長野市「やきにく屋さん HABUKIYA」はぶいてHABUいて最強コンビ


HABUKIYA
場所 長野県長野市川中島町御厨2414-1 [地図はこちら]
電話 026-214-6928
駐車場 あり

「省く」

とは省略する。必要なものを取り除く、やめる。そんなような意味である。余計なものを購入するのをやめて、あるいは捨てて財政やスペースにゆとりを作る。緊縮財政の基本ではあるが、あまりやり過ぎるとマクロ的によい結果にはつながらない、とされている。わが家計も大変な状況なのだが、ランチ廻りはやめられないのでどうしたらよいものか。とりあえず、人間関係はうまくいっているので逆に省かれないよう努力せねばならぬ。

HABUKIYA

いったい何のこっちゃ?という感じであろうが、今回は「HABUKIYA」なのである。こちらは「省き屋」からつけたネーミングなのだそうだ。材料、流通、問屋、人件費に至るまで余計なものを省いて美味しいものを作る、美味い肉を提供するというコンセプトで設立されたのだという。たしかに安いし美味い。いつも混雑しているので、昼を少し過ぎた、空いている時間帯にお邪魔することとしている。

こちらの大将は通常の焼き方では
「高温すぎる、だから煙もでる」
と主張する。よい肉はそんなにカッカと焼かなくともよいのだ、とする。「光グリル」という特殊な機材を用いて焼く肉は美味い。…美味いのだが、昼からビールも飲まずにチマチマ焼くのは性に合わない。まことにワガママな事で恐縮だが、そんな者のために「焼かないメニュー」も用意されているのが、この店のプリティなところと言えよう。

「コンビ定食 200」1290円

ステーキとハンバーグ 最近コンビ!と冠される、夢のようなメニューである。タイトル後の150・200なる数字はステーキの重量であるという。ではハンバーグはどれほどあるの?と訊ねると330gあるとの事だ。おいおい、大丈夫か?おれ?

登場した丸皿は「御家庭用」という名称がぴったりな色柄である。そういえば実家にこんな皿があったなぁ、そんな印象をうける昭和柄でもある。
皿上は肉・肉そのまた肉というミートパラダイスだ。半分にはフライドガーリックののったステーキ、半分には巨大なハンバーグで覆われている。双方とも、塩コショウ・醤油といった程度のシンプルな味付けである。

「お好みで七味をどうぞ」
と、八幡屋礒五郎を差し出されたが、これで十分うまい。ステーキには脂身がしっかり、ハンバーグは肉汁たっぷり。黒のみの、極めて愛想のないビジュアルではあるが、その実これほど豊穣なる世界はほかにない。省いた末に行き着いた先がここであれば、緊縮も悪くはないと考える。

ということで満足しきって食べ終わる。次回こそゆっくりとビール片手に食べ放題といきたいものだ。

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小諸市「ステーキレストラン菱屋海賊船」そして合格祝いの思い出


【お店のデータ】
ステーキレストラン菱屋海賊船
場所 長野県小諸市大字御影新田2746-1 [地図はこちら]
電話 0267-22-2793
URL http://kaizoku.asia/
営業時間 11:30~22:00 L.O
定休日 月曜日
駐車場 あり

『ステーキ屋』という響きに郷愁を感ずるものである。
ステーキ、いや牛肉なるものと縁の少なかった幼少時代。『高校に受かったらステーキ喰いに連れてってやる』といった友人Tの父と共に伴われて入った銀座のステーキハウスが忘れられない。名こそ失念したが、とても豪華な店だった。

『好きなだけ食べてよい』
というおじさんの言葉に甘え、盛大に食べた食べた。飯も肉もお代わりし、それでも不足と言ったら前菜の盛り合わせと丼メシが登場したのには驚いた。デザートの生ハムメロン、そして銀の盆のあやしい輝きが、大人の世界を垣間見てしまったような気がして、どことなく居心地悪くも感じた。

銀座といい店構えといい、中学生を同行してよい場所ではない。
そもそもTも私も祝ってもらえるほどの高校に合格した訳ではないのだ。とはいえ、息子とその悪友2人の門出を心底喜んでくれたおじさんの笑顔が、涙が出るほど懐かしくてたまらない。

Tによるとまだお元気だという。わが両親より5歳は下だからまだ70代だ。一度お目にかからなければ、と考えてはいるがこちらは長野、Tは静岡、おじさんは東京と離れ離れの状態ゆえになかなか実現出来ないのが口惜しくてならない。

なぜこんな事を言い出したのかというと、今回お邪魔した場所がおじさんに連れて行ってもらったお店に、どことなく似ていたからだ。木製品をあしらったマホガニーの内装と、うっすら漂う油の香り、少々古びてはいるがお金のかかった豪華な洋食屋という風情が共通している。

「ステーキレストラン菱屋海賊船」

佐久と小諸を結ぶ国道141号線沿いにあるこちらは、『海賊船』というネーミングや、古びた洋食屋ということもあり、気にはなっていた存在である。長野への帰り際に通り掛かったので、では入ってみようとお邪魔した次第である。

内部は『いかにも昔の洋食屋』である。
初めて入ったが懐かしい風がして気に入った。日曜でもランチがあるそうだ。どれも美味そうで、目移りがしてならない。

『グリルチキン ベーコン添え』

ステーキハウスでビフテキ(あえて懐かしい表記とした)食べないのは無粋としか言いようがない。と謗られても仕方ない。現在ダイエット中ゆえその辺はご勘弁頂きたい。
熱せられた鉄板の上で、ばちばちと弾ける肉塊は、塩コショウのみで焼かれているとのことだ。それだけでも十分美味しいが、好みでソースを使ってもよい。と、ウエイトレスのおばちゃんが丁寧に教えてくれる。

