へと転がっていくとしか思えない。

大きいことはいいことだ

とはいえ、50すぎたロートルはまだよいだろう。良くも悪くもひと通りの事は終わってしまったし、あとは下り坂転げ落ちていくだけだ。ただ、若者たちのために萎縮しっぱなしはよくないだろう。バブル時代のように、とは言わないが、もう少し元気な社会に戻してあげるのがわれわれ大人の仕事だろう。かつての山本直純のように「大きいことはいいことだ」といえるように。

 

「ししとう」

長野市有数の定食屋さん。がっつりデカ盛りといえばここだろう。麺類といい、定食ものといいお腹いっぱい間違いなしの店だ。そして今回はフラッグシップともいえるメニューを注文した。

「チキンカツカレー 」

レギュラーサイズも大盛りも同一価格となれば、後者を選択するのは当然であろう。大盛りとは、チキンカツもデカい、カレーの量もすごい。

チキンカツは両手のひらを広げたほどのサイズだ。厚みこそないが、鶏肉らしくジューシー。カレーは辛さはあまり感じさせないが、けっこうスパイシー。千切りキャベツとカレーを攪拌して食すと、また別の世界が現出する。あぁ素晴らしき世界、大きいことはいいことだ。

景気とは所詮のこと”気”の問題であるという。気分など、下を向けば向くほど下降するものなのだ。空でもよし、元気出していこうではないか。

長野市「Cafe Restaurant Oiseau bleu」アカとほのかなピンク色


Cafe Restaurant Oiseau bleu
場所 長野県長野市青木島町大塚145-1 [地図はこちら
電話 050-5597-2078
駐車場 あり

〇〇主義

“主義”という言葉は誠に便利な用語であると思う。口にするだけでインテリゲンツィアっぽい響きがするし、なんとなく難しい言葉づかいに聞こえるから格好もつく。アタマに◯◯と加えてしまえば意味などなくても通じてしまう。人によっては
「それがオレの主義だから」
と、言い放つものもいる。私の父親など、酔っ払うとしょっちゅう連呼していた。

とはいえ、そのような用法もあながち間違いではない。”主義”はそのまま”考え方”や”ルール”あるいは”システム”と言い換えてしまった方が分かりやすい。たとえば近代主義(モダニズム)とは過去にあった様式やしがらみに囚われない、近代的合理的な”考え方”、”ルール”、”システム”とすれば理解しやすい。難しく言わずともわが父親は
「それがオレの考え方だから」
とでもいっておけばよかったのだ。

共産主義

共産主義ほどよいものはない。
プロレタリアートの息子だから余計とそうなるのだが、これほどよい”考え方”はないだろう。
「財産の一部、あるいは全部を共同所有することで平等な社会を目指す」
というくらいの意味だろうか。
いつも書いているように、私ほどわがままで欲張りな者は他にいないから、”財産の一部、あるいは全部を共同所有”される事には甚だ抵抗はある。そうでなくとも稼ぎが薄くて困っているのだ。

とはいえ、強きものが弱きものを守るのは当たり前、親が子を守り育むのは当然のことであろう。すなわち共産主義とは”究極の福祉”を造り上げるのが目的なのだ。誰しも自分のこと”だけ”を考えているものはいない。家族、友人、知人、職場、下請けさんその他様々な人物と助け合い、支え合ってこそ社会は成立し、よりよい方向へと互いを導く。左右の別なく、これがごく当たり前の姿であろう。

主義者宣言

だから私のことを”共産主義者”と呼んでもらって支障はないし、否定するつもりもない。もっとも”一部、あるいは全部を共同所有”するほどの財産も稼ぎもない。自民党は大嫌いだが、共産党にも入らない、赤旗を配る気もないから誘わないように。”アカ”といってもらってもよいが、実際には”ほのかなピンク”といったところだし、簡単に立ち上がることも出来ないからあまり期待しないようにお願いする次第だ。

「Cafe Restaurant Oiseau bleu」

青木島おいしい広場の一画にあるカフェレストランだ。”オワゾーブルー”と読むそうだが、意味など知るよしもない。以前、幾度かスイーツを食べに来たことがある。白が基調のさっぱりとしたインテリアが心地よい。これで昼間で陽光と風がほどよく入ってきていたら最高の空間なのだが。いざ歌えインターナショナル!飢えたるものよ、晩餐を屠るべし。

「ローストビーフプレート」

木製の盆の上にメイン料理のほか、様々な料理をのせた華やかなプレートメニューだ。ビーフやチキン、ハンバーグなどがあるが今回はローストビーフとする。

レタスやパプリカ、紫キャベツなどのグリーンサラダやポテトサラダ、小さなグラタンにローストビーフ。ここにパンかご飯が搭載される。当初はご飯にしてローストビーフ丼ときめこもうかとも思っていたが、プレートの構成からしてパンの方が望ましいだろう。

軽くトーストされたパンに、ほのかなピンク色のローストビーフをさらりとのせて口にすると、気分はまるでブルジョワジーだ。パンがなければケーキをいただいたら?

「あいつはアカだ」

という罵倒を生で聞いたことがある。以前、勤務していた会社の社長が言い放った言葉だ。彼にしてみれば、イデオロギー云々というよりも単に”狡賢いヤツ”くらいの意味だったのだろうが、私くらいの世代の者が、ほぼ平成になろうかという時代のことだから、極めてレアな体験といってよいだろう。羨ましがってもらえるかどうかは定かではないが。

上田市「小さなパン屋 ココノカ」可愛らしい素敵なパン屋さん


小さなパン屋 ココノカ
場所 長野県上田市塩川600-10 [地図はこちら
駐車場 あり

宮脇檀

私の師匠筋に宮脇檀という建築家がいる。…といっても学校の先生が彼の孫弟子にあたる方で、実際にお行き会いした事はなく著書をほぼ読破し、講演会に幾度か行かせていただいた程度という、かなり無理やりな”筋ではあるが。彼の作品と出会って建築を目指したのだから、そういう事にさせておいてもらいたい。

様々な作品を手掛けたが、主に住宅それも都市に建つ小規模な住まいづくりを主戦場とした建築家だった。卓越したアイデアをハイセンスなデザインとユーモアで住宅を造り上げる。住宅のうまい作家はたくさんいるが、「住みたい」と真剣に思わされる作家はこの方以外にいない。

houseとhome

その宮脇が引き渡しの際に、施主に対して必ず言う言葉があったのだそうだ。それは
「われわれが造り上げることが出来るのはhouceでしかありません。homeを造るのはあなた方しか出来ません。」
であったという。houceとは住宅本体そのものを、homeとは家庭を指す。住まいとは建築だけで完結はしない。そこに住み、家庭を育むことで完成するのだ。どのような大建築家であろうと、名棟梁であろうと造る事が出来るのは器でしかなく、そこから先は住まい手の努力するしかないのだ。という事となる。まことに深い言葉であると思う。われわれの力など小さなものなのだ。所詮はお手伝いでしかない。この事を常に胸に日々住まいを造り続けている。

私が建築の仕事を始めてから30年を超えた。
これまで携わった住宅はいったい何軒になるだろう。大きなマンション建設から、ごく小規模な改装まであわせて1,000くらいにはなるのではないか。どの家も大事に大切に使っていただいている。そして何よりの幸せは、私の想定以上の使い方をして下さっているお宅と再会することだ。先の言葉が実現したようで、望外の喜びとしか言いようがない。

「小さなパン屋 ココノカ」

この2月4日にオープンされたばかりのパン屋さんである。旧丸子町の住宅を改装した店舗は、名の通りとても小さな空間しかない。しかし、こちらで扱われる品の多様性がすごい。食パン、ベーグル、マルチシリアル、調理パンなどのパン類はもとより、ケーキやキッシュといったものまである。毎度のだが、凄まじい目移り症状に見舞われてしまう。毎度の事だが、迷いに迷って以下を購入した。

