長野市「秋山食堂」14回目はうな丼とラーメン


秋山食堂
場所 長野県長野市小柴見375 [地図はこちら]
駐車場 あり
バリアフリー ◯
ジャンル 定食屋

予定変更

先からあった予定が変更された。そのまま自宅でゴロゴロしていてもよかったのだが、夜の外出機会そのものが少ないので出かけることとした。もちろんひとりで酒を飲みに行くなどという事はあり得ないし、他にすることなどあろうわけもない。私の行く場所といえば映画館くらいなものだ。ちょうど観逃していた作品がかかっていたのでロキシーへ向かう。

篠突く雨

土砂降りとまではいかないが、間段なく高密度に降り続ける雨足はまるで竹林の中にいる様だ。まさしく篠突く雨という状況だ。権堂の有料駐車場から濡れながらロキシーに到着。そもそも傘を持たずに出る者が悪い。悪いといえば、目指す作品の上映時間を間違える者はもっと悪い。おっとっと。仕方がないので20分ほど時間をつぶし別の作品とする。

「私の知らないわたしの素顔」

という作品を観たのだが、これが予想以上によかったのだ。『ほんの出来心で足を踏み入れたSNSの世界は、二転三転のジェットコースターだった』なるポスターの知識から、サスペンスものと想像していたのだが、これがなんと純愛もので、純正フランス映画という風のしっとりした作品であった。常ならば絶対に選択しない類のものだから、じつに嬉しかった。

夕食

映画が終わればメシだメシだ。
権堂でなにかを、と思ったのだが夜は飲み屋だらけとなってしまう、当たり前のことだが。井之頭五郎のように居酒屋メシもよいのだが、気遅れしてならないので、ここはやめて夜のレジェンドへ行こう。

「秋山食堂」

夜のこちらにお邪魔するのは久しぶり、3年ぶりくらいか。基本昼と変わらないが、夜は常連さんの居酒屋と化すので別の楽しみがある。おじちゃんどもの酒飲み話を聞きながらの食事も悪いものではない。

黒板メニュー

そして何より黒板メニューが多くなる。

今回も『ゆでイカ 生姜醤油付』『オクラヤッコ』『まぐろヌルヌル定食』『焼鳥塩ダレ定食』なる魅力的なメニューで溢れていたが、今回はこれ一択であろう。

「うな丼とラーメン定食」990円

今年はシラスウナギが豊漁とのことで、夏くらいから価格が下がる、というウワサは聞いていたがこれもその影響だろうか。レンジの音が聞こえたから冷凍ものには違いないだろうが。いつもの醤油ラーメンは安定的な存在。メンマ、チャーシューとナルト1枚ずつ、ネギ少しに細麺というシンプルすぎる構成は『輝ける安心感』と呼ぶにふさわしい。

いつもの丼に無造作に盛り込まれた飯の上に、これまたトロリとおかれた蒲焼き、というより冷凍だから『蒲煮』に近いがこれもまたよし。

市内某鰻屋のように関西風蒸しなしでパリッとした、タレのかかりの少ない端の方が塩焼きっぽい仕上がりの蒲焼きも美味いが、関東ふわふわで育った身としては、この方が相性がよいかもしれない。値段も合っているし。添えられた2枚の大葉も食堂らしさを醸し出していてじつによい。

14回目

秋山食堂は調べてみたら食レポだけで14回目だという。レポートしていないものまで含めれば数えきれないほどだろう。それだけここにはsomethingがあるという事だ。もっと近くにあれば毎日通ってしまうのだが。

中条「CAFE 美場」鯉焼き in アートスペース


cafe 美場-viva
場所 長野市中条6642 [地図はこちら]
ジャンル カフェ
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
URL https://cafe-viva-coffee.jimdofree.com

大喰らい

大喰らいのくせにアートに囲まれているのが好きだ。
『大喰らい』は指摘される前に言っただけだから無視してもらってよい。この場合の『アート』とは映画、演劇、音楽、文学ではなく絵画や彫刻といったジャンルのものを指す。だから昔から時間があるとちょくちょく美術館へと足を運んでいる。ここしばらくは信濃美術館が改築中だったり、コロナのおかげでいくことが出来ていないが。

抽象画

主に抽象画を好む。だってわかりやすいではないか。近代以前のものは約束事が多いから嫌なのだ。風景画はその瞬間を描いている、すなわち凍結された時間=死を意味するとか。絶対的な予備教養がないと楽しむことすらできない。

その点ダリにせよマグリットにせよ、約束事の壁を乗り越え、自らが観えている光景を素直に描いただけの作家はよい。なぜこのように観えているか、まではわからないがあなたの内面だからわからなくて当然だ、と居直ればよいこと。別に気にせず楽しめばよいではないか、とも思うがそこは真面目で几帳面な性格ゆえ我慢できないのだ。

「CAFE 美場」

長野から中条へ向かう道沿いにある民家を改装したカフェだ。昨年(2019年)にオープンしたというこちらは、以前から気にはなっていたが、同行者がいたり休業だったりとなかなかお邪魔することが出来なかったのだ。現場帰りで作業服だがまぁよいだろう。

まったく予備知識なしで入ったのだが、近在のアーティストたちによる工房、ショップ、カフェとなっている。当然カフェで使われる食器類はそのアーティスト作のものだ。なんだが楽しいぞ。

「鯉焼き+コーヒー」600円

鯉焼き

鯛焼きならぬ鯉焼きは善光寺 東之紋町にある藤田九右衛門商店から取り寄せたものだという。ここは駐車がないのでなかなか買いに行けないから、とても嬉しい。プレーンか竹炭入りがあるというのでもちろん後者とする。真っ黒な鯉焼きは、重厚感のある可愛らしさという感じ、

そしてここの代表 角居康宏氏作である、金属製の皿がシャープさが加わり、アンバランスでユーモラスな風が面白い。

自家焙煎コーヒー

自家焙煎と言われるコーヒーは、正直なところもう少し濃い目で熱々を好むが、ユーモラスな鯉焼きの前ではこれくらいの、ほどほどに優しい方が合っているのかもしれない。

たった今、写真を観ながら書いているのだが、コーヒーカップがまた優しげな風でよいのだ。メニューにはお2人の作家が記載されており、どちらの方のものかお訊ねするのを忘れていた。それは次回の宿題およびお楽しみとしたい。

大町市「欧州家庭料理 くんくん亭」二号店でも手のひらサイズ


欧風家庭料理 くんくん亭
場所 長野県大町市大町高見町3343-1 [地図はこちら]
電話 0261-85-4868
ジャンル 洋食店
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり

「デカいねぇ」

と昔からよく言われる。無論のことそこには『太っているねぇ』が含まれてはいるのだが、そもそもガラがデカい。すなわち体格がよいという意味も含まれている。170㎝だからタッパ(身長)はさほどではないが、いわゆる骨太体型で『肉体労働者タイプ』とも言われる。心は文系なよなよ人間なのに。

父方の祖父

は昭和15年に亡くなっているから知るよしはないが、その兄弟はみな体格が良い方だったし、父はチビだったがあれは成長期に食料難が重なり十分に栄養を摂る事が出来なかったからだと思う。母方もしかり、決して小さな家系ではない。したがってデカくて当たり前という事となる。

その割に

パーツはさほどのサイズではない。足は長さでいえば26.0か26.5くらい。息子が30.0というから可愛いものだ。その代わり甲高バン広だから、靴を合わせ損なうとがぼがぼと脱げてしまうから困るのだ。手のひらもしかり、私より第一関節分大きいよ、なんて人はたくさんいる。やはり私は蒲柳の質、細くて短い人間なのだ。

「欧州料理 くんくん亭」

以前から大町にはよさげな店がたくさんあると聞いていたが、なにぶん場所が場所だけになかなかお邪魔することが出来ていなかった。となればその近縁に現場が出来たとあらば行って回るしかなかろう。そんなわけでいろいろ調べているうちに手のひらサイズのチキンカツがあることがわかりいそいそとお邪魔した次第だ。

がーーんッ!