ナイフを立てると『ふゃッ』という、ほとんど手ごたえもないほど柔らかく切れる。箸でもよいくらいの柔らかさだ。なかなか出会えない優雅な仕上がりである。しょう油仕立てのソースとの相性も抜群である。

つけあわせはニンジンのグラッセ、茹でたインゲン、ベイクドポテトという、ステーキにはこれ、という組み合わせのもの。「ニンジンのグラッセ」などというしゃれた名を覚えたのはごく最近のことだ。妙な甘さが懐かしい。インゲンも同様だ。ポテトは少し冷め塩梅で食べづらいが、このくらいの温度でないと食べられない。

ランチタイムはソフトドリンクかスープがつくというのでコーンスープを注文。これも熱々で優しい味わいだった。

早いところおじさんに会いにいかねばならぬ。年齢からして、まだまだ長生きしてくれるとは思うが、世の中なにがあるかわからない。Tの結婚式でお目にかかったのが最後だから、もう15年になる。近々、Tに電話してみるか。


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長野市「牛若」ステーキ、その悠々たる多幸感について


【お店のデータ】
牛若
場所:長野県長野市篠ノ井会54-3 [地図はこちら]
電話:026-293-8929
営業時間:《ランチタイム》11:30~13:30(L.O)《ディナータイム》17:00~22:00(L.O.21:30)土日祝日もランチ営業
定休日:火曜日

きのう何食べた?」なる漫画をご存知だろうか。
映画化された「大奥」などを著した、よしながふみの作品である。コミックモーニング誌に月一回連載という、じつに悠々たる姿勢で描かれている。

『悠々たる』とは言ったが、内容はというと中年のゲイカップル、几帳面で内向的な弁護士と人当たりのよい開けっぴろげな美容師。まったく正反対な二人がの生活を淡々と描いただけのものである。
派手なストーリー展開はほぼない。しかし二人の仕事や、彼らを巡る人間模様、あるいはゲイに関する諸事情、カミングアウトの是非、両親や兄弟姉妹、職場との向き合い方などシビアな問題はきちんと扱われる。
そして何より重要なのが、主人公の調理シーン。毎回かなりのページを費やして語られるのは、ほとんどレシピ本同然に詳細に描写し尽くされ、かつ各回のストーリーに密接に関わっている。

二人がステーキを食べる、という回がある。
何話目のことかは失念したが、到来物の高級牛肉を苦労しながら、胃もたれしつつも『肉を喰らう多幸感』に浸り切るというお話である。

われわれの子どものころと違い、近年では冷凍技術は発達し、関税が緩和されたりもしているので、輸入状況がよくなっているから、牛肉もずいぶん安くなった。とはいえ、ステーキともなればどことなく「高級」というイメージが払拭出来ないのは貧乏育ちだからか。

昔、新宿二幸(現スタジオALTA)裏にあった小さな洋食屋の店先にあったショーケース。その中に陳列されていたロウ細工のステーキ。楕円の銀皿の上に埃むしながらゴロリと鎮座しているディスプレイモデルの脇には、「ステーキ2000円」の文字。40年前の2000円がどれほどの価値があったかは分からないが、けっこうな高額商品であったことは間違いないだろう。そんなわけだから、ステーキ食べて多幸感に浸るのは中年ゲイカップルだけではないのだ。

そんなわけで今回はステーキである。本当は巨大な鉄板を前にして、というのをいきたいがそんなものが食べられる訳がない。しかし1,000円未満でステーキを食べられると聞き、篠ノ井までいってきた。

「焼肉 牛若」

篠ノ井駅にほど近い旧18号線沿いの小さな焼肉店である。壁面に「牛若」と大書されてはいるが、開口部の少ない外観は、昔ながらの焼肉屋という風情がして好感が持てる。
店先にはランチメニューがぶっきらぼうに掲示されている。この素っ気なさがかえって期待感を高めてくれるのだ。
ランチメニューは
焼肉定食
ステーキ定食
の二種だが、注文はもちろん一択である。

「ステーキ定食」980円

ドリンク(コーヒー・コーラ・カルピス・ウーロン茶・ジンジャーエール・メロンソーダ)
オーストラリア産チルド牛肉150g(特製ソース付)
新潟産コシヒカリ・特製コーンスープ・野菜サラダ

刮目して見よ!この威風堂々たる陣容を。鉄板の上でパチパチと、小気味好い音を立てている肉塊を!生野菜サラダの楚々とした姿を!コーンスープの見るからに滑らかな素肌を!などと、勇ましく語りたくなるようなステキなフォルムである。

肉はやや硬め、ウェルダンというくらいだ。塩コショウは少なめで、ソースで食べると丁度よい作りとなっている。あるいは卓上の天然塩を少し用いるとよいだろう。
ガシガシとナイフ、フォークを繰るのは多幸感を増幅してくれるようで、楽しいのではあるが、正直いうと疲れる。誰か切ってくれないか。高校の同級生Sくんのナイフ使いは一流で、面倒くさがりの私はよく切ってもらっていたものだ。邪道中の邪道なのはよく分かっているが、楽して美味しいのが一番である。あゝSくんがこの場にいてくれればいいのに。


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