新潟市「坂井や商店」久しぶりの新潟 復路編① 古町の茄子ふたつ


坂井や商店
場所 新潟県新潟市中央区東堀前通11番町1767-1 [地図はこちら]
電話 025-223-2905
バリアフリー ◯
駐車場 なし 近隣にコインパーキングあり

またしても新潟にいる。

息子を送ってきた、といえばずいぶんと過保護のように思われるだろうが連れて帰った私自身、こりゃやり過ぎだよなぁ、と深く考えているのだから仕方がない。

母親とは

よいもので、帰省してまた帰る息子にあれをもっていけ、これがあると便利だろう。と衣料品から薬品、食料品まで取り揃え、それでもまだ足りないと近所のスーパーに寄って買い揃えてから行け。との指令がでた。来た時よりもどうみても倍以上の手荷物となっている。となれば、道中やきもき心配するよりも連れていってしまった方がよいだろう。ついでに私も楽しんでこられるではないか。という事であちらこちらと寄り道してくるのだから過保護も悪いものではない。

息子の

住む新潟島、すなわち信濃川左岸地域のとくに北側は、古来より北前船交易で栄えた地でその豪壮な屋敷がいくつか史跡として残されてもいる。船が入るたびにたくさんの漢どもか盃を傾け、芸妓を揚げ日夜街が揺れるほどの大騒ぎをしていた、といわれる街角は現在でも大きな繁華街として成立してはいるが、かつての盛えようとは比較にならないほど寂れた光景であるともいう。

知った口を

叩いてはいるが、単なるよそ者でしかない私が語るのは極めて憚れることかもしれないが、こういう街並みほど唆られるものはない。東京は変化が激しすぎてなにも残らない。長野は変化がなさ過ぎてわからない。その点歴史が、栄枯盛衰がはっきりとわかる古町は底知れない魅力に溢れている。

そして

地方都市らしく新しいものと古いものが無頓着に混在しているのもよい。近代的なアーケードの下に八百屋が露店を広げ、真新しくかっこいビルディングのすぐ脇には古ぶるしく、今にも倒れそうな木造の店屋が立ち並んでいる。

「坂井や商店」



古町繁華街の北隣、ちょうどビル群がなくなりかけぼつぼつ住宅街が始まるかなという地域、田中角栄が作り上げた街だけあって、歩道つきの広い道路の片側は背の高いマンションがいくつも立ち並んでいるが、反対側はごくちいさな木造の『元商店街』だ。こちらはその中でももっとも古くみえる二階建ての八百屋だ。店先に達筆で『十全茄子』『焼茄子』と掲示されていれば覗いてみるより他に方はないだろう。



店を切り回しているのは、建物に負けないほど古ぶるしいおじいちゃんおばあちゃん。だが、見た目と違いエラく元気がよい。

「十全ナス」350円



十全茄子とは新潟地域で生産されているナスの一種でまん丸のユーモラスな形をしている。見た目は長野の丸茄子と同様だが、水気が多く柔らかいという。その可愛いのを浅漬けにしたものが袋詰めで売られている。水を張ったウレタンのトロ箱に浮かべられた茄子は涼しげでけっこう。おじいちゃんが『うちの浅漬けは塩分控えめだから美味しいよ!』と言う。それは助かるが、オレってそんなに高血圧にみえるのかな?

「ジャンボナス」250円





種類を聞きそびれたが、これまたデカいデカい茄子だ。おばあちゃんが直火でじっくり焼き、トロトロになったものを皮むいて冷たく冷やしたもの。帰宅時間がはっきりしなかったのと、クーラーボックスがあるとはいえ、持ち歩きの間傷んでしまってはもったいなさ過ぎる、と最初は躊躇したのだが、このフォルムに負けて買ってしまった。

夕食で食べてみる。

十全茄子の浅漬けは、おじいちゃんの言葉通り塩気が少なく見た目以上に品のよい仕上がりだ。舌の上でとけ果ててしまう。





ジャンボナスは見た目通りの豪快さ。輪切りにして鰹節と醤油でいただいたのだがとにかくデカい。私のビッグマウスだからなんとかかぶりつけたが、家内と娘は四苦八苦しながら食べていた。





しかしトロける、咽喉部に到達する前にとけてなくなってしまう。シンプル簡単な品にみえるが、双方とも茄子の魅力を最大限に出し切った素晴らしい料理であった。

こういう店が

長野に欲しい、とつくづく思う。いや、イメージの近い店屋はないこともないが、ここまでキャラクターの立ったところはない。それが羨ましくてたまらない。

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