「タマゴサンド」

細身ではあるが、ふかふかで表面がパリッと仕上げられたコッペパンと、とろとろタマゴサラダとの幸せな出会い。こういうパン好きだなぁ。あまりマヨネーズが効いていないのもよい。

「キッシュ」

キッシュといえば、欧風玉子焼きというようなイメージを持っていたのだが、こちらのキッシュはブロッコリーをはじめとした様々な野菜類と、ゴロゴロのベーコンとが大量にはいった豪華版である。美味い美味い美味い。ホールで食べたい。可愛らしいサイズではあるが、けっこうなボリュームだ。家内はこれひとつでお腹いっぱいとなってしまったそうだ。

その他、いくつか購入したのだがまだ食べていないのでレポートはおいおいと行わせていただく。

じつはこちらの店舗は、私が手掛けたさせていただいたものなのだ。”手掛けた”といっても、ご要望を伺って図面にしたところまでだから、貢献度からすれば数パーセントといったところだろう。とはいえ、このようにかたちになっただけではなく様々なパンが、…そして大変美味しいパンが美しく並んだ姿は、私の想像を遥かに上回った、最上の空間となりえていた。素晴らしい。

とても小さくて、月に9日間しか出会えないパン屋さんだが、とてつもない幸福感と美味しさに溢れている。ぜひ皆さんもお試しください。

山ノ内町「SORA terrace cafe」空の上、雲の中


SORA terrace cafe
場所 長野県下高井郡山ノ内町竜王11700 [地図はこちら]
電話 0269-33-7131
駐車場 あり(ロープウェイ駅前)

行ってみたい場所

誰しも一度は行ってみたい場所があるはずだ。
私の場合は東京 浅草だ。大正年間から昭和6年あたりまで、というしばりはあるが。大正デモクラシーといわれた自由主義的な風が、軍部の台頭・テロの横行から次第にきな臭ささが強くなってくる時代。不安さが増してくればくるほど輝きを増す大衆文化。無声映画の完成、エノケン・ロッパによる浅草オペラ。渡辺篤の舞台なんてどうしても観てみたい!!!

おっとっと
取り乱してしまった。行きたい場所ではあるが、行けるわけもない場所でもある。大変失礼した。ではクフ王のピラミッド、イースター島、ナスカの地上絵巡りもよい。人類史上最大の謎をめぐることによって、エーリッヒ・フォン・デニケンの与太話をリアルに感ずるツアーなんてのもよい。

どうにも、真面目な展開にならないというか、なぜ私はマニアックな方向へと進んでしまうのだろうか。

一度でよいから雲海を見てみたい。もくもくの雲上で優雅に過ごしてみたい。というのが以前からの家内の願いであった。では装備を整えて、山に行こう。富士山なら五合目までは車でいけるし、山小屋で一泊する予定なら割と楽に登頂できるらしい。とはいえ山をなめてはいけない。友人のだれそれをトレッキングコーチにして。などという事にも間違ってもならないので、どうしようかと思案していたら、ちょうどよい場所を見つけた。

「竜王スキーパーク」

北志賀高原最大規模のスキー場である。166人乗りのロープウェイ、13基のリフト、数十のゲレンデを要する巨大スキー場だが、シーズンオフには中腹で雲海をみることが出来るという。ただし、確率は64.3%(2018年実績)だから確実に出会えるとは限らない、行ってみなければわからない。日常的な行いのよい私にはすこし不安があるが、まぁ行ってみよう。

かんかん照りの焦げつくような陽気の中、巨大ロープウェイに乗ること8分。竜王スキーパークの中腹にたどり着く。下界からは想像出来ないほど涼しい。17〜8℃とのことだ。空の上はじつに具合がよい。…よいのだが周囲は霧の中、いや雲の中だ。時折陽が差すことがあり、絶景が垣間見える時もあるが、雲海とは言い難い。しばらく待ってみよう。

「SORA terrace cafe」

ロープウェイと各リフトを中継する施設である。土産ものコーナーやカフェテリアとなっている。ランチ兼時間つぶしとしよう。

「高原野菜のタコライス」1200円

ご飯の上にレタス、刻んだアボカド、トマト、ひき肉の入ったチリソース、ドレッシングが彩りよく配されている。たくさんの野菜類が美味い。チリソースはけっこう辛いが、これくらいの方が他を引き立ててくれると思う。

食後もなお雲の中だった。諦めきれず、屋外テラスのソファで数時間すごしたが結局雲海は現れず仕舞いであった。しかし、下界の暑熱を忘れひたすらぼーっとしているのも、これはこれで贅沢な時間なのかもしれない。きてよかった。

千曲市「キッチン 土野庫」山の中、美味いもの


キッチン 土野庫
場所 長野県千曲市森2008-1 [地図はこちら
電話 026-214-1226
駐車場 あり

はじめに

UターンであれIターンであれ、新しく移り住むということは困難が伴うものであるという。知人にも1年を経ずして東京に舞い戻ってしまった、というものはひとりやふたりではない。言葉・習慣・お土地柄と要因はさまざまだからなんとも言えないが、合う者は合う、合わない者は合わないそれだけの事だ。

毎度の事だが、私の場合はまったく問題なく溶け込むことが出来たと思う。周囲の方はみな優しかったし、長野だってさほど気にするほど東京との違いは感じなかった。なんだコイツらは?と思わなくもない瞬間はあったが、それはお土地柄というより会社の雰囲気であったり、地域間にある微妙な気質の違いであったりする程度のことだったから別に気にしたことはない。長野に肌があった、ということだろう。

東京生まれ東京育ち、といっても地方をまったく知らないわけではない。千葉県いすみ市は父のルーツの地、父母が幼年期を過ごした地域なので、親戚はいる。したがって山や土とふれた事がないわけではないのだが、千葉の山々と比較して長野の山深さはいまだに驚く事がある。

「キッチン 土野庫」

“つちのこ”と読む。”土の子”とUMAツチノコをかけて名づけられたという。地元でとれた食材にこだわったイタリア料理店だ。友人に伴われ初めてお邪魔したが、思った以上の山中で驚いてしまったが、気持ちのよいマスターと美味しい料理のご機嫌な店であった。

「ジャーサラダ」

ジャー、すなわち蓋のできる容器に詰められたビーツ、くるみ、カシューナッツ、サツマイモ、チーズ、アルファルファ、ミニトマト、赤玉ねぎのマリネ、サニーレタス。皿の上にふわっと出すと美味しいサラダに。これが楽しくて美味しくてボリューミーなのだ。

「自家製メガベーコンステーキ ハーフ」

メインディッシュはこちら。豚の肩ロース肉を用いたベーコンは、燻製っぽさのないさっぱりとした味わいだ。ベーコンステーキというより、表面がパリッと仕上げたポークソテーというか。マスタードをたっぷりと練りつけていただくと、絶品だ。

 

美味かった。しみじみ美味かった。これくらいの山中で驚くなと言われるだろうが、街育ちのモヤシモンはそんなものだ。とはいえ、これほど美味いものがあるのなら、どんなところでも行ってしまおう。あぁ長野はよいところ、長野の山は素晴らしい。

山ノ内町「クランペット カフェ」山頂にて


クランペット カフェ
場所 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏7149 [地図はこちら]
電話 0269-38-0770

イントロ

ずいぶん昔の事だが、週刊朝日誌上で「學門」という連載があった。世の中の森羅万象を”學門”として学ぶというもので、変わった人間や出来事を夏目房之介のイラストとともに報告するものだったが、これが滅法面白かった。

森羅万象を扱うだけあって、内容は様々だったが中でも特に面白かったのが”恐怖症シリーズ”だ。閉所恐怖症、高所恐怖症などという一般的なものだけではなく、血や生肉が怖い”血肉恐怖症”、石像が怖い”巨大人物像恐怖症”、”魚顔恐怖症”などあり得なさそうな恐怖症が登場し、骨がガタガタになるほど笑わせてもらったものだ。

