松本市「かつはな亭 松本筑摩店」土曜日お仕事ランチタイム

とんかつ

店名 かつはな亭 松本筑摩店
場所 長野県松本市筑摩2丁目17−1
バリアフリー ◯
駐車場 あり

 

仕事が嫌いだ

いや、そんなレベルではない。大嫌いだ。どれくらい嫌いかと言えば、「毎朝仕事に向かうだけで消耗してしまう」レベル。一定期間、ひとつの場所に縛られ、ちまちまちまちまちまちまちまちまと、あれやったりこれやったり、同じような作業を繰り返すのがたまらなく苦手だ。まるで蟻の行列に並べと命じられたかのような、終わりのない単調な反復。そんな日々のなかで、自分のミスでもないのに頭を下げねばならぬ場面などに遭遇すると、「このオレが、なぜそんなことをしなきゃならんのだ」と内心ふつふつと煮えくり返ってしまう

「それが社会人というものだ」「大人としてのふるまいだよ」

そんな理屈は頭では分かっている。いや、それどころか、業務そのものに嫌悪感があるわけではない。むしろ、私は“作業”が好きなのだ。仕事の内容そのものは、案外性に合っているとも言える。だからこそ、こんなカネにならない商売を、好きでもなければ続けていられるはずがない

とはいえ、だからといって

「働きづめ」になりたいとは思わない。私は残業をしない。休みの日はガッツリ休む。仕事のことなど一切考えない。当たり前だ。それこそが、人間として、社会人として、あるべきデフォルトの姿だと私は確信している。寝る間を惜しんで、仕事に没頭するなどという行為は、愚の骨頂であり、野暮の極み。私はそう信じているし、それを堂々と言い切れる

そんな、怠惰を愛する私であるが

なぜか10年に一度くらいの割合で、休みの日に仕事がしたくなる衝動に襲われることがある。これはもう、どう説明していいかわからない。無性に働きたくて仕方がない。もちろん、平日にうまく時間が取れなかったからという理由もあるにはあるが、それだけじゃない。いつもなら「まぁできるときにやればいいさ」と放置してしまうような案件も、そのときばかりは、自ら進んで「やらねば!」という気持ちになるのだ。愚の骨頂、野暮の極みに、わざわざ身を投じたくなるような、そんな奇妙な衝動に駆られる。そして今日、その“その時”がやってきた。正確に言えば、“降ってきた”と言うべきか。空から、ストンと衝動が降ってきてしまった

そして本日は土曜日

いつもならのんびり起きて、だらだらコーヒーを飲んでゴロゴロ布団で過ごすはずだが、平日と同じ時間に出発。まずは現場に寄り、必要な確認。その後は拠点に戻って書類整理。そしてまた外出してお客様との打ち合わせ。そのあと再び拠点に戻り、さらにもう一度外出。そんなことを繰り返していたら、あっという間に時間が過ぎて、気づけばランチタイムとなっていた。さてナニを喰らわんか。周囲を見渡したその瞬間、出会ってしまったのだこの店に

「かつはな亭 松本筑摩店」

とんかつチェーンのひとつ。長野市にも店舗がある。外観も内装も、和を基調とした落ち着いた佇まい。優しい明るさが食欲を自然とそそってくる。心をそっと撫でてくれるような、ちょっとした旅の宿にでも来たような空気感

おおおおお!

驚いたことに、土曜日でもランチメニューがあるじゃないか!しかも、上ロースカツ、ヒレかつ、エビフライ、チキンかつ。そそられるラインナップが並ぶ中で、私が選んだのはこれ

 

「リブロースかつランチ(180g)」1529円

豚にせよ牛にせよ鶏にせよ、私は肉が好きだ。だが恥ずかしながら、部位の名前にはまったく詳しくない。リブロースとはなんぞや?と思い、そっとスマホで検索してみたところ
「豚ロースの一部分で、肩ロースに近いリブ側の部位」
との説明が見つかる。なるほど。つまりロースの中