…が、中綱湖畔の店舗に行ったら臨時休業とのこと。あまりのショックにしばし動けずにいたが、店先をみると『2号店OPEN!』の文字が。信濃大町駅の近くで1週間ほどまえに開店されたのだとか。これは行ってみなければならぬ。立ち回り方向と反対なのは気にしないのだ。

10数キロ20分

ほどの行程で到着、近いものだ。蔵づくりの建物を改装したと思しき瀟洒な店構えだ。オープンしたてとあり、平日でも混雑しておりしばらく待たされる。何時間も待たされるわけではない、美味いもののためにはどうということはない。15分ほどで通された店内は、蔵だけあって天井こそ低いが、その分落ち着きのある空間となっていた。

「くんくん風チキンカツ レギュラーサイズ」1300円

ライスまたはパンと味噌汁、漬物がついたセットメニューよりの選択だ。

手のひら

チキンカツは評判通りデカいのだが、手のひらサイズというのは過小な表現であると思う。

たしかに縦×横の面積比からすれば『手のひら』は間違いではなかろう。しかし、これだけの厚みをもつ手のひらは力士のそれ以外にはあり得ないだろう。

そのデカいのを

渡されたナイフとフォークで切り分ける。想像以上に柔らかだ。火の通りもちょうどよい。ご存知の通り、鶏肉は熱しすぎるとパサついてしまうが、ギリギリの火通りで軽くサクリとした歯ごたえがよい。

本音をいえば揚げ物にデミグラスソースは合わないと思うが、とんかつソースとの併用で甘さに酸味が加わって、複雑な味わいとなっている。これならよい。

大町には

まだまだ美味いものがある。業務が終わるまえに回りきらなければならない。仕事などしている場合ではないのだ。

長野市「かつや 長野七瀬店」全力”大人様”飯


かつや 長野七瀬店
場所 長野県長野市鶴賀七瀬南部385-1 [地図はこちら
電話 026-268-1525
駐車場 あり
バリアフリー ◯
ジャンル とんかつ、揚げ物、定食
URL http://www.arclandservice.co.jp/katsuya/

『お子さまランチ』

なるメニューは現在でもあるのだろうか。そもそも自分が食べた記憶がない、いやなくもないのだが「これじゃ足りない!」といって母から伯母の注文した品を食べてしまったというはなはだ情けない記憶しかない。かといって自分の子どもたちも、おもちゃやカラフルなデザートで釣らなければ食事が出来ないなんて事はなかったので、わが人生はほとんど『お子さまランチ』との関係はなかったと思う。これから孫ひ孫の世代になればわからないが。

というわけでちょっと調べてみたらお子さまランチは昭和5年日本橋三越食堂がその起源だという。以来おまけをつけるようになったり、戦後60年代に入ってからはテレビキャラクターの玩具や器を用いるようになってから爆発的な人気を誇るようになったのだとか。現在でもなくなったわけではなく、かといって昔のようにキャラクターに彩られたものもない、『キッズプレート』なる空々しい名称に変わってしまったが、連綿と歴史は続いている。

先にも話したが、お子さまランチとはあまりご縁がなかった、あるいはほとんど覚えていないほど遠い関係でしかなかった。だから、…というのは安易に過ぎるかもしれないが、だからこそ今食べたい。惣菜がいくつもいくつもきらびやかに盛りつけられたあのお子さまランチを強く強く欲するのだ。おまけのおもちゃまでは必要ないが、出来れば日章旗あるいは鎌と槌が描かれたド派手な紅旗を巻きつけた爪楊枝、フラッグピックというらしいが、あれを立てたひとつ盛りの料理を心の底から欲するのだ。

「かつや長野七瀬店」

7月1日よりかつやに魅力的なメニューが登場するという。カレーあるいはカツ丼の2種にいろいろな惣菜がトッピングされた、お子さまランチさながらのメニューであるという。名称からしてすごい“全力大人飯”。まずは『大人』というのがよいではないか。男ばかりがガッツリ好きとは限らない。そうだ、これでよいのだ。男も女も大人は全力で喰らうべし。

「全力大人飯 チキンカツ丼」825円

玉子とじによるチキンカツ丼をメインに据え、鶏の唐揚げ、ソース焼きそば、千切りキャベツを添えた超豪華な大人飯、いやここはあえて『現代の大人様ランチ』と呼称したい。
惣菜ひとつひとつがキラキラと輝いているようだ。世間ではこれを『しずる感』といっているようだが私はあえてその名を用いない。これは『蠱惑の光』が妥当といえる。この妖しげな光は、まるで誘蛾灯のようにひとびとを捉えて離さない。ふんわりとした玉子にまといつかれたチキンカツ。パリっとハードな唐揚げ、そしてピシッとすべてを引き締めるソースの焼きそば。時に優しく己に厳しく、時として緊張をもたらし全体を牽引していく大人の姿を象徴しているかのようだ。

カレーバージョンとするか、はたまたチキンカツ丼バージョンとするか迷いに迷った。正直なところカレーに強く惹かれたのだが、この日の夕食はカレーなのだ。しかもチキンカレーである。ここはあえて我慢して次回に期すこととする。これも大人の気遣いということに、…なるのか?

長野市「チーズ洋菓子店」チーズとの関わりと美味いチーズケーキ


チーズ洋菓子店
場所 長野県長野市高田253 [地図はこちら
電話 不明
ジャンル 洋菓子店
バリアフリー ?
URL https://cheesecake-nagano.com

好き嫌いがない

その概念ごとないと言い切ってよいと思う。この年齢になって、ぼくはなんでも食べられます!などと言いふらすのはあまり自慢にはならないが、ここは恥を忍んでカミングアウトすることにしよう。

もちろん食べたことのないものはたくさんある。東南アジア諸国のドリアンとか、スウェーデンのシュールストレミング、いや国外でなくとも鮒寿司なんてものも口にした経験はないから、いざそのものどもと相対した時にどのような反応を示すかわからない。たぶん慄きながらも食べてしまうだろうが。

「愚者は経験から学び賢者は歴史から学ぶ」

というから、必ずしも経験せねばならぬという事でもなかろう。とはいえ経験しなければ可不可を語る事すら出来ない場合もある。そういった方針で50数年生きてきた。まぁ食い意地および好奇心が強いという事なのだが。

そういう『バカ舌アホ腹経験主義』の私だが、かつて嫌いとまではいかないが、「なんとなく口にしたくない」レベルの食べ物が一点だけあった、それはチーズ。わが生家にはそもそも牛乳文化がなかった。たまにパンにバターつけて食べる事はあっても生乳を飲む事はない。チーズなんて考えた事もない。だいたいプロセスチーズなんてものは石鹸ではないのか?ブルーチーズなんて化学薬品だよね。ピッツァやチーズケーキのチーズとは別物に違いない。

そのような偏見こそあったが食べられない事絶対にない。そんな状態は20歳代までは確実にあった。結婚して30過ぎたらまったく平気になってしまったが。精神的に図々しくなったのであろう。

そうだ、チーズケーキだ。

昔々子どもの頃はレアチーズケーキしかなかったのだ。そもそもチーズとはご縁なく育ってきたから当たり前なのだし、そもそもあのフニャララした食感がいやであまり口にしたことがない。高校のとき、東京 調布の某ケーキ店でベイクドチーズケーキと出会うまでは。あのハードさは洋菓子の範疇を超えた「男の料理」だった。

「チーズ洋菓子店」

長野市 高田というよりも昭和通りを乙妻より少し市役所寄り、もしくは新しくできたTOTOショールームの斜向かいといった方が通りがよいのではないか。通りがかりに『チーズケーキ専門店』なる幟を見つけ、これは行くしかないだろうと突撃した次第である。道端にポンと置かれたような小屋のような、というかこれはヨドコウか何かの物置を店舗に改装したのであろう。三尺ばかりの売り場の他は調理場なのであろうか。店先に人影はなく、呼び鈴をチンとならすと男性ひとりモッサリ登場(失礼な紹介だな)。今年2月にオープンしたばかりだというこちらのメニューは、なんとチーズケーキ2種のみであるという男らしさ。これには萌えてしまった。オーダーはもちろん

「オリジナルチーズケーキ」400円

詳細なレシピはわからないが、見た目はどこにでもあるベイクドチーズケーキでしかない。しかしとてつもなくトロトロ。店先に「当店のチーズケーキはとてもやわらかいです」と掲示されていたがまさしくそのまんま。ある程度冷えていなければ、持ち上げることすら難しいだろう。濃厚なチーズと品のよい甘味が凝縮された『飲むチーズケーキ』と表現してよいかもしれない。今までありそうでなかったタイプ?いや私が知らなかっただけか。それにしても美味だ。

「1人で始めたばかりなので手が回りません」

という店主はバカ正直にもほどがある、そんな風情の方だがだからこそよいのだ。今のところ15:00〜19:00の営業だが、なくなり次第閉店という潔さもよし。早々に抹茶のチーズケーキも食べに行ってみよう。

飯山市「イナリ食堂」伝説のかつ丼


イナリ食堂
場所 長野県飯山市飯山新町205-2 [地図はこちら
電話 0269-62-2372
駐車場 あり
バリアフリー △
ジャンル 定食屋

伝説とは

伝説とは説を伝うること、長い間人から人へと語り継がれるような出来事、もしくはそのような出来事を指す。いずれにせよ、よほどの事でなければ伝説となれはしない。じつは、私の周りにはよっぽど”よほどの事”がない(変な表現だなぁ)ようで「伝説の◯◯」に出くわした事がないので、なんとなく「伝説の◯◯」に惹かれてならない。
ひと回り上の世代の方たちの多くからは、「あいつは伝説だった」というのをよく聞くのだが、世代なのか生まれ育った地域によるものなのか。隣町のアイツは30人対ひとりのケンカに勝ったとか、いとこの友だちのアニキの元カノの嫁行った先の義理の兄が300人ナンパしたとかいう極めてローカルなものだし、そもそも大した伝説でもないか。大げさに表現して、面白おかしく言って回っているだけかもしれない。あぁどこかで伝説と出会うことは出来ないか。

飯山へ

またしても飯山行きとなった。10日ほど前にお邪魔した先でやり残した仕事があったのだ。私に出来ない仕事などいくらでもあるのだが、これは特に手の出ないタイプの作業であり、ここはひとつプロフェッショナルである先輩にお出ましいただいた次第である。長野で昼少し前に待ち合わせ、そのまま飯山へと向かう。
お客様宅はちょうどランチタイムであったが、気にせずやってよしとの事だったので作業開始。…したはよいが、さすがプロのやる事だ。あっという間に終わってしまう。
「ちょっとしたことだから、簡単だよ」
とはいうものの、お客様はもちろん、私にもとても出来ることではない。さすがだ。
意外と、というより想定以上の速さで終わった。次の予定まで少し間があるのでこちらもランチタイムとしよう。飯山の街にも有名な店はいくつもあるが、なかまち食堂は先だって行ったばかり。うなぎの本多は簡単に行けるわけもない。したがってお邪魔するのはこちらである。

「イナリ食堂」

古ぶるしい、すすけた白の外壁にレタリングされた”イナリ食堂”の筆文字風の文字からは、ある種の荘厳さが垣間見えてくるようだ。内部の床壁天井テーブルは厨房から美味そうな香りとともに流れてくる、油、油、そして脂のためいたるところがペタペタとした感触にまといつかれている。決して、いや清潔感があるとは断じて言えないが、これがたまらない。これぞ定食屋!という風情はみただけて食欲が増していくようだ。じつはこちらに、すごいものがあると聞きやってきたのだ。

「かつ丼」1100円

刮目してみよ!この迫力を!威圧感を!これはかつ丼ではない。”かつ山脈”という表現が妥当といえよう。かつ1枚のサイズは間違いなく私の掌以上の面積がある。そしてこの厚み、3センチはあるだろう。その大とんかつをまるまる2枚使用したかつ丼である。

これはすごい。見た目のインパクトだけではない、しっかりと美味いのだ。煮干しの香りがするタレは、良い意味での田舎っぽさを醸成してくれる。同様に甘い甘い味わいもよい。このタレがしみしみになったご飯が最高だ、たまらないほどの美味だ。かきこみながら、品悪くノドを鳴らしてしまう。そしてあらためてかつの登場。箸で持ち上げると、ズシっとした重量感がすごい。いつまでも持ち上げていられなほどだ。そんな物体がいつまで経ってもなくならない。トッピングが少なくて困ったことはいくらもあるが、多すぎてというのは初めての体験だ。

30分ほどかかって終了、というのは厳密には間違い。かつはなんとか食べ切ったが、ご飯は1/4ほど残してしまった。あああああ、これはすごい。単に「すげーの」では表現が足らない。これぞまさしく「伝説」といって然るべきであろう。だめだ腹いっぱい。恐らく夕食も食べられないだろう。先輩も決して少食な方ではないのだが、えらい目にあったと目を白黒させていた。

長野市「弁当の松田」TAKE OUT-LUNCH 古の懐かしき…


弁当の松田
場所 長野県長野県長野市下駒沢720-12 [地図はこちら
電話 026-296-5704
駐車場 あり
ジャンル 弁当屋さん

休日の過ごし方

平日が定休なので家族と予定が合わず1人で過ごすことが多い。なんだ、ずいぶん寂しい人生だなと言われそうだが、…いや自分でもさように考えなくもないのだが、逆をかえせばどこに行っても空いている。市役所だろうが、病院だろうが、図書館だろうがゆったりゆっくりと過ごすことが出来る。一番よいのが映画を観るときだ。少々な話題作でも大概はガラガラだし、そもそも同行する者がいないから、あれが観たいこれが嫌だという面倒な文句を言われずに済むのがよい。

引きこもりの日々

ところが時節柄、外に出るな人と会うな、友人メシにもいくな、ライブハウスはだめ、映画館もダメときた。だいたい映画館ほど衛生的な場はないではないか。法規制で換気はしっかりとなされているし、そもそも長野市の映画館はすべて消毒はしっかりしているからこれ以上の清潔空間はない。それにどこ小屋も古いから隙間だらけではないか。失礼なことを言っているようだが、少し古くて不便なくらいが映画館らしくてよいのだ。それなのになぜ休館しなければならないのか。それ以上にパチンコ屋などもっとひどい環境なのに話題にも登らないのはなぜた。と腹の底で憤っていたら県の休業要請に入ったようだ。少しばかり溜飲が下がったが面白くない事態に変わりはない。

そんなわけで引きこもり休日を過ごしている。ほとんどテレビの前で映画やYouTubeを観ていたり、本を読んだりしているのだが、数時間で飽きてしまう。いくら好きだからといってロクに動きもせず座りっぱなしは閉口だ。映画にせよ読書にせよ、探す楽しみ、買う楽しみそして行く楽しみがないと味気ないもの、行動が伴わなければ楽しさも半減してしまう。

という事で暇つぶしに思いついたのが長野市あるいは近郊の弁当屋さん探しだ。ほっともっとやらコンビニやらは別として、個人で経営されている小さな店舗を探すのだ。これで普段のランチもバッチリだぜ。と機嫌が少し治ってきたところで、ごく近所に一件、昔ながらのお弁当屋さんを見つけた。これは行ってみるしかなかろう。

「弁当の松田」

下駒沢にある長野県立総合リハビリテーションセンターの通り挟んで目の前にある小さなお弁当屋さんだ。店舗そのものは以前から知っていたが、弁当屋だとは思っていなかった。こちらは安くてボリュームがあってよいと評判でもある。ご家族で切り回されているのだろうか、年配のご主人と奥様らしい女性、そして息子さんらしい若い男性が厨房にいらした。今回はメニュートップの三品を注文した。

「鶏照り焼き丼」442円

Processed with Focos

ウレタンの小さな器はすき家でいうところのミニサイズなのであろうが、ご飯はかなりぎゅうぎゅう詰めになっている。けっこうなサイズのゴロリと転がっている肉塊は恐らく胸肉であろう。褐色テカテカの表面は口にせずとも美味さを保証しているかのようだ。べったりとしたタレは正しく昔ながらの味わい。しっかりと甘くずっしり美味い。これぞ照り焼き丼!というイメージ通りの品だった。

「チキン南蛮弁当」472円

これまた懐かしの風情だ。プラスチックの黒い容器はご飯、惣菜、漬物類、サラダといったジャンル別に仕切られている弁当こそオーソドックススタイルのど真ん中といえる。
まず、目につくのがご飯の量だ。これは普通の大盛りサイズだろう。定食屋の飯は2割増しにせよ、といわれるがセオリー通りの気持ちよさである。そしてチキン南蛮。竜田揚げに甘だれ、そしてピクルスたっぷりタルタルソース。これだけのタルタルソースを見るだけで背徳感に迫られるような気がするのは私だけか。とはいえマヨネーズ味の強いタルタルソースと甘だれ、ジューシーな鶏のハーモニーは至福の存在といえる。

「から揚げ弁当」430円

こちらの名物とされるメニューである。惣菜専用の容器いっぱいのから揚げは数えきれないほどの個数が入っている。蓋のしまらない弁当というのは、いつ見ても心地よいものだ。そしてご飯。おかずとご飯のみという潔い姿かたちが格好よすぎるのだ。醤油とニンニクの香りが食欲をそそりまくる、帰りの車内では飢餓でおかしくなりそうだった。

じつに気持ちのよいお弁当屋さんだ。牛丼、天丼、かき揚げ丼といったスタンダードメニューやデラックス弁当なる魅力的なもの、あ!マーボ茄子弁当なんてメニューもある。

配達します!との記載もあるが、詳細はお問い合わせいただきたい。敷地内に高低差があり、店前に高い階段があるのと、駐車場が少ないのでお越しの際には注意が必要かもしれない。なお、3点の弁当は私1人で食べたわけではないので、お間違いのないようお願い申し上げる次第だ。

駒ヶ根市「ガスト駒ヶ根店」緑茶と抹茶スイーツと


ガスト駒ヶ根店
場所 長野県駒ヶ根市赤穂1568 [地図はこちら
駐車場 あり
バリアフリー 〇

東京オリンピック

東京オリンピックの延期が決定したそうだ。
コロナ流行が終息の気配すらない、パンデミック、クラスター、オーバーシュートなど聞き慣れない英語が飛び交い始め、正直なところあまりよい気はしていない。腹立つからやめないかな、と思っていたら河野太郎が同じ発言をしていた。みんな同様であろう。
そんな中の決定だから、あまり異論は出てこないようだ。まぁ無理もないよね、というのは日本人特有の忖度意識ばかりではないだろう。もちろん関係されている方々はたまったものではなかろうが、その辺はみなで協力して当たっていく他あるまい。

近年の、いやずいぶん前からオリンピックは政治の道具だの、利権の巣窟だのと言われ続けている。たしかに、あれだけ巨大な大会となり、大きなお金の動くとなれば間違いなく、そういった嫌な側面を持つだろう。しかしそれだけではない、世界中の人々を集めた運動会をやろう。これが平和の式典なのだ、と純粋に信じて活動する方々がたくさんいてこその大会でもあるのだ。だからいろいろあっても単純な批判はしない事としている。

じつはこうみえてもオリンピックを楽しみにしているのだ。といってもサッカーと一部のマイナーなフリークライミングとかホッケーとか一般に顧みられない競技を観るくらいの、あまり真面目な”楽しみ”とは言えないかもしれないが。そんな者が”協力して当たる”もへったくれもない、そもそもそんな力もない。

コロナ対策=予防

予防という事につきる。
決定的な治療法・治療薬がない以上、予防もわからないから、とりあえずインフルエンザ予防法を援用するしかない。手洗い、うがい、マスク着用は必ずしも有効とは言えないだろうが、やらないよりはましだ。免疫力を高めるという手法もある。要するに意識を高めることがもっとも必要なことであろう。

日本は10万人あたりの発症率が低いから大丈夫、というのは油断以外の何者でもない。だからといって怖がりすぎもいけない。正しい情報と正しい知識なくして正しい認識には至らず、正しい判断もできない。出来るだけ感染しないように、かといって出物腫れ物ところ構わずということもある。感染してしまった場合はこれ以上拡大させないように一人ひとりが気をつける。正しく楽観し、正しく怖がるという事となろう。

緑茶

緑茶が効くのだという。カテキンに殺菌効果があるのは以前から知られていた。少なくともインフルエンザには有効とされ、幼稚園や学校などで緑茶うがい、あるいは緑茶飲用が推奨されている。医学的・統計的な立証は未達らしいが、まんざらオカルティックな民間療法とは言えないようだ。どうせ水分補給は必要なのだ。それに外出時などうがいの出来ない事もあるので、出来るだけ緑茶を用いる事にしている。

ガスト「宇治抹茶ソースのソフトクリームあんみつ」548円

京都の老舗茶園でつくられた茶葉を用いてつくられた、季節限定のメニューだ。
・北海道ソフトと八ツ橋の宇治抹茶パフェ
・北海道ソフトの宇治抹茶サンデー
・宇治抹茶ソースのソフトクリームあんみつ
パフェの類いよりも、さらさらといけるものを摂取したかったので3番目を注文する。

寒天につぶあん、ソフトクリームという構成は基本通りのクリームあんみつだ。ただそこに刻んだイチゴ、生のブルーベリーと三色団子が搭載されたところに、濃厚な宇治抹茶ソースをかけ回していただくのだ。各々の個性を抹茶ソースでビシッと統合する、といったイメージのスイーツだ。美味い

だからといって、抹茶スイーツが有効とは言わない、世の中そこまで甘くはない。あくまでも気持ちの問題だ。もちろんドリンクバーで緑茶をいただいてこその予防となる。とはいえすべては気持ちから始まるのだ。越えられない壁などない。コロナなど打ち倒して、来年のオリンピックに挑もうではないか。

長野市「三幸軒」街角のiUnaGi


三幸軒
場所 長野県長野市大字安茂里大門1768-6 [地図はこちら
電話 026-228-6435
駐車場 あり
バリアフリー ◯

下魚

下魚とは、漁獲量が多すぎて市場に出しても価格のつかない、価値の低い魚を指す。かつてはアジ、イワシ、サンマなどは長い間そのように呼ばれていたし、秋田ではハタハタが代表格だったそうだ。いつぞや秋田の親戚が
「ハタハタなんて買ってくるものじゃない。海に行ってバケツですくってくるのだ」
と言っていた。バケツは大げさだろうが、それだけよく獲れたという事でもある。東北の貧乏人(私およびその一族が裕福であるわけがない)が厳しい冬をやり過ごすための、唯一の食料であった。そんな下魚ハタハタが少なくなり、一時禁漁となり現在では高級魚へと発展したとは皮肉以外の何者でもない。

ウナギ

かつての下魚、現代では高級魚というのでは、やはりウナギが最高峰といえよう。ウナギといえばかつて(といっても江戸・明治のことだが)はドジョウとほぼ同じ扱いだったのだとか。そこいらの川や田んぼにいくらでもいたのだが、脂がキツすぎてあまり喜ばれず、食卓に上がることは少なかったそうだ。ただ、吉原の門前で屋台で食べさせるようになってから大流行。安い蒲焼で精をつけ吉原(なか)へ繰り出す、というのが江戸っ子の気質にうまくハマったのであろう。
そのウナギが、そうでなくとも高級魚であったウナギが、超、いや超超超超超超高級な存在となって久しい。シラスウナギが激減した、原因がわからない、養殖できない。と様々議論されているがよくわからないというのが歯痒くてならない。そもそも貧乏人最高峰の私には、あまり関係のない事柄だが、ないとなれば寂しいではないか。
どれほど少なくなったとはいえ絶滅したわけではない。お金を積みさえすればウナギなどいくらでも食べられるのだ。ただランチタイムで3000〜4000円かかるとなればまったく面白くない。だから街で安いウナギを見つけて食べる、というのを密かな楽しみとしている。吉野家の短冊状に処理されたウナギ、すき家の牛とウナギの相盛りであるうな牛などけっこうイケるのだ。長野市内の某喫茶店(教えないよ)の1200円ウナギは感動的だった。

「三幸軒」

こちらは長野市に2店舗、中野に1店舗あるのだが、支店なのか暖簾わけの関係なのかよくわからない。ただ、どちらも安くてボリューミィで美味しくて、常にたくさんのお客様で賑わっている。この日はカツカレーもしくはかき揚げ丼、と決めて来たのだが、壁に掲げられた別の短冊メニューに心奪われ、注文してしまった。

「うな丼定食 タンメン付 並」1000円

牛丼でもない、カツ丼でも天丼でもない。うな丼に野菜たっぷりのタンメンがついてこの価格である。安いウナギマニアとしては、注文せずにいられない。

「タンメン」

丼もの+ラーメンといえば、そのボリュームを指摘する人が多いのだが、そもそも麺料理はスープ類に相当するものなのだ。

野菜たっぷり、塩スープ、細麺とくればこれ以上の存在はない。このタンメンは立派にその機能を果たしている。何はさておき塩スープに酢をじゃばじゃばと入れて食べるのを好む。美味い美味い。

「うな丼」

紅いプラスチックの丼に白い飯、瑞々しい緑の大葉と紅生姜、そしてぬれぬれとしたこげ茶の蒲焼。堂々たるフォルムといえよう。濃度の高いタレは味わい深く、丼全体を引き締める。ウナギはやや脂が不足気味。やや皮が固く、身はふんわり、ではなくホロリとほぐれていく。三角の形状といい、今まで食べてきたウナギとは少し違う種類なのかもしれない。

詳細が不明なのでとりあえずiUnaGiとしておこう。もちろん私の腹の中だけの事だが、これはこれで十分美味いものだ。次回は上1250円を試してみよう。

iUnaGiの” i “に意味はない。
何にでも” i “さえ加えれば意味などなくとも、シャレオツと化す。iPhoneしかりiPadしかり。両者とも意味などまったくないのだ。だから、気にしてはならぬ何事も。

長野市「秋山食堂」親子丼


秋山食堂
場所 長野県長野市小柴見375 [地図はこちら
電話 026-228-8431
駐車場 あり

名物に美味いものはない。

というのは言い得て妙なことと言える。あれって前評判ほど美味くなかったよね。そんなささやきは、随時聞こえてくるし自ら発することもある。常套句といっても支障はないだろう。

理由はいくつかある。まずは郷土食であった場合。田舎の貧乏食であったから、材料が特殊だから、昆虫食だからまずいという事ではない。郷土食はそのコミュニティにいたから、ある種の共通理解があるから美味い、という事も言えるわけであって必ずしも誰もが心地よく感じられるとはいえないこともある。

次にブランディングされたものである場合。
これらは最初からそれなりに完成度を高められたものが多いはずなので、極端にまずく感じるわけもないはずだが、その分こちらのイメージが増幅されている事がある。これは絶対に美味いものだ、という刷り込みがなされていればいるほど、激しくギャップに見舞われる、ということになる。

どれもこれも、たくさんの方が一所懸命つくってくれたものなのだから、あまり文句を言ってはならないのだが。人間とはかくもわがままな生物なのだ。

「秋山食堂」

親子丼が食べたくなったはよいのだが、いざ探すとなるとなかなか行き会わない。街場の蕎麦屋を廻ればそのうち出会すのだろうが、立ち回り先に蕎麦屋がなく、あっても丼ものを扱うような大衆店ではなかったり。そもそも蕎麦屋は草笛くらいとしかつきあいがないのだ。
であればリアル深夜食堂であるこちらにお願いするしかなかろう。昼どきにメニュー外注文は失礼かもしれないが、カツ丼・玉子丼があるのだからさほどでもないだろう。大将も快く引き受けてくれた。

「親子丼」

近年は半熟とろとろが持て囃されているようだ。無論のこと嫌いではないのだが、トロトロすぎは今ひとつ好まない、あれは丼ではなく雑炊だ。ほどほどに固めの玉子にまとわれた具材は玉ねぎとひとつがひと口半サイズくらいの鶏肉がゴロゴロ、そして少しの三つ葉のみ。鶏の火通りがじつによい。当然生ではなくかといって通しすぎのぱさつきもない、シャキっとぷりっぷりの歯ごたえだ。

準つゆだくという程度に高い水分量だが、雑炊とまではいかない。ほどほどにサラサラがすばらしい。適度に甘すぎの味つけがよい。変な表現だが、玉子焼き・親子丼・かつ丼は甘すぎるくらいがデフォルトであると確信する。

上田の名物は親子丼

であると、長い間思い込んでいた。昔、祖母が旅行先の上田市で食べた親子丼が美味かった美味かった美味かった。と言い回っていたのを覚えていたのだ。さぞやすごいものなのだろう、池波正太郎も食べたかな。なんぞと思っていたらさにあらず。乗っていたバスが渋滞で遅れに遅れ、上田の旅館に到着したのが真夜中。当然、夕食など残っておらず、やむを得ず近隣の蕎麦屋で親子丼を食べた、という話を聞いたのは祖母が亡くなってからずいぶん経過してからだった。
「お腹がすききったところの親子丼だったから、余計と感動したんじゃない?」
とは母親の談。名物だから美味なのではない、心動かされるからこその美味と感ずる、という事なのであろう。

長野市「ししとう」大きいことはいいことだ


ししとう
場所 長野県長野市高田426-2 [地図はこちら
電話 026-228-4410
駐車場 あり

経済おんち

毎度のことながら、またしても恥をさらしてしまおう。私ほど金銭を知らぬものはいない。無頓着、というほど持ってもいないし稼いでもいないから、単に「知らない」とだけ申告しておく。ローンの金利が1%だとしたら、総額に0.001をかけてからそれを足して12ヶ月で割ってから。などという有様では本業に支障が出るレベルなのだが、今さらどうにもしようがない。当然、長期プライムレートだの、マクロ経済だのと専門用語を並べられてもアップクチキリキアッパッパァ(©️江戸川乱歩)だ。まぁ経済そのものがわからないという事だ。

消費が少ない

だからよくないのだという。市井の人びとがものを買わない、あるいは買い控えているからお金が回らない、いつまで経っても景気がよくならない。というほどの意味だと解釈しているのだが、バカを言っちゃァいけねぇよ。今どき物が売れないのはカネがない、あるいは欲しいものがないからだろう。稼ぎが少ないから高いものが売れない。欲しいものがないわけがない、物欲は消えない、私は愛人が欲し…いのはともかく、そういった煩悩は別として、日常生活に必要なもの。テレビはある、電子レンジもある、DVDもBlu-rayプレイヤーもある、食べ物も同様に家の中にないものはない。そんな状況下でものが売れると思うか?それだけで景気の動向を計っているわけではないだろうが、適当な理由をつけているだけのようにしかみえない。そんな事では、みながみか萎縮するだけでますます悪い方へと転がっていくとしか思えない。

大きいことはいいことだ

とはいえ、50すぎたロートルはまだよいだろう。良くも悪くもひと通りの事は終わってしまったし、あとは下り坂転げ落ちていくだけだ。ただ、若者たちのために萎縮しっぱなしはよくないだろう。バブル時代のように、とは言わないが、もう少し元気な社会に戻してあげるのがわれわれ大人の仕事だろう。かつての山本直純のように「大きいことはいいことだ」といえるように。

 

「ししとう」

長野市有数の定食屋さん。がっつりデカ盛りといえばここだろう。麺類といい、定食ものといいお腹いっぱい間違いなしの店だ。そして今回はフラッグシップともいえるメニューを注文した。

「チキンカツカレー 」

レギュラーサイズも大盛りも同一価格となれば、後者を選択するのは当然であろう。大盛りとは、チキンカツもデカい、カレーの量もすごい。

チキンカツは両手のひらを広げたほどのサイズだ。厚みこそないが、鶏肉らしくジューシー。カレーは辛さはあまり感じさせないが、けっこうスパイシー。千切りキャベツとカレーを攪拌して食すと、また別の世界が現出する。あぁ素晴らしき世界、大きいことはいいことだ。

景気とは所詮のこと”気”の問題であるという。気分など、下を向けば向くほど下降するものなのだ。空でもよし、元気出していこうではないか。

長野市「Cafe Restaurant Oiseau bleu」アカとほのかなピンク色


Cafe Restaurant Oiseau bleu
場所 長野県長野市青木島町大塚145-1 [地図はこちら
電話 050-5597-2078
駐車場 あり

〇〇主義

“主義”という言葉は誠に便利な用語であると思う。口にするだけでインテリゲンツィアっぽい響きがするし、なんとなく難しい言葉づかいに聞こえるから格好もつく。アタマに◯◯と加えてしまえば意味などなくても通じてしまう。人によっては
「それがオレの主義だから」
と、言い放つものもいる。私の父親など、酔っ払うとしょっちゅう連呼していた。

とはいえ、そのような用法もあながち間違いではない。”主義”はそのまま”考え方”や”ルール”あるいは”システム”と言い換えてしまった方が分かりやすい。たとえば近代主義(モダニズム)とは過去にあった様式やしがらみに囚われない、近代的合理的な”考え方”、”ルール”、”システム”とすれば理解しやすい。難しく言わずともわが父親は
「それがオレの考え方だから」
とでもいっておけばよかったのだ。

共産主義

共産主義ほどよいものはない。
プロレタリアートの息子だから余計とそうなるのだが、これほどよい”考え方”はないだろう。
「財産の一部、あるいは全部を共同所有することで平等な社会を目指す」
というくらいの意味だろうか。
いつも書いているように、私ほどわがままで欲張りな者は他にいないから、”財産の一部、あるいは全部を共同所有”される事には甚だ抵抗はある。そうでなくとも稼ぎが薄くて困っているのだ。

とはいえ、強きものが弱きものを守るのは当たり前、親が子を守り育むのは当然のことであろう。すなわち共産主義とは”究極の福祉”を造り上げるのが目的なのだ。誰しも自分のこと”だけ”を考えているものはいない。家族、友人、知人、職場、下請けさんその他様々な人物と助け合い、支え合ってこそ社会は成立し、よりよい方向へと互いを導く。左右の別なく、これがごく当たり前の姿であろう。

主義者宣言

だから私のことを”共産主義者”と呼んでもらって支障はないし、否定するつもりもない。もっとも”一部、あるいは全部を共同所有”するほどの財産も稼ぎもない。自民党は大嫌いだが、共産党にも入らない、赤旗を配る気もないから誘わないように。”アカ”といってもらってもよいが、実際には”ほのかなピンク”といったところだし、簡単に立ち上がることも出来ないからあまり期待しないようにお願いする次第だ。

「Cafe Restaurant Oiseau bleu」

青木島おいしい広場の一画にあるカフェレストランだ。”オワゾーブルー”と読むそうだが、意味など知るよしもない。以前、幾度かスイーツを食べに来たことがある。白が基調のさっぱりとしたインテリアが心地よい。これで昼間で陽光と風がほどよく入ってきていたら最高の空間なのだが。いざ歌えインターナショナル!飢えたるものよ、晩餐を屠るべし。

「ローストビーフプレート」

木製の盆の上にメイン料理のほか、様々な料理をのせた華やかなプレートメニューだ。ビーフやチキン、ハンバーグなどがあるが今回はローストビーフとする。

レタスやパプリカ、紫キャベツなどのグリーンサラダやポテトサラダ、小さなグラタンにローストビーフ。ここにパンかご飯が搭載される。当初はご飯にしてローストビーフ丼ときめこもうかとも思っていたが、プレートの構成からしてパンの方が望ましいだろう。

軽くトーストされたパンに、ほのかなピンク色のローストビーフをさらりとのせて口にすると、気分はまるでブルジョワジーだ。パンがなければケーキをいただいたら?

「あいつはアカだ」

という罵倒を生で聞いたことがある。以前、勤務していた会社の社長が言い放った言葉だ。彼にしてみれば、イデオロギー云々というよりも単に”狡賢いヤツ”くらいの意味だったのだろうが、私くらいの世代の者が、ほぼ平成になろうかという時代のことだから、極めてレアな体験といってよいだろう。羨ましがってもらえるかどうかは定かではないが。

上田市「LB cafe」パンケーキ・ホットケーキ


LB cafe
場所 長野県上田下之郷乙658-2 [地図はこちら
電話 不明
駐車場 あり

苦手なもの

誰にでも苦手なものはある、私にも当然ある。…いやいや、正確には
「私”のようないい加減なオヤジ”にも”特に苦手なものは”当然ある」
ではあるのだが。とにかくたくさんありすぎて、何が何やらわからん状態ではあるのだが、中でも”特に””特に””特に””特に””特に”と超大盛り”特に”レベルにあるのが英語だ。関係代名詞とやらが登場したあたりからまるっきりついていけなくなってしまった。高校のテストで
I do not understand English.Because English is not Japanese.
と書いたら先生からケツが割れるほど怒られたのは美しい思い出だ。

誤訳

そんな英語音痴の私でも、明らかな誤訳だよな。というものがある。かつてKING CRIMSONの「21st Century Schizoid Man」を「21世紀の精神異常者」としていたがあれは絶対に違うよなぁ。インパクトはすげーが。だからといって現在の「21世紀のスキツォイドマン」はダサすぎる。市川悦史の「21馬鹿」が核心をついているような気もするがよくわからない。

ジョン・ウエイン

「ブラニガン」(1975)という映画がある。
ジョン・ウエイン最晩年の主演作、西部劇ではなく刑事アクションものだ。ニューヨーク市警の刑事が悪人を捕まえにロンドンで大暴れするという作品だが、途中で「両面を焼いた目玉焼きにカリカリのベーコン。それとホットケーキをどっさり」というスーパーは誤訳だろう。ジョン・ウエインがホットケーキなんて和製英語を使うわけがない。と、40年経過した今でも気になってならない。

「LBcafe」

上田 長野大学前にあるおしゃれカフェだ。以前はケーキ屋さんだったというがよくわからない。現在もケーキもある、サンドイッチなども扱われているようだ。道沿いの大きな開口部からは、長野大学の様子がよくわかる。

「パンケーキランチプレート&スープセット」

目玉焼きをのせたパンケーキにソーセージ、サラダのプレートにスープとドリンクまでついてくる豪華版ランチである。

目玉焼きは半熟だからよし。パンケーキはほわほわ、これをリコッタチーズのパンケーキというのか。あまりチーズっぽくないから違うのかな。

ソーセージは粗挽きでぷりぷり。色鮮やかなサラダのドレッシングはイチゴ入りという、じつにおしゃれな一品だ。スープはビーフシチューを選択したが、牛肉ゴロゴロで驚いた。分厚いマグカップにたっぷりのコーヒーうまし。もう少し熱い方がいいなぁ。

ホットケーキとパンケーキ

“ホットケーキ”はどうやら和製英語らしい、というのはわかるのだが、パンケーキとの関連性がわからない。パンケーキが日本に入って来た際に変わったものか、はたまたまったく違うものなのか。ご教示いただける方はいないだろうか。

上田市「小さなパン屋 ココノカ」可愛らしい素敵なパン屋さん


小さなパン屋 ココノカ
場所 長野県上田市塩川600-10 [地図はこちら
駐車場 あり

宮脇檀

私の師匠筋に宮脇檀という建築家がいる。…といっても学校の先生が彼の孫弟子にあたる方で、実際にお行き会いした事はなく著書をほぼ読破し、講演会に幾度か行かせていただいた程度という、かなり無理やりな”筋ではあるが。彼の作品と出会って建築を目指したのだから、そういう事にさせておいてもらいたい。

様々な作品を手掛けたが、主に住宅それも都市に建つ小規模な住まいづくりを主戦場とした建築家だった。卓越したアイデアをハイセンスなデザインとユーモアで住宅を造り上げる。住宅のうまい作家はたくさんいるが、「住みたい」と真剣に思わされる作家はこの方以外にいない。

houseとhome

その宮脇が引き渡しの際に、施主に対して必ず言う言葉があったのだそうだ。それは
「われわれが造り上げることが出来るのはhouceでしかありません。homeを造るのはあなた方しか出来ません。」
であったという。houceとは住宅本体そのものを、homeとは家庭を指す。住まいとは建築だけで完結はしない。そこに住み、家庭を育むことで完成するのだ。どのような大建築家であろうと、名棟梁であろうと造る事が出来るのは器でしかなく、そこから先は住まい手の努力するしかないのだ。という事となる。まことに深い言葉であると思う。われわれの力など小さなものなのだ。所詮はお手伝いでしかない。この事を常に胸に日々住まいを造り続けている。

私が建築の仕事を始めてから30年を超えた。
これまで携わった住宅はいったい何軒になるだろう。大きなマンション建設から、ごく小規模な改装まであわせて1,000くらいにはなるのではないか。どの家も大事に大切に使っていただいている。そして何よりの幸せは、私の想定以上の使い方をして下さっているお宅と再会することだ。先の言葉が実現したようで、望外の喜びとしか言いようがない。

「小さなパン屋 ココノカ」

この2月4日にオープンされたばかりのパン屋さんである。旧丸子町の住宅を改装した店舗は、名の通りとても小さな空間しかない。しかし、こちらで扱われる品の多様性がすごい。食パン、ベーグル、マルチシリアル、調理パンなどのパン類はもとより、ケーキやキッシュといったものまである。毎度のだが、凄まじい目移り症状に見舞われてしまう。毎度の事だが、迷いに迷って以下を購入した。

「タマゴサンド」

細身ではあるが、ふかふかで表面がパリッと仕上げられたコッペパンと、とろとろタマゴサラダとの幸せな出会い。こういうパン好きだなぁ。あまりマヨネーズが効いていないのもよい。

「キッシュ」

キッシュといえば、欧風玉子焼きというようなイメージを持っていたのだが、こちらのキッシュはブロッコリーをはじめとした様々な野菜類と、ゴロゴロのベーコンとが大量にはいった豪華版である。美味い美味い美味い。ホールで食べたい。可愛らしいサイズではあるが、けっこうなボリュームだ。家内はこれひとつでお腹いっぱいとなってしまったそうだ。

その他、いくつか購入したのだがまだ食べていないのでレポートはおいおいと行わせていただく。

じつはこちらの店舗は、私が手掛けたさせていただいたものなのだ。”手掛けた”といっても、ご要望を伺って図面にしたところまでだから、貢献度からすれば数パーセントといったところだろう。とはいえ、このようにかたちになっただけではなく様々なパンが、…そして大変美味しいパンが美しく並んだ姿は、私の想像を遥かに上回った、最上の空間となりえていた。素晴らしい。

とても小さくて、月に9日間しか出会えないパン屋さんだが、とてつもない幸福感と美味しさに溢れている。ぜひ皆さんもお試しください。

東御市「ぷくぷく食堂」出会い、そしてまたマンガ盛りとの…


ぷくぷく食堂
場所 長野県東御市加沢1448-18 [地図はこちら
電話 0268-64-0625
駐車場 あり

前段

人間はひとりでは生きていけない。
家族・親戚・友人・知人・仕事など様々な関係のものたち相互に支え合い、もたれあった上でないとそこに立っている事すらできない。長い年月を孤島で過ごしたロビンソン・クルーソーですら、唯一残された聖書と接する事で信仰に目覚め、神と対峙し、間接的に人間との関係を保てていた事で38年もの間ひとり過ごすことができたのだ。ちなみに、途中で登場するフライデーは神を知らぬ未開のもの、すなわち人あつかいされていないのだ。

出会い

したがって、人間にとって最も重要なことは”出会い”であると断言して差し支えなかろう。念のため申し添えておくが、”出会い系”ではない。人との出会い、場との出会いそのものが人を育み大きくするのだ。そして今日も出会いを求め、書を捨て街へ繰り出すのだ。

東御市

東御市という地は、地味な街と受け取られる事が多いと思う。かくいう私自身がそのようなイメージを持っていた。ところが、接してみるとこれが見どころのある地なのだ。雄大な湯の丸高原あり、雅な海野宿あり。旧北御牧村の「梅野記念絵画館・ふれあい館」は小さいながら見応えのある施設だ。こちら在住であった梅野満雄氏のコレクションが主な収蔵品となっていて、青木繁の作品が展示されている。名作「海の幸」の実物大レプリカなど、とてつもない迫力に満ちている。

雷電爲右エ門

そして東御市といえば雷電爲右エ門であろう。江戸中期、明和から文政という爛熟の時代を駆け抜けた名力士の生涯は、異国船の来訪やシーボルト事件など、そのまま幕府崩壊への道行へと直結する。その辺りを描いた雷電の評伝はないか。喜んで読んでしまうのだが。先だって、その雷電為右衛門の生家とされている地から2キロほど行った先にある食堂にお邪魔したのだが、とても気持ちよく、美味しい出会いとなった。

「ぷくぷく食堂」

一般の住宅を改装したとおぼしきこちらは、昨年(2019年)10月にオープンしたばかりという。若きご主人のニコニコ顔だけで美味しさが保証されたように感ずる。色紙に手書きのメニューが幾枚も壁に張られている。うどん、カレー、定食もの、スパゲティと様々なメニューが用意されており目移りして敵わない。優柔不断、試行錯誤、そして逡巡の果てにこちらとする。

「肉だんご鍋定食 ご飯大盛り」

日替りメニューとされるコーナーより選択した。冬場(あまり寒くはないが)の鍋というだけで食欲がいや増すようだ。

土鍋に美しく設えられた木綿豆腐、白菜、長ネギ、シメジ、うどんそして大きな肉だんご3点。醤油仕立てのスープはあっさりかつキリッとした味わいだ。生姜の効いた肉だんごが美味い。

マンガ盛り

+100円でご飯を大盛りとしめもらったが、これはまさにマンガ盛りといえる。思わぬ再会に心躍らされたが、いつまで経ってもなくならない。最後はスープをかけてさらさらと流しこんだが、これがまた美味い。

そのほか、隣の方が食べていた「豚生姜焼定食」、同行のものが注文した「麦とろ定食」が美味そうだった。また「ウルトラマン定食」、「大盛山盛りナポリタン」など魅力的なメニューが目白押しだ。これはよい店と出会う事ができた。望外の幸せと言えよう。

山ノ内町「SORA terrace cafe」空の上、雲の中


SORA terrace cafe
場所 長野県下高井郡山ノ内町竜王11700 [地図はこちら]
電話 0269-33-7131
駐車場 あり(ロープウェイ駅前)

行ってみたい場所

誰しも一度は行ってみたい場所があるはずだ。
私の場合は東京 浅草だ。大正年間から昭和6年あたりまで、というしばりはあるが。大正デモクラシーといわれた自由主義的な風が、軍部の台頭・テロの横行から次第にきな臭ささが強くなってくる時代。不安さが増してくればくるほど輝きを増す大衆文化。無声映画の完成、エノケン・ロッパによる浅草オペラ。渡辺篤の舞台なんてどうしても観てみたい!!!

おっとっと
取り乱してしまった。行きたい場所ではあるが、行けるわけもない場所でもある。大変失礼した。ではクフ王のピラミッド、イースター島、ナスカの地上絵巡りもよい。人類史上最大の謎をめぐることによって、エーリッヒ・フォン・デニケンの与太話をリアルに感ずるツアーなんてのもよい。

どうにも、真面目な展開にならないというか、なぜ私はマニアックな方向へと進んでしまうのだろうか。

一度でよいから雲海を見てみたい。もくもくの雲上で優雅に過ごしてみたい。というのが以前からの家内の願いであった。では装備を整えて、山に行こう。富士山なら五合目までは車でいけるし、山小屋で一泊する予定なら割と楽に登頂できるらしい。とはいえ山をなめてはいけない。友人のだれそれをトレッキングコーチにして。などという事にも間違ってもならないので、どうしようかと思案していたら、ちょうどよい場所を見つけた。

「竜王スキーパーク」

北志賀高原最大規模のスキー場である。166人乗りのロープウェイ、13基のリフト、数十のゲレンデを要する巨大スキー場だが、シーズンオフには中腹で雲海をみることが出来るという。ただし、確率は64.3%(2018年実績)だから確実に出会えるとは限らない、行ってみなければわからない。日常的な行いのよい私にはすこし不安があるが、まぁ行ってみよう。

かんかん照りの焦げつくような陽気の中、巨大ロープウェイに乗ること8分。竜王スキーパークの中腹にたどり着く。下界からは想像出来ないほど涼しい。17〜8℃とのことだ。空の上はじつに具合がよい。…よいのだが周囲は霧の中、いや雲の中だ。時折陽が差すことがあり、絶景が垣間見える時もあるが、雲海とは言い難い。しばらく待ってみよう。

「SORA terrace cafe」

ロープウェイと各リフトを中継する施設である。土産ものコーナーやカフェテリアとなっている。ランチ兼時間つぶしとしよう。

「高原野菜のタコライス」1200円

ご飯の上にレタス、刻んだアボカド、トマト、ひき肉の入ったチリソース、ドレッシングが彩りよく配されている。たくさんの野菜類が美味い。チリソースはけっこう辛いが、これくらいの方が他を引き立ててくれると思う。

食後もなお雲の中だった。諦めきれず、屋外テラスのソファで数時間すごしたが結局雲海は現れず仕舞いであった。しかし、下界の暑熱を忘れひたすらぼーっとしているのも、これはこれで贅沢な時間なのかもしれない。きてよかった。

2020年中越〜上越への(どうということはない)旅


鮨岡
場所 新潟県南魚沼市寺尾243 [地図はこちら
電話 025-776-2485

発端

今となっては誰も信じてくれないのだが、私はじつのところ人見知りなのだ。引きこもりとまではいかないが、初めてお行き会いする人とはロクに話ができない、基本的に引っ込み思案な性質で、コミュニケーション障害といっても支障はないレベルと言い切ってしまおう。
若いころは一人で行くことが出来るのは、本屋と図書館、映画館それとレンタルビデオ屋くらいなもので、ライブハウスになど親しい友人を伴ってでしか行ったことがない。アイツもコイツもよく、あんなマイナーなミュージシャンのLIVEにつきあってくれたものだ、みんないいヤツだった。もちろん、現在でもいいヤツである事には変わりはない。

無論のこと

現在でも変わりはない。
本当は自宅にこもってテレビやDVDで映画を観たり、読書をしたりと静々やっているのを好んでいるものだ。ところが、年齢を重ねるうちに、経験が積まれるうちにだんだんと図々しくなる、周囲もそれなりに扱ってくれるようになるうちに、もともと強くもっていた好奇心、いやもの好きな根性がムクムクともたげ上がり、残りの人生大した長さじゃないのだから、この際世界を広げてしまえと、いろいろ動き回らせていただいている。
しつこいようだが、社交的だね、人懐っこいね。と言われるようになったり、まったく知らない人と普通に会話したり、ご飯食べに行ったり飲みに行ったりできるようになったのはここ数年のことだ。もちろん、内心ドキドキしているのだがみなさんいい人ばかりなので、安心しておつきあいさせてもらっている。どうもありがとうございます。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

旅立ち

上越にお住まいの方から遊びにこい。
と誘われたのは今年に入ってからだ。その方とは何度かお電話でお話しした程度のおつきあいで、実際に会ったのは昨年末に一度だけ。とはいえ、なかなかインパクトのある方だったので、また会ってみたいなと思っていたのだ。直江津まで一般道でいっても2時間弱、佐久へ行くのとさしたる違いはない。ちょうど休みでもある、では行きましょう。という事で出発だ。

予定を調整したら夕方落ち合う事となった。お互い仕事を持つ身だし、子どもではないのだ。それは致し方のない事だし、そもそも私自身は定休なのでなんらの問題もない。とはいえ、昼間は何もすることがない。せっかくの機会だ、寄り道をしていこう。寄り道といっても上越の施設は、うみぼたるを始め、ある程度は行ってしまっている。それにいつでも行けるではないか。という事で別の場所を検討する。

より道

南魚沼市という場所は東京時代にスキーで訪れた事がある。それ以来だから何十年ぶりだろうか。こちらに素敵な海鮮丼を食べさせてくれる寿司屋さんがあると聞いた。寄り道するならこういうところであろうと決定する。
当然、赴くはランチタイムである。自宅を9:30ころ出発、中野、飯山を抜けて十日町市を経由という2時間ほどの行程となる。有数の豪雪地を行くわけだから少し心配だったが、どうという事はなく安心・快適に過ごすことができた。
お邪魔したのは寺尾という、上越線 五日町駅にごく近い地域だ。ほどほどに田舎、ほどほどに街中といった風情の、のんびりしたよい場所だ。

「鮨岡」

カウンターと座敷のある、個人の寿司屋としてはけっこうなサイズの店舗だ。11:30開店のはずだが、すでに5〜6組のお客様がいる、評判のお店のようだ。ランチタイムは一種のみ、訊ねられるのは酢飯の量だけだ。

「本気丼」1200円

本気と書いて”マジ”と読む。と、どこかで書かれていたが店内にはとくに記載はなかった。しかし”マジ丼”の方がどう考えても面白いだろう。デカ盛りで有名なこのメニューは酢飯の量にして
大 2.0合
中 1.5合
並 1.0合
小 0.5合
であるという。価格はどれも変わらない。ビビった私は中を選択する。
5分ほどで本気丼中が登場。惣菜用の皿に盛られた姿は、中ですら南魚沼をイメージさせられるような”山”である。

「雑」と表現しては失礼かもしれないが、「美しい盛りつけ」とは概念からして備わっていない。そんなもの知ったこっちゃないと言わんばかりのフォルムはまさしく”マジ”な気合いがビンビンと伝わってくる。オレはこういうのが食べたかったのだ。

マグロ、サーモン、ベビーホタテ、イカ、いくら、ネギトロ、タコ、玉子焼き、カマボコ、クラゲなどが急な斜面に折り重なるように貼り付けられている。どれもこれも分厚く、高鮮度で脂たっぷり。途方もないスケールでなかなか酢飯に行きつかない。ほとんど発掘調査だ。しばらく掘り下げていくとキュウリ、生ホタテ、ゆで海老に千切りの山芋まで登場するから嬉しくてたまらない。

会計時、女将さんに長野から来たといったらものすごく喜んでくれたので、とても美味しかった、またお邪魔しますとご挨拶して店を出る。

上越へ

さぁ直江津へ向かうぞ。よく調べてみたら、自宅から大町、穂高経由で諏訪に行き、そこから須坂へ。という行き方みたいなものだと気づいたが今さら遅い。再度十日町に戻り、山中を1.5時間ほど行く。降雪時であればさぞや大変であろう。
少し早く到着したので、市内をぐるぐる回ってみる。高田公園にある上越市立歴史博物館に行ったり、直江津港をみたりしてようやく、高田と直江津ふたつの街で構成されているというのがわかる。土地勘のない街だから、なんとなく嬉しい。

約束の時間となり、先方と行き会ったが仕事の都合が出来てしまい、あまり時間が取れなくなったという。それは仕方のないこと、また出向けばよいのだ。それでも1時間ほど話をする事ができ、上越の食情報もいくつか得られた。こういうディテールは地元の方に聞かないとならぬ。今後の楽しみが出来た。

以上、旅というほどでもなし、計画というでもなし。なんでもなくフラフラするだけの事だが、こういうのが好きなんだなぁ

 

千曲市「キッチン 土野庫」山の中、美味いもの


キッチン 土野庫
場所 長野県千曲市森2008-1 [地図はこちら
電話 026-214-1226
駐車場 あり

はじめに

UターンであれIターンであれ、新しく移り住むということは困難が伴うものであるという。知人にも1年を経ずして東京に舞い戻ってしまった、というものはひとりやふたりではない。言葉・習慣・お土地柄と要因はさまざまだからなんとも言えないが、合う者は合う、合わない者は合わないそれだけの事だ。

毎度の事だが、私の場合はまったく問題なく溶け込むことが出来たと思う。周囲の方はみな優しかったし、長野だってさほど気にするほど東京との違いは感じなかった。なんだコイツらは?と思わなくもない瞬間はあったが、それはお土地柄というより会社の雰囲気であったり、地域間にある微妙な気質の違いであったりする程度のことだったから別に気にしたことはない。長野に肌があった、ということだろう。

東京生まれ東京育ち、といっても地方をまったく知らないわけではない。千葉県いすみ市は父のルーツの地、父母が幼年期を過ごした地域なので、親戚はいる。したがって山や土とふれた事がないわけではないのだが、千葉の山々と比較して長野の山深さはいまだに驚く事がある。

「キッチン 土野庫」

“つちのこ”と読む。”土の子”とUMAツチノコをかけて名づけられたという。地元でとれた食材にこだわったイタリア料理店だ。友人に伴われ初めてお邪魔したが、思った以上の山中で驚いてしまったが、気持ちのよいマスターと美味しい料理のご機嫌な店であった。

「ジャーサラダ」

ジャー、すなわち蓋のできる容器に詰められたビーツ、くるみ、カシューナッツ、サツマイモ、チーズ、アルファルファ、ミニトマト、赤玉ねぎのマリネ、サニーレタス。皿の上にふわっと出すと美味しいサラダに。これが楽しくて美味しくてボリューミーなのだ。

「自家製メガベーコンステーキ ハーフ」

メインディッシュはこちら。豚の肩ロース肉を用いたベーコンは、燻製っぽさのないさっぱりとした味わいだ。ベーコンステーキというより、表面がパリッと仕上げたポークソテーというか。マスタードをたっぷりと練りつけていただくと、絶品だ。

 

美味かった。しみじみ美味かった。これくらいの山中で驚くなと言われるだろうが、街育ちのモヤシモンはそんなものだ。とはいえ、これほど美味いものがあるのなら、どんなところでも行ってしまおう。あぁ長野はよいところ、長野の山は素晴らしい。

吾妻郡嬬恋村「万両寿司」初めてのロケ弁


「万両寿司」
場所 群馬県吾妻郡嬬恋村大笹130-1  [地図はこちら
電話 0279-96-0706

オファー

日頃から懇意にして頂いている方からオファーをうけた。その方は著名なシナリオライター・映画監督なのだが、彼が関わった映画に出演しないかという。
出演といってもエキストラではあるが。ロケ地近在の知人・友人をかき集めエキストラとして使う、などというのは近年の映画撮影ではザラにある風景だと聞いた。まして、今回のような超低予算映画では当然だ。

愛妻の丘

朝8:00に集合。場所は群馬県嬬恋村にある「愛妻の丘」である。”妻を恋う村”、”愛妻家の聖地”嬬恋村で”妻との時間をつくる”というコンセプトで造成された場所だ。こちらで「キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ」なるイベントを毎年9月に開催しているそうだ。
ここで撮影するのは婚活パーティーの場面である。愛妻の丘でパートナーを見つける、というのはしゃれていてよいのだが、とにかく寒い。開始時は日が出てきて暖かだったのだが、10:00すぎくらいから雲が出始めると一気に気温が下がり、雪まで舞ってきた。寒い、とにかく寒い。下着類をたっぷりと着込んできたし、カイロも支給されたがそれでも足りずにガタガタと震える始末であった。そんな状況下で「いやだ」とも「帰りたい」とも思わずに、むしろ熱心に参加していられたのは他でもない、プロフェッショナルたちの熱気、俳優陣の力量をたっぷり見せてもらえたからである。

プロフェッショナルたち

わずかなシーン、…というのは私が感じているだけだろう。ほんの少しの場面をこだわって作りあげていく。俳優たちのもっともよい瞬間を映しこむべく最大限の努力を払っていく。クリエイターには重要でない場面などないのだ。
そして俳優陣のすごみ。私が接したのはコメディリリーフともいえる役を演じた方であった。失礼な言い方だが、決して名の知られた方ではないが、その演技力、声の質、大きさ、表情、ちょっとしたしぐさなど半端でない説得力に圧倒されてしまった。

ひと通り作業が済み、あと少し撮影せねばならない場面があるがここらで休憩兼ねて昼食にしよう。ということでお弁当をいただく。あゝこれがロケ弁か。

「ロケ弁」

ロケ弁といって、よく聞くのが”冷え切ったお弁当を食べるのが辛くてならない”という苦情である。ずいぶん昔だがある女流作家(たぶん有吉佐和子、古いね)が延々とその不味さを嘆いた文章を読んだ事があるが、いったいどのようなものだろうか?そもそも現場で用意するものだろうから、これといって型があるものではないだろう。と、様々な想いを胸に手に取ると、これがほんのり暖かくじつに美味そうだ。近在にある「万両」というお寿司屋さんで用意されたもののようだ。

プラスチックのケースにゴマと梅漬けの配された白いご飯と惣菜類。玉ねぎがたくさん入った豚焼肉、シュウマイ、春巻といったやや中華に偏った惣菜がメインで、その他にキュウリの漬け物(Qちゃんっぽい)とほうれん草のおひたし、あみの佃煮といったシンプルな構成だ。

どこにでもあるお弁当、お母さんが冷蔵庫の中にあるもので、サッと作ったという風情だ。決して高いものではないだろう。しかしこの暖かさ、温度しかり見た目しかり。この多忙でとてつもなく寒い中、用意してくださったスタッフさんの気づかいがとても嬉しくて、あっという間に食べ尽くしてしまう。

出番の終わり

昼食後、撮影再開。これは少しの間で終わってしまう。エキストラはこれで放免となったが、撮影はまだもうしばらく続く。
「たぶん夜中までかかるのではないか」
という。この環境でこの集中力。正直なところ、もっといい加減な中で撮影しているものだと思っていた自分が恥ずかしくてならない。プロフェッショナルな現場に接することのできた、とても幸せなひと時であった。

新潟市「農園のカフェ厨房 トネリコ」新潟平野の真ん中で


農園のカフェ厨房 トネリコ
場所 新潟県新潟市西蒲区下山1320-1 そら野テラス [地図はこちら]
電話 0256-78-7515
駐車場 あり

イントロ

生まれ育ちは東京だが、20年も長野にいると、すっかりこちら向きの仕様となってしまっている。まずは言葉。伊藤理佐に言わせると、信州言葉は「ほぼ標準語」という。たしかに、標準語ネイティブにとっては首肯するものなのだが、どっぷり入り込むとなかなか濃度の高い世界があるようで、いつぞや東京の姪と会ったとき
「いったいどこの国の人?」
と、真顔で言われてしまった。それほど信州ディープにはまり込んでしまったのか。

次に信州といえば山。眼前に夏は緑、冬は真白な壁がないと、どことなく落ち着かない。そして山があるということは、高低差の激しい地域、坂道だらけの土地であることだ。率直なところ山道・坂道など、体力を消耗するから大嫌いなのだが、歩くにせよ運転するにせよ、ある程度上がったり下がったりしていないと、妙な気分になる。

新潟

この度、新潟にご縁ができたので、頻繁に通うこととなる。といっても移住するわけではない。年に数回、行ったり来たりする程度なのだが、頻度は別としてご挨拶を欠かしてはならないだろう。という事で新潟の数少ない知人である、お二人のマダムをお誘いしてランチとする。

とはいえ、どこで?と問われると土地勘のない者の哀しさよ。まったくわからないのでお任せしてしまう。誠に図々しい限りだがこればかりは仕方がない。そしていろいろ検討した結果連れて行ってもらったのがこちら

「そら野テラス」

こちらはワイエスアグリプラントという農業法人が運営されている農園、マルシェ(農産物直売所)、デリカ(手づくり惣菜のテイクアウトコーナー)、カフェなどが併設されている施設である。お邪魔したときも、いちご狩りのお客様で賑わっていた。

「農園のカフェ厨房 トネリコ」

ランチにお邪魔したのはこのカフェである。中に入ると大きな開口部があり、田園風景がどーんと眺められる。これぞ新潟平野!というロケーションである。ああ、こういう光景を忘れていた。おれはすっかり信州人となってしまった。
いただいたのは「本日のトネリコランチ」と冠されたメニュー。肉と魚の二種が用意されている。

「鰆と春野菜のトマト味噌煮」1188円

お魚ランチを選択。基本、肉食動物だからたまには魚といこう。カフェらしく、迫力たっぷりのメインに副菜類が華を添える、という展開だ。副菜も日替わりらしく、

・ひじきとツナの煮物

・切り干し大根の中華風和え物

これにお漬物、味噌汁、ごはんそしてメイン料理という豪華版ランチ。しかもごはんがおかわり自由というのだから嬉しくてたまらない。

そしてメインである。

メイン料理

大きな鰆の切り身と野菜類、じゃがいも、やらキノコやらがたくさんをトマトで煮込んだ、「お母さんがちょっと気取って作った」然とした料理である。じつにけっこうけっこう。普通に美味いお惣菜であった。

「プチスイーツセット」162円

そしてデザートはこちら。白玉ときな粉のムースである。そもそも粒あんというだけで満足なのに、白玉がついている。きな粉のムースの存在感がまた素晴らしい。ということであっという間に食べ尽くす。

ということで楽しいランチは続く。
田園風景とはいえ、田植え前ゆえに、あまり見栄えしない光景ではあったが、これが最盛期なら素晴らしいだろう。時期を見てまたこなければ。