じつのところ私にも恐怖症がある。
ここだけの話だが、高所恐怖症なのだ。厳密にいえば空所恐怖症とでもいうか。標高何百メートルにいようと、足元がしっかりと地についていれば怖いことなどない。また、ジェットコースターやフリーフォールなどといった遊具で何十メートル上昇しようと、どうということはない。ただ、足元に何もないのがいやなのだ。

例えば、見晴らしのよい上り右カーブ。車ごと崖下に落下するのではないかと考えてしまい、総毛立ってしまう。下腹部から股関節のあたりがぞわぞわとしてくる。これに気づいたのはごく最近のこと、若い頃はむしろ楽しんでいたはずなのだが。年齢を重ねて感覚も変わったのか。謎である。

娘の帰郷

娘が帰ってきた。
最終学年となりそろそろラストスパート、の前に帰宅して一休みという事らしい。いろいろ用事もあるようだが、こちらの休みの日と重なったので、久しぶりに外出しようと志賀高原 横手へ向かった。山頂の清冷な空気の中で美味しいランチを頂こうという計画である。

中野から国道292号線をひた走り横手山ドライブインへ。そこから横手山スカイレーターというエスカレーターとリフトを乗り継ぎ標高2700メートルの山頂へ。風も雲も少しはあったが、ほぼ快晴の状態でじつに快適な環境である。ただこの日は気温10℃を下回っておりとても寒い状態だった。もっと早い時期ならまだまだ快適であったろう。
完全に晴れ渡っていれば日本海、条件が揃えば佐渡まで見えるという展望テラスでしばらくすごした後、昼食へと向かう。

「クランペット カフェ」

“日本一標高の高いところにあるパン屋さん”である横手山頂ヒュッテが、この日はランチ休業とのことで、もう一つある”日本一標高の高いところにあるカフェ”にて昼食を取ることに。クランペットとは丸く小さく成形されたパンのことで、こちらでは様々な具材をのせて供される。

「バター&卵+ハム・トマト」650円

初体験はデフォルトから、というのは原則行動であろう。名前の通り、バターをたっぷり塗ったクランペットに卵、ハム、トマトを乗せたもの。厚く切られたトマトの存在感がすごい。

「ロックス&クランペット」800円

こちらは名前の響きのみで決定したもの。すなわち登場するまで何が出てくるかわからなかったので、スライスオニオンとスモークサーモンだったのは、新鮮な出会いで嬉しかった。ケッパーのクセと香りが効いていて、これもまた新鮮。

「ラクレット」1350円

じつはこれも初体験。焼いたソーセージと茹でジャガイモに、溶けたチーズをドロリとかけた料理。チーズの香りがすごい、ソーセージがぷりぷり、ジャガイモが甘い。

以上、感嘆状態で食べつくしてしまう。

アウトロ

じつは、ここまで平静に書いてはいるが、密かに冷や汗をかいている。山頂ならまだよい。地に足がついている。テラスには手すりもあるので安心だ。しかし、問題はリフトである。またあれに乗らねばならぬ。

行きに乗ったのだから大丈夫だろう?
たしかに同じ高低差を上るか下るかというだけなのはわかる、しっかりと理解できる。当然のことだ。しかし上りは大した事はない、足元が見えるではないか。行き先が見えるというのはとてつもない安心感がある。問題は下りだ。前方には空間しかない、足元には何もあるわけもない。おおおおおおおお、ぞわぞわする。いや、ここで怯んでは父としての尊厳が。おいおい、前列の若者ども、ゆらすなゆらすなゆらすな。え?リフトが支柱を渡るときの振動だ?いやいや、そんな事はわかっている、それ以上ゆらすなと言っておるのだ。落ちてしまうではないか。ひひぇぇぇ、止めてくれぇ、いやいやいや止められてはたまらない。早く早く早くスピードをあげて。こ、こ、こここ怖いよーーーーーーーーーッ!

長野市「ネパール料理マナスル食堂」カレーな日々


ネパール料理マナスル食堂
場所 長野県長野市稲田2-11-3 [地図はこちら]
電話 026-219-6933

カレー好き

うっかりしていると、すぐに同じ行動を取ってしまうのだ。B型だから、余計とそのような傾向にある。気がつくとラーメンばかり食べている。ふと思うとカツ丼が続く、などということは日常茶飯事だ。今回も、気づいたらこちらのテーブルについていたという。まあ、こちらも美味いしカレーも好きだから問題ないのだが。

「マナスル食堂」

2018年12月にオープンしたばかりというこちらは、ネパールの方数名で切り盛りされている。日本語はあまり上手ではないが、ニコニコ顔で真摯に仕事される姿が気にいった。今回で3度目だろうか。

「今日のカレー チキンとオクラ」790円

毎回、日替わりカレーを注文してしまう。内容がよいので。チキンはともかくオクラとくれば仕方がないであろう。ほどなく、注文品が届けられる。大きなナン、サフランライス、サラダ、漬物、スープそしてカレー。ドリンクはラッシー、マサラチャイ、コーヒー、コーラ、ウーロン茶、オレンジジュースの6種からの選択制で今回はマサラチャイとする。

カレーも辛さ調整が可能。甘口、普通、中辛、大辛、激辛の5段階があるので大辛を注文したが、これがけっこう辛い。ガツンとくるほどではないがボディブローのようにじわじわとくるタイプだ。予想通りオクラがよい。くりっという食感とぬるりとする舌触りが絶妙。旬で勢いのある時期のものだったらもっと美味かったろう。もう少し量が入っているとよかったが、これは板さんの判断だから仕方ない。

ナンは大きくて分厚く、食べるのに苦労する。しかし甘くてカレーにフィットする。サフランライスも香り高くてよい。もう少しサフランが効いている方が好きだが、クセが強すぎて万民受けしないだろう。サラダ、スープ、大根の漬物は普通だがあまり主張しないのがよい。そしてマサラチャイ美味し。ミルクティーなのだろうが、各種のスパイスがしっかり効いている。生姜だろうか、辛いくらいでじつによい。とても暖まる。砂糖を少し入れると余計とよくなると思う。次回はそうしよう。

途中、フロア担当のスタッフが何度か「辛くない?」と訊ねてくる。その度に「大丈夫、大丈夫」と答えるのだが、ネパール人でも辛く感じるレベルなのだろうか。このようなところが気に入ってしまっている。

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長野市「ベビーフェイスプラネッツ 長野北店」友とバリとオムライス


ベビーフェイスプラネッツ 長野北店
場所 長野県長野市北長池1260-2 [地図はこちら]
電話 026-259-7311
駐車場 あり

友来たれり

友が久しぶりに来てくれた。私の、あるいはわが家のPC指南・ネット管理者で、本物のITプロフェッショナルであるに関わらず極めて安価な、…というより機材代金のみで作業していただけるのは、幸いという以外何者でもない。あぁFちゃん大好きだよ。
今回は、以前息子が使っていたラップトップPCをリストアし、スペックアップの上使いよくして私のものにする。という計画だ。朝早くから来てもらい機器の点検を行い、改善計画を練る。メモリはまぁまぁなサイズだからこれでよし。ハードディスクが旧型のものだから、SSDと交換して、あれとこれをこうやって、どれとそれをこうして、◯と×と△をXYZにしてああやればこうなるので案外と安くできそうだよ。…途中から何が何やらさっぱりで、まったくついて行けなくなってしまうが安くできて具合よくなるのだからすべてを、お任せする。

SSD

それから機材調達のためPC専門店に。SSDとあれとこれとそれを購入し帰宅。それからしばらくの間リストア作業。といって時間がかかるのは、OS(Windows10)、メーラー、オフィスなどのアプリをインストールしたりするいわば調整作業だ。私がやればマニュアルやネット検索やらで3日はかかるところを、1時間ほどであっという間に終わってしまう。
素晴らしい。
それまで起動だけで20分近くかかっていたのが、わずか15秒ほどに短縮されたのだ。こりゃすごい。”爆速”と言われたが、まったくその通りとなった。やはり持つべきは優秀な友だ。
その後、家内を交えて世間話。仕事のこと家族のこと、そしてピンク映画業界の現状などが話題にのぼるのがわが家らしいところだが、そこは積極的に割愛する。頃合いとなったので、夕食をとりに出る。せめてメシくらい奢らせてもらわないとバチがあたるではないか。

「ベビーフェイスプラネッツ 長野北店」

北長池の街道沿いにあるレストランだ。バリ島独特のインテリアに彩られ、個室状に設えられた空間で人気の店で、いつもマダムたちで混雑している。この日も平日夜であるに関わらず、8割ほどの入りだったのではないか。

「コブサラダ」880円

レタスの上に玉ねぎ、カリカリベーコン、コーン、ゆで玉子、アボカド、エビ、トマトなどを彩りよく盛りつけたサラダ。よく混ぜ合わせると、様々な具材の様々な味わい、舌ざわり、食感が一度に楽しめる、じつにお得なサラダだった。

「ナスとモッツァレラのミートオムライス Sサイズ」1180円

“ナス”と聞けば、どのようなものでも注文せずにいられない体質なのだ。決して薄くはない”薄焼き玉子”に包まれたケチャップライスはまったく正しいオムライスといえる。ひき肉たっぷりのデミグラスソースにモッツァレラチーズとナスが絶妙なとろとろコンビネーションをみせる。

Sサイズ

問題なのは味ではない、サイズなのだ。
通常Sサイズといえば小さくなるはずだが、こちらの場合は大きくなる。デフォルトをセレブサイズといいそこからS、レギュラー、相撲レスラーとサイズアップしていく。少し軽めにしたかったのでSにしたのだが…。

まとめ

彼とは同じ東京出身だが、知り合ったのは長野に来てからだ。移住とほぼ同時だったので、すでに20年以上のつきあいとなった。次はこちらが役にたってあげなければ、と思いながらずいぶん長い時間が経ってしまった。ここまでくれば死ぬまで仲良くしていきたい。

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上田市「松乃家 上田店」しっかり盛合せ


上田市「松乃家 上田店」
場所 長野県上田市国分1-9-8
電話 0268-28-5156
駐車場 あり

久しぶりに東信地区、と思ったら佐久から小諸経由、丸子行き最終地点上田、という極端なルートである。アタマも身体も気もつかい疲労困憊。ひと休みしたいところだが、時分もすぎている、昼寝よりも腹がへった昼メシだ。ということでランチ場所探しである。

「松乃家 上田店」


いろいろ検討したが、上田市街地まではもたないし、仮に行っても駐車場探しが億劫なので、手前で探すとしよう。せっかくだからあまり入ったことのないところにしよう。そんなコンセプトで決めた店である。
数年前に一度、それも夜中に入ったのでよく分からなかったのだが、どうやらこちらは松屋系列らしい。松屋といえば牛丼屋さんだか、それだけに拘らず様々な定食メニューのある、好きなタイプなのである。ということでなんとなくこちらも気に入ってしまった。


「ロースかつ&カキフライ定食」830円

"ボリューム満点!盛合せ定食"と冠されたシリーズのひとつである。とりあえず今はカキフライを欲したので選択した。双方とも小ぶりではあるが、しっかり揚がっている。美味い。豚肉は脂身がある方を好むが、これはこれでよろしい。塩があればもっとよいのだが。

カキフライもよい。

いつぞや某ファミレスのを食べたが、洗浄を徹底したせいかクセがなくなりすぎて逆に不自然な味わいとなってしまっていた。その点、こちらのカキフライは牡蠣の味、牡蠣のクセが残っていて好感度高し。タルタルソースには玉ねぎが大量に入っていてこちらもよい。

ということでますます気に入った次第。長野にも出来ないか。


長野市「インド料理レストラン サンディア」インドのかわいこちゃん


インド料理レストラン サンディア
場所 長野県長野市南高田2-4-11
電話 026-219-6511
駐車場 あり

カレーが好きなのだ。

365日食べ続けたい、とまでは思わないが、3日程度の連続ならイけるかな?そんな気はある。やった事はないが。
業務用もご家庭用も、はたまたタイカレーもエスニックも好きだが、中でも本場インドのカレーがすこぶる好きなのだ。本場には行ったことがないし、おいそれと行けるような場所でもないので、なるべく本場に近い、あちらの方が切り盛りされている店に通い詰めるようになる。
とはいえ、日本の秘境 長野の街にもインドカレーの店はけっこうある。乱立とまではいかないが、それなりの数量があるし、各々特徴があるので迷うことこの上ない。今日の気分はどの店に向いているのだ?まこと優柔不断なものにとっては辛いひと時である。
ではあそこにしよう。悩みに悩んで決定したのは、長野市高田の住宅街にある

「インド料理レストラン サンディア」

日曜などはいつも大混雑の店である。安くて美味しくてボリュームあり、という事で人気があるのは当然だがそれだけではない。…スタッフの女の子が可愛らしいのだ。片言の日本語で
「ナニタベマスカ?」
「HOTハカライヨォ」
などと対応されると、ついニコニコとしてしまう。

「Aランチ」850円

2種のカレー、ナン、ライス、サラダ、ドリンクという豪華なメニューである。

食前に登場するサラダはキャベツ、コーン、キュウリにゴマドレッシングというスタンダードサラダ。飾り切りされたにんじんと大根が可愛らしい。カレーは豆とチキン。大豆のクセと刻み生姜がばっちり。チキンにはバターたっぷりで香り高い。骨つきまたは皮つきを好むのだが、対応してくれないものか。試しに頼んでみるか。双方ともに辛さは普通とした。とてつもなく大きいナンにもバターたっぷりでふんわりと甘くカレーにぴったり。ライスは日本米、小さくみえるがけっこうな量だ。チキンカレーのコクとよく合う。ナンもライスもおかわり自由というが、おかわりするものがいるのか?ドリンクはラッシーを選択。乳酸菌の甘さがほどよい。

数人いるスタッフの女の子はみな可愛らしく真面目なよい子ばかりである。中年おやじが何をいやらしい事いってるんだ?という指摘もあるかと思うが、まったくそんな事はない。もちろん若い頃なら、なんとか話ができないか、連絡先を教えてもらおう、どうにか連れ出すことができないか。などと考えたものだが、さすがに50過ぎてからは思いもよらない。邪なことはひとつもない、わが娘をみるようにやわやわと愛でているだけなのがよいのである。すっかり老境の域に達してしまった、今日この頃なのである。

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長野市「とんかつ健」ジャンボ好きの…


とんかつ健
場所 長野県長野市箱清水2-12-21 [地図はこちら]
電話 026-234-1404

ジャンボが大好きなのである。
歳の離れた末弟、三男坊という甘やかされた育った関係でとにかく「全部といっぱい」なるフレーズが好きなのだ。50をとうに過ぎた身の上だが、大盛、特盛、デカ盛、メガ盛、スーパー、ジャンボなどという形容詞がアタマについているだけで、身が震えるほど嬉しくなってしまう。そして今日もジャンボを追求するのである。

ジャンボコロッケ定食」800円

いつもはジャンボとんかつなのだが、少し趣きを変えてみた。デカい。大皿の2/3が茶の色で覆われているのである。長径にして20㎝はあるだろうか。

眺めるだけで、ウキウキとしてしまうサイズである。「コロッケにはソースをたっぷり」といったのは池波正太郎だったか。いや、東海林さだおか、忘れてしまったが先達の教え通り、だばだばソースで頂くのだ。美味い。じゃがいもの甘さととんかつソースの相性がとてつもなくよろし過ぎて箸が止まらない。まことに豊穣なひと時を与えてくれた、大地の神とこちらのマスターに心よりの感謝を申し上げる。


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大町市「豚のさんぽ」遥かなり黒部のダム


【お店のデータ】
豚のさんぽ
場所 長野県大町市仁科町3168-8 [地図はこちら]
電話 0261-85-0129
駐車場 なし

池田町から大町へ

台風雨の中、池田町まで他行である。
ひと通り用事を済ませたら13:00を回っている。当然、昼どきである。池田町で美味いものを、と食べログその他、いくつか情報収集したが、今ひとつよい店が見つからない。美味しい店など必ずあるはずだが、今の場に間に合わない。調べてからくればよかった。もう少し、時間をかければ良いのかもしれないが、後工程もある。やはり全く知らぬ地で良店を探すのは至難であったという事で大町まで戻ることとした。だからといって、決してよく知っているわけではない。数年前、地域リーグ時代の長野パルセイロの試合が大町サッカー場であったので、何度か通ったことがある。という程度のつきあいだから、はっきり「知らないレベル」であろう。

「豚肉料理専門店 豚のさんぽ」

ということで大町駅前のこちらである。
今や、すっかり「超」がつくほど有名になってしまった店である。パルセイロの試合観戦以来だから、5年ぶりかそれ以上となる。
日曜日とはいえ雨中、しかも昼すぎではあるものの、数組ならんでいる。さすが有名店だ。面倒だが待つしかなかろう。前述したが、他を知らずにここへ来たのだ、仕方がない。大した時間もかからないだろう。掲示されているメニューを眺めるうちに、徐々に黒部ダムカレーを食べたくなってきた。

黒部ダムカレー

黒部ダムカレーとは大町市内にある食堂、カフェ、洋食店やレストランなどいくつかの飲食店が提供しているカレーライスで、黒部ダムをモチーフとしている。
大町は立山黒部アルペンルートの長野県側の拠点である。昭和40年代よりトロリーバス扇沢駅にある、「レストラン扇沢」で考案されたと言われている。ご飯をダム状アーチ型に盛り、ダム湖をカレールーで表している。(詳細はHP参照のこと)
黒部ダムカレーはこちら「豚のさんぽ」でも、看板メニューともいえる存在である。ただ、こちらの場合は量がすごいのだ。ご飯でいえば(小)300g、(並)400g、(大)500g、(特)に至っては600gと尋常なボリュームではない。私も一般的には大喰らいの部類に入るが、いくらなんでも無謀な試みだ。

「贅沢定食」

黒部ダムカレー単品は回避、小盛りバージョンカレーとラーメン双方を楽しめる、このセットメニューとする。…それでもけっこうな量なのが素晴らしい。

黒部ダムカレー 豚のさんぽVer

U字型に盛られた向う側に野菜類、反対側にダム湖を模し、並々注がれたカレー、破砕帯を模したほぐしチャーシューと、小なりと言えど、黒部ダムカレーの定義はきちんと守られている。辛くはない、というより少々甘めのカレーである。軽くスパイシーで、ドロドロなところは、金沢カレーのイメージに近いかもしれない。たっぷりの生野菜、ほぐしチャーシューを少しずつ混ぜながら頂くと、とても美味い。

ラーメン「岳」

ラーメンはクリーミーな豚骨スープの「げんこつラーメン」か、透明塩スープの「岳」の2種からの選択である。豚骨という気分でなかったので、後者とする。げんこつというだけあって、肉塊が迫力を放つ。大きなバラチャーシューとほうれん草、もやし、ネギが大量に載っている。麺も細、太からの選択なので太麺としたのが正解であった。

ダムカレーカード

会計時にレジ脇に「ダムカレーカード」なるポスターを発見。さすが町おこしメニューである。各店で黒部ダムカレーを食べるとカードが貰えるそうだ。全18種、コンプリートするか。


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上田市「ミルキーウエイ」上田らしさと昔のファミリーレストラン


【お店のデータ】
ミルキーウエイ
場所 長野県上田市神畑乙57-1 [地図はこちら
電話 0268-25-0823
駐車場 あり

「無言館」

1日、上田を訪れることとなった。「無言館」見学がその主目的であった。
「無言館」とは

第二次世界大戦で没した画学生の慰霊を掲げて作られた美術館で、美術館「信濃デッサン館」の分館として1997年に開館した。
Wikipediaより

という。館主は窪島誠一郎という方だ。水上勉を父に持ち、著作家・美術評論家として名を立てられた方で

自らも出征経験を持つ画家の野見山暁治とともに全国を回って、戦没画学生の遺族を訪問して遺作を蒐集した。
Wikipediaより

という、まさしく「渾身の施設」である。

「無言」の意味

展示されている作品は何も語ることのない「無言」のままであるが、観る側に多くを、雄弁に語りかけてくる。そのようなことから命名されたとのことだ。彼らの作品とあわせ、経歴そしてその後の有り様を観ていくと、その傷ましさに声を発することが出来なくなる。後で知ったことだが、「無言」とはそのような意味もあるのだという。
第二展示館である「傷ついた画布のドーム」も見学すると、全身あちこちが痛い、疲れた。立ちづくめということもあるが、なにより精神的な疲労におそわれている。このような時はメシだ、ちょうど時分でもある。

「ミルキーウエイ」

上田ランチである。
同行の方によい店に案内してくれ、と要望されたのでいろいろ考えたが、ここはやはり上田らしいところにするべきであろう。昔の若者たちがたむろしていたと言われている、伝説のファミリーレストランである。

上田らしさ

とは何か。ひとえに量が多いのだ。長野あたりの1.5乃至2倍はあるのではないか。10数年前、ここを訪れたときに、ひどくびっくりしたのを覚えている。うかつに大盛りなど注文しようものなら、大変な事態に発展する。まさかどんぶり飯が、縁まで盛られてくるなど、想像するはずもない。これが若者向けの店だけ、というなら納得も行くが、「草笛」「刀屋」といった老舗そば屋でも同様だから、やはり元々なのだろう。さぁそんなことよりもメニューだ。

アイドルとビジネス

こちらの名物(と、勝手に考えているだけだが)は一人前のナポリタンと一人前のピラフが合い盛りとなった「アイドルセット」、一人前のナポリタンと一人前のカレーライスが合い盛りとなった「ビジネスセット」なのであるが、夕食に支障がでるので避けておこう。

「カキフライ定食」

という事でこれを選択した。どう考えても、この季節にカキフライはあり得ない。当然、冷凍ものなのだろうが、メニューの神々しさに惹かれてしまったのだ。それに近年の冷凍技術はバカにできない、素晴らしいものがある。揚げたてはじつに美味そうだ。

カキフライ

軽くソースをふりかけ、タルタルソースをべっとりとつけていただく。かしゅり、という小気味好い歯ごたえと、牡蠣の香りが口中に充満する。あゝおれはカキフライが大好きなのだ。と、あっという間に食べつくしてしまう。
味噌汁は熱々でよし。てんこ盛りご飯は一度までおかわり出来るそうだ。漬物は普通だが、さつまあげの煮物はお母さん味でとても美味かった。

信濃デッサン館

この日はちょうど無言館の本館である「信濃デッサン館」が開館されている日であった。数日間の特別な催しということであったが、何しろ疲労の極致であったので帰宅してしまった。どうせまたやるだろう、という読みもあったのだが、今調べてみたら

窪島の健康問題や運営法人の財政上の理由から、本館の信濃デッサン館は2018年3月15日をもって「無期限休館」となった。今後は無言館のみ存続する。

とのことだ。しまった。後悔先に立たずである。また特別開館されることを切に願う日々である。

無言館
場所 長野県上田市古安曽山王山3462 [地図はこちら
電話番号 0268-37-1650
URL http://mugonkan.jp/


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長野市「ロジェ食堂」市内某所でいただいたおしゃれなお弁当


【お店のデータ】
ロジェ食堂
場所 長野県長野市岡田町166-1 1F [地図はこちら
電話 070-1541-3800
ランチ:11:00~14:00
カフェ:14:00~16:00
ディナー:17:00~20:00夜は金曜日のみ営業
定休日:土・日・祝日(不定休&臨時休業あり)
駐車場 なし

研修会

研修会である。
といって、あるメーカー主催のものだからさして緊張するものではない。いや、仕事に使うものだし、せっかく用意してくれた席なので、大いに緊張しなければならない。とはいえ、法的義務のあるようなものではないので、多少はリラックスしても罰はあたるまい。
それにしても、技術というものは日進月歩なものである。昨日の常識は今日の論外・非常識、来年の言語道断となる。そんなことが出来るのか?という事が、ごく当たり前に使われている。私のような不勉強なナマケモノは、落ちこぼれ朽ち果てていくしかないのだ。まったく残念無念である。

エンジニアリングとは

つまるところ、チャレンジの歴史なのだ。あれはよい、これはだめを突き詰める。人の生活はこのようであるべきだ。こうでなければならないのだ。これを毎日々々ひたすら考え続け、過去を振り返り積み上げ、場合によってはすべてゼロからやり直す。エンジニアリングとはそういうものだ。と言われるかもしれないが、同じ建築エンジニアリングの世界でもここまで違うとアタマが下がるばかりである。
いや、建築の意匠設計という世界にも、それなりの経験や蓄積、それに伴いスキルが必要なのは当然のことだ。どこの誰とでも同じことではある。しかし、同じことを違う角度から見る、これがもっとも大切な行為なのだ。そこには新しい「刺激」がある、別な「気付き」があるのだ。

ランチ

それやこれやで午前中いっぱいを使って説明していただいた。貴重な時間を割いていただいて、誠に感謝しかないのだが、その上に昼食まで用意してくれているという。さすがに辞退したのだが、注文したものを返すわけにいかないと、強く指摘され、断るのも失礼だ。では遠慮なくいただく事とする。

ケータリング

ケータリングとは厳密にいえば「出張料理」なのだろうが、ここでは少し狭義な意味で「お弁当」のこととする。というか、先方がそのように呼称しているようなので。
弁当なら、ほか弁もしくはコンビニのそれくらいしか想像できない身であるのが情けない。五十オヤジの哀しさよ、という訳でもないか。われわれの若いころは、「ケータリング」などというおしゃれな言葉はなかった。ないものを知っているわけもない。まぁ、先方は若い女性がたくさん在籍されている、という事情もあるだろう。

「ロジェ食堂」

こちらは岡田町に、この5月にできたばかりのカフェである。元はといえば、ケータリング専門の店だったのを、カフェとして移転、こちらにオープンしたということらしい。西之門町にある「Roger/ロジェ」という雑貨商のFacebookページにリンクされているので、こちらが経営されているのであろうか。県民文化会館のレストランもこちらで仕切られているようだ。系統だった記述がないのでよくわからない。どなたかご教示願いたい。
じつはこの「ロジェ食堂」が気になってならない。登場した「おにぎり弁当」(今、私が名称したもので、まったく正式な名前ではない)がじつに多彩で、よく考えられており、とても美味しいのだ。

おにぎり弁当

これがその内容である

・キャロットラペ
・ラタテューユ
・春雨サラダ
・胡麻豆腐
・ジャーマンポテト
・鶏もも肉のたまり漬け焼き
・枝豆とコーンのチーズオムレツ
・蓮根のはさみ揚げ
・ガーリックシュリンプ
・合鴨スモーク
・野菜と青唐辛子漬けおにぎり
・ゆかりおにぎり
・紅茶のシフォンケーキ
デザートまで含め13点。これは見事である。

「ガーリックシュリンプ」

平たく言えば海老の唐揚げである。海老の旨味とスパイスの効き具合がよろしい。ガーリックはほんのり香る程度で、抑えめである。昼からにんにくは不味いだろう。気が利いている。

「蓮根のはさみ揚げ」

二点目の揚げ物はあっさり味。蓮根のさくさく感と、ひき肉の旨味があわさって美味い。

「キャロットラペ」「胡麻豆腐」

前者はニンジンのマリネ。ほどよい酸味とニンジンの甘みに好感がもてる。見た目はまるでニンジンシリシリだが。
胡麻豆腐はしっかり胡麻風味である。けれん味のない、とはこのことか。といった味わいである。

「枝豆とコーンのチーズオムレツ」「合鴨スモーク」

そもそも、枝豆、コーン、玉子の組み合わせというだけで成功といえる。
合鴨のスモークは、もう少し煙っぽい方を好むのだが、先の海老と同様、お弁当のひと品ということを考えればこれでよいのかもしれない。

「ラタテューユ」「春雨サラダ」

ナス、ズッキーニ、パプリカ、トマトなど夏野菜を使った煮込み料理。好きなものばかりなのである。このお弁当を前にした段階から「精神的小躍り状態」が続いているのだが、これに気づいた瞬間より「精神的タップダンス状態」が始まった。それほど嬉しいのだ。気分はフレッド・アステアである。おい、ジンジャーはどこだ?
春雨サラダの味つけはあっさり酢の物。とはいえ味わいよりも、春雨のこりこりとした歯ごたえを狙っているのではないか。美味い。

「ジャーマンポテト」

ほっくりとしたジャガイモと、塩気の強いベーコンとの幸せな出会い。ところどころに感じられる、粒胡椒の存在もとてもよい。

「鶏もも肉のたまり漬け焼き」

メインディッシュ然と、ど真ん中に構える大物が出現。しっとりずっしりとした食感がなんとも言えない。鶏皮とは、どうしてこれほど美味いのか。

おにぎり登場

まずは
「野菜と青唐辛子漬けおにぎり」

である。様々な野菜の漬物、というよりマリネ状にしたものがどっさりとおにぎりに積載されている。ピリ辛、というイメージがあったが、さほどでもなく優しい味わいがじつに好ましい。

「ゆかりおにぎり」
ゆかりという調味料は、とてつもなく万能であると思う。まして、そこに海苔まで巻かれているのだから。これほど美味いおにぎりは久しぶりだ。

「紅茶のシフォンケーキ」

そしてデザート。

「シフォンケーキは原価が安いから定番化するケーキ屋が多いんだよ」
と、少々クチの悪いケーキ屋から聞いたことがある。作ったことこそないが、たしかに少ない材料で出来るようだ。だが、それだけに手を抜く、抜かないがはっきりとわかるものでもあるのだ。しっとりとした地肌が好ましい。生クリームによって湿度を保っているのだろうか。煮りんごを福神漬と間違えてしまったことは、ここだけの秘密だ。

まとめ 久しぶりの刺激

以上である。大脳への刺激と、胃袋への刺激。違った方向性からの刺激が与えられ、じつに有意義な1日であった。まことに久しぶりの事である。またお誘いいただきたい。ランチだけ、とは言わないので。


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須坂市「ターバンカレー 須坂インター店」須坂で味わう金沢カレー


【お店のデータ】
ターバンカレー 須坂インター店
場所 長野県須坂市大字井上1865-1 [地図はこちら]
電話 026-246-8998
駐車場 あり

金沢カレーというジャンルがある。
文字通り金沢市を中心とする石川県のカレーライス店で供される独自の特徴を持ったカレーライスである。
 
Wikipediaによれば金沢カレーとは
・ルーは濃厚でドロッとしている。
・付け合わせとしてキャベツの千切りが載っている。
・ステンレスの皿に盛られている。
・フォークまたは先割れスプーンで食べる。
・ルーの上にカツを載せ、その上にはソースがかかっている。
・ルーを全体にかけて白いライスが見えないように盛り付ける。
と定義されるという。必ずしも守られているわけではないようだが。

その金沢カレーが好きで、長野市内にある店(同じ系列だよね?)に通いつめている。今回は須坂インター前にある、

ターバンカレー須坂インター店

にお邪魔した。
こちらの、ドロドロまったりしたカレーに様々なトッピングを施して食べるのが好きなのだ。本日も3種類、カレーが見えなくなるほど、トッピングしていただくのだ。

ジャンボメンチカツ・ナス・目玉焼きカレー

ジャンボメンチカツ

ジャンボと冠されたものは意外と小さいのが通り相場だが、こちらのメンチカツは決してそんな事はない。しっかりと「ジャンボ」している。ジャンボであることにこそ、意義があるとさえ思えるほどだ。粗く挽かれた豚肉と、ごろんごろんと大きな玉ねぎが美味い。

ナス

ナス好きは食べずにいられない。油で揚げられた、とろとろな存在と化したナスの旨味よ。なぜ、これがお節料理に出てこないのかが、不思議でならないほど美味い。

目玉焼き

玉子はつくづく魔法の食べものと考える。何をどう作っても美味い。とくに、目玉焼きの美味さたるや。半熟トロトロが美味すぎる。これをいつ崩すか、どうやって食べるのか、大いに悩む日々である。

金沢カレーにおいて、キャベツの存在は特筆すべきほど重要であるとのことだ。なるほど、このまったりカレーに、これほど相性のよいものはないと確信する。ということで、金沢カレーまったりカレーを堪能する、美味しい1日であった。いつか、トッピング全のせをするのが夢だ。


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長野市「コメダ珈琲店 長野東和田店」商談後はコメダのランチ


【お店のデータ】
コメダ珈琲店 長野東和田店
場所 長野県長野市東和田508-1 [地図はこちら
電話 026-219-3345
駐車場 あり

じつはランチもコメダ珈琲店であった。
朝昼と2度続けて同じ店、というのも間の抜けた話と思われるかもしれないが、じつは打合せが長引いたのである。こちらも先方も、つい熱が入り、ほとんど午前中を費やしてしまったのだ。

お客様を送り出しひと息いれたら腹がなった。
時間を感ぜずに過ごせたということは、それなりによいご商談であったということであろう。ここは安心してランチとしよう。この際だから、注文した事のないものを食べよう。

「野菜サラダ」

食事には、特に朝食にはビタミンが必要である。との方針で、わが家の食卓には生野菜が常に登場するのだが、今朝は摂取できていない。
ということで注文したのだが、想像以上にすごいフォルムである。
てんこ盛りの千切りキャベツにポテトサラダ、きゅうり三片、トマト。ピーマンの薄切りがちょんと乗っているのが可愛らしい。
ドレッシングは2種、用意されている。結構食べ応えを感ずるほどの量である。ポテトサラダは普通の味わいだが、箸休めというか、味変的な存在でこれもまた嬉しい。トマトも甘い。

「ハムトースト」

本当はシロノワールに心惹かれたのだが、注文した事があるものだし、やはり甘いものではランチらしさが感じられない。ここはシンプルにサンドイッチだ。それもデフォルトでなく、トーストとしよう。などと、何気なく注文したが、さすがコメダ珈琲店、けっこうなボリュームだ。

ハムの他にキュウリ、レタスがたっぷり。トーストされ暖かいパンと、厚塗りのバターが滋味深い。

キュウリのパリッとした食感と、ハムの塩気が心地よい。このところ、サンドイッチを食べる機会がなかったが、久しぶりに頂いたこれはじつにうまかった。次回はポテサラサンドにしよう。


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長野市「コメダ珈琲店 長野東和田店」コメダモーニングでご商談


【お店のデータ】
コメダ珈琲店 長野東和田店
場所 長野県長野市東和田508-1 [地図はこちら]
電話 026-219-3345
駐車場 あり

発端

朝一番で打合せだという。
それも朝食をとりながらである。あまり経験のある事ではないが仕方ない。契約前となれば、時間や場所などどうでもよいのだ。行く時に行かねばならない。

「コメダ珈琲店 長野東和田店」

指定されたのがこちらであった。じつによきチョイスである。お客様のセンスを感じる。このような方とお近づきになりたかったのだ。喫茶店ひとつでずいぶん大袈裟とは思うが。
コメダ珈琲店は、相変わらず混んではいるが、オープン直後ほどではない。美味いし分煙をされているとても快適である

有名な名古屋式モーニングである。
少し前までバタートーストとゆで玉子という組み合わせだったが、現在はそこに、たまごペーストまたはおぐらあんの三種からチョイスできるようになった。選択肢がある、ということは誠によきことである。

「ブレンドコーヒー+モーニング名古屋名物おぐらあん」

「ブレンドコーヒー」

熱く濃厚である。エスプレッソか?と思わされるほどである。そもそも、このマグカップがよい、手ざわりもよい、程よい重量も心地よい。
これぞまさしく
「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い」
というコーヒーだ。

バタートーストと名古屋名物おぐらあん

トーストに小倉あん、という組み合わせはあまり見た事がなかった。考えが及ばない、という事もない筈なのだがなぜであろうか。甘いもの好きな母親が、自前で作っていたが、店舗であまり見かけることがなかった。その辺が、中京と関東圏の違いであろう。

とりあえずの終わり

バターのほどよい塩加減と、つぶあんの甘さが具合よし。率直なところ、ご商談そっちのけの朝食であった。結果がどうなったかは、無論のこと秘密である。


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小諸市「ステーキレストラン菱屋海賊船」そして合格祝いの思い出


【お店のデータ】
ステーキレストラン菱屋海賊船
場所 長野県小諸市大字御影新田2746-1 [地図はこちら]
電話 0267-22-2793
URL http://kaizoku.asia/
営業時間 11:30~22:00 L.O
定休日 月曜日
駐車場 あり

『ステーキ屋』という響きに郷愁を感ずるものである。
ステーキ、いや牛肉なるものと縁の少なかった幼少時代。『高校に受かったらステーキ喰いに連れてってやる』といった友人Tの父と共に伴われて入った銀座のステーキハウスが忘れられない。名こそ失念したが、とても豪華な店だった。

『好きなだけ食べてよい』
というおじさんの言葉に甘え、盛大に食べた食べた。飯も肉もお代わりし、それでも不足と言ったら前菜の盛り合わせと丼メシが登場したのには驚いた。デザートの生ハムメロン、そして銀の盆のあやしい輝きが、大人の世界を垣間見てしまったような気がして、どことなく居心地悪くも感じた。

銀座といい店構えといい、中学生を同行してよい場所ではない。
そもそもTも私も祝ってもらえるほどの高校に合格した訳ではないのだ。とはいえ、息子とその悪友2人の門出を心底喜んでくれたおじさんの笑顔が、涙が出るほど懐かしくてたまらない。

Tによるとまだお元気だという。わが両親より5歳は下だからまだ70代だ。一度お目にかからなければ、と考えてはいるがこちらは長野、Tは静岡、おじさんは東京と離れ離れの状態ゆえになかなか実現出来ないのが口惜しくてならない。

なぜこんな事を言い出したのかというと、今回お邪魔した場所がおじさんに連れて行ってもらったお店に、どことなく似ていたからだ。木製品をあしらったマホガニーの内装と、うっすら漂う油の香り、少々古びてはいるがお金のかかった豪華な洋食屋という風情が共通している。

「ステーキレストラン菱屋海賊船」

佐久と小諸を結ぶ国道141号線沿いにあるこちらは、『海賊船』というネーミングや、古びた洋食屋ということもあり、気にはなっていた存在である。長野への帰り際に通り掛かったので、では入ってみようとお邪魔した次第である。

内部は『いかにも昔の洋食屋』である。
初めて入ったが懐かしい風がして気に入った。日曜でもランチがあるそうだ。どれも美味そうで、目移りがしてならない。

『グリルチキン ベーコン添え』

ステーキハウスでビフテキ(あえて懐かしい表記とした)食べないのは無粋としか言いようがない。と謗られても仕方ない。現在ダイエット中ゆえその辺はご勘弁頂きたい。
熱せられた鉄板の上で、ばちばちと弾ける肉塊は、塩コショウのみで焼かれているとのことだ。それだけでも十分美味しいが、好みでソースを使ってもよい。と、ウエイトレスのおばちゃんが丁寧に教えてくれる。

ナイフを立てると『ふゃッ』という、ほとんど手ごたえもないほど柔らかく切れる。箸でもよいくらいの柔らかさだ。なかなか出会えない優雅な仕上がりである。しょう油仕立てのソースとの相性も抜群である。

つけあわせはニンジンのグラッセ、茹でたインゲン、ベイクドポテトという、ステーキにはこれ、という組み合わせのもの。「ニンジンのグラッセ」などというしゃれた名を覚えたのはごく最近のことだ。妙な甘さが懐かしい。インゲンも同様だ。ポテトは少し冷め塩梅で食べづらいが、このくらいの温度でないと食べられない。

ランチタイムはソフトドリンクかスープがつくというのでコーンスープを注文。これも熱々で優しい味わいだった。

早いところおじさんに会いにいかねばならぬ。年齢からして、まだまだ長生きしてくれるとは思うが、世の中なにがあるかわからない。Tの結婚式でお目にかかったのが最後だから、もう15年になる。近々、Tに電話してみるか。


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長野市「パンポルカ アベックカフェ」あるいは穏やかな休日の優雅な朝食


【お店のデータ】
パンポルカ アベックカフェ
場所 長野県長野市若里2-14-21
電話 026-223-3760
営業時間 [月〜土]7:15〜19:00
定休日 日曜日、第2・4月曜日
駐車場 あり

休日、私の場合は水曜平日の事だが、このところは長いウオーキングをして過ごしている。他の日にも歩いてはいるのだが、悪天候だったり寝坊をしたり、あるいは仕事に支障を来す時は取り止めたりとあまり真面目に出来ていない。

全くいい加減なウォーカーだが、案外このペースが気に入っている。午前の明るい日差しの中、特に目標を決めるでもなくぶらぶらと10Kmほど歩くのもオツなものである。季節もよしとなればなおのことやめられない。

ある時、ビッグハット近辺、信州大学工学部キャンパスをさまよい水野美術館の新企画を確認したりした後、一本通りを入り東通りに向かおうとした際に、街角からよい香りが漂ってきた。ああこれはパンの焼きあがる香りだ。

「パンポルカ アベックカフェ」

である。以前は信州大工学部近く(現在も近いが)で営業されていたが、数年前ここに移転。もともと繁盛していたが、広くなりイートインコーナーも出来たりとますます繁盛という評判の店だ。休日には警備員も出動する程だとか。

ころやよし。朝食としよう、帰宅しても何もないのだ。さすがパン屋さんだ、店内には数え切れないほどのパンがある。マダムに尋ねると好きなパン+200円(正確ではない)でドリンク付きで頂けるという。それはよい、じつに嬉しい措置である。

「ホットサンド」

金額は失念した。小さく細長いフランスパン(近年はバケットというらしいが)にハムとチーズを挟んだだけのシンプルサンドである。その場で暖めてくれたのでほかほかだ。

手に取ると、あらかじめ幾つかに切れ目を入れてくれている。じつに気のきいた作りだ。

固いパンは大好きだが、いつも食いちぎるのに苦労するのだ。周囲はパン粉だらけ、サンドはぺったんことなり食感も何もあったものではない。

「ホットコーヒー」

深煎りのブレンドである。香り高くまろやかな味わいだ。植草甚一は濃いめのコーヒーにたっぷりとクリームを加えたものを好んだはずだ。池波正太郎はエスプレッソだったに違いない。そんな妄想をしながらの朝食も楽しいものだ。

美味しいパンとコーヒーを堪能し、帰途につこうと傍をみたらドイツパンというのか、ライ麦を使った黒く固いパンが目に入った。こういったパンが好きなのだ。これで昼食としよう。

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長野市「牛若」ステーキ、その悠々たる多幸感について


【お店のデータ】
牛若
場所:長野県長野市篠ノ井会54-3 [地図はこちら]
電話:026-293-8929
営業時間:《ランチタイム》11:30~13:30(L.O)《ディナータイム》17:00~22:00(L.O.21:30)土日祝日もランチ営業
定休日:火曜日

きのう何食べた?」なる漫画をご存知だろうか。
映画化された「大奥」などを著した、よしながふみの作品である。コミックモーニング誌に月一回連載という、じつに悠々たる姿勢で描かれている。

『悠々たる』とは言ったが、内容はというと中年のゲイカップル、几帳面で内向的な弁護士と人当たりのよい開けっぴろげな美容師。まったく正反対な二人がの生活を淡々と描いただけのものである。
派手なストーリー展開はほぼない。しかし二人の仕事や、彼らを巡る人間模様、あるいはゲイに関する諸事情、カミングアウトの是非、両親や兄弟姉妹、職場との向き合い方などシビアな問題はきちんと扱われる。
そして何より重要なのが、主人公の調理シーン。毎回かなりのページを費やして語られるのは、ほとんどレシピ本同然に詳細に描写し尽くされ、かつ各回のストーリーに密接に関わっている。

二人がステーキを食べる、という回がある。
何話目のことかは失念したが、到来物の高級牛肉を苦労しながら、胃もたれしつつも『肉を喰らう多幸感』に浸り切るというお話である。

われわれの子どものころと違い、近年では冷凍技術は発達し、関税が緩和されたりもしているので、輸入状況がよくなっているから、牛肉もずいぶん安くなった。とはいえ、ステーキともなればどことなく「高級」というイメージが払拭出来ないのは貧乏育ちだからか。

昔、新宿二幸(現スタジオALTA)裏にあった小さな洋食屋の店先にあったショーケース。その中に陳列されていたロウ細工のステーキ。楕円の銀皿の上に埃むしながらゴロリと鎮座しているディスプレイモデルの脇には、「ステーキ2000円」の文字。40年前の2000円がどれほどの価値があったかは分からないが、けっこうな高額商品であったことは間違いないだろう。そんなわけだから、ステーキ食べて多幸感に浸るのは中年ゲイカップルだけではないのだ。

そんなわけで今回はステーキである。本当は巨大な鉄板を前にして、というのをいきたいがそんなものが食べられる訳がない。しかし1,000円未満でステーキを食べられると聞き、篠ノ井までいってきた。

「焼肉 牛若」

篠ノ井駅にほど近い旧18号線沿いの小さな焼肉店である。壁面に「牛若」と大書されてはいるが、開口部の少ない外観は、昔ながらの焼肉屋という風情がして好感が持てる。
店先にはランチメニューがぶっきらぼうに掲示されている。この素っ気なさがかえって期待感を高めてくれるのだ。
ランチメニューは
焼肉定食
ステーキ定食
の二種だが、注文はもちろん一択である。

「ステーキ定食」980円

ドリンク(コーヒー・コーラ・カルピス・ウーロン茶・ジンジャーエール・メロンソーダ)
オーストラリア産チルド牛肉150g(特製ソース付)
新潟産コシヒカリ・特製コーンスープ・野菜サラダ

刮目して見よ!この威風堂々たる陣容を。鉄板の上でパチパチと、小気味好い音を立てている肉塊を!生野菜サラダの楚々とした姿を!コーンスープの見るからに滑らかな素肌を!などと、勇ましく語りたくなるようなステキなフォルムである。

肉はやや硬め、ウェルダンというくらいだ。塩コショウは少なめで、ソースで食べると丁度よい作りとなっている。あるいは卓上の天然塩を少し用いるとよいだろう。
ガシガシとナイフ、フォークを繰るのは多幸感を増幅してくれるようで、楽しいのではあるが、正直いうと疲れる。誰か切ってくれないか。高校の同級生Sくんのナイフ使いは一流で、面倒くさがりの私はよく切ってもらっていたものだ。邪道中の邪道なのはよく分かっているが、楽して美味しいのが一番である。あゝSくんがこの場にいてくれればいいのに。


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