松本市「すざわ亭」しっとり松本のしっかりご飯


【お店のデータ】
すざわ亭
場所 長野県松本市中央1-12-8 [地図はこちら]
電話 0263-34-6286
駐車場 なし

少し前のこととなってしまったが、松本を堪能してきた。市立美術館で草間彌生展を再見、再度の衝撃を受け、松本城の掘割で桜を愛で、区画整理がひと段落した街並みを散策しただけなのだが、長野市とは違った、しっとりとした風情を楽しむことができた。
正直を吐露すると、これまで松本はあまり好きな街ではなかった。昔の勤務先の本社が松本にあり、ここに来るということは、つまらぬ会議だったり怒られに来たりとあまりよい記憶がない、というだけのことなのだが。退職後10数年を経てようやく妙なバイアスが外れて、素直に接することができるようなったのだと思う。あゝ松本っていいところだ。歩くのに夢中で昼の時分を過ぎてしまった。食事を抜くわけにいかない。どこで取ろうかと振り向いたらこの店と出会った。

すざわ亭



ショーケースの中に店名、外に立て看板のみの、シンプルでお洒落デザインである。長野市ではあまり見かけない風である。ランチタイムも終わりどきだ。こちらにしてみよう。

こちらのランチタイムは全て日替り定食のようだ。

A.豚の角煮 菜花 目玉焼き添え定食
B.サバと舞茸のチーズ焼き定食
C.豚バラと玉ネギの生姜焼き定食

という3種類。どれも手が込んでいそうで楽しみである。いつもの通り試行錯誤と優柔不断、様々な逡巡の結果Aに決定。決め手は目玉焼きである。その優しげなフォルムに惹き込まれてしまったのだ。



メインである、『豚の角煮』の皿は目玉焼きに覆われ中が見えない。この謙虚な姿勢と、素っ気なさが非常によろしい。目玉焼きがもう少し半熟ならもっと嬉しかったし、三つ葉ではなくパクチーなら狂喜していたであろう。目玉焼きを傍に寄せると、薄切りバラ肉の角煮が数枚、そして菜の花のおひたしが添えられている。甘すぎず塩辛すぎず、控えめな味わいだ。角煮にも菜花にもほどよく味がしみている。





『よい定食屋』の『よい定食』とは美味い、安い、盛りがよいというのは当然のこと。その上に『よい脇役』を揃えているのも条件のひとつであると確信する。脇をしっかりと支えてこそメインが光り輝くのだ。





この点において定食と名画は共通する。例えば「天井桟敷の人々(1945)」のP・ルノワールとP・ブラッスール。例えば「ブリキの太鼓(1979)」でのダニエル・オルブリフスキのごとき存在といえよう。興味を持つものはあまりいないと思うのでこの辺で止める。

それにしても『玉子入り炒り豆腐』は野菜たっぷりで絶妙な味わいはまさに名脇役といえる存在であった。



そして、何が素晴らしいといって、ご飯の代わりに冷奴に変更してくれるところがよい。まことにつまらぬ話題で恐縮だが、ダイエット中の身の上である。そんな時に『糖質制限用』と冠された豆腐は、とても気が効いており美味い。備え付けの出汁醤油をかけ回す。幸せな瞬間の訪れである。





 

 


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