【飯田橋くらら劇場~あるいは脂まみれ血走り中学生の生態について①】


世の中、何が真面目かといって中学生男子ほど真面目な人種は存在しないと考える。何しろバカなのだ。ただ一つのことしか脳内にはあり得ない。何なのか?無論、エッチなことに決まっているではないか。

50過ぎた現在なら、「SEXはするものであって、観るものではない」(出典:筒井康隆)などと平気で言えてしまうが、35年前のうら若き時代に、そんな過激なことを言える訳がない。

隣のあの娘のあれがこれしてどうなって。
国語の先生のなにとこれがどうなって。

などという、経験もないくせに知識だけ生半可にあり、体力だけは売るほどある。そんな状態であったから、いつも血走った目でウロウロしていたような気がする。
そんなのお前だけだ。という声もあるかもしれない。しかし、私と友人たち、少なく見積もって30人以上はそんな状態であったと思うし、男子中学生など、古今東西似たようなものではないか。

そんな脂まみれ血走り中学生のすることといったら、父親が買ってくる週刊誌を盗み読んだり、勇気を奮ってエッチな本を買ってきたり。兄が備蓄しているビニ本かすめてきたり。
…勉強もせずにそんなことばかりやってたから、ロクな大人になっていないわけだが、しかしそんなことは数を重ねるうちに飽きてくるのだ。紙面でいくら痴態が繰り広げられようと、想像力には限界があり、もっと!もっと!もっとスゴいモノを!と、上のことを希求していくことは人として、いや成長過程まっさかりの人間として当然のことであることは言うまでもない。

現物を!
いや、現物でなくともせめて動いているものが欲しい観たい!しかし現代のようにAVなんて良いものがある訳がない。そもそも家庭用ビデオの普及はずっと後の事だ。では、どうなるかというと、エッチな映画を観に行こう!ということ以外にありえない。
当時(今もそうだが)有名であったソチラ系映画といえば日活ロマンポルノといえる。当時、唯一量産体制にあった日活は、後代の名優、名監督を排出した堂々たる映画会社であった。
ただ、日活は一般映画なのだ。入場料は高いしそもそもガードが固く劇場に入ることすらできない。となれば、どこに行くかというと、中小のいわゆる〈ピンク映画〉の劇場を狙って行くのだ。

当時住んでいた東京都新宿区で言えば〈飯田橋くらら劇場〉などという劇場には随分お世話になったものだ。先年、閉館してしまったそうだが、まことに個性的な小屋であった。この小屋は裏通りの子汚いビルの地下にあり、階段を降りきったところにある券売所は、なぜか白い紙で目貼りされ、手先だけでチケットのやりとりだけが出来るようになっている。つまりだれでも入ることが出来るのだ。スクリーンの脇に出入り口のある劇場(中に入る時、観客と目があってしまう)では、友人がオ○マに追いかけ回されたりと、いろいろ面白い体験があるのだが、ここでは割愛する。


にほんブログ村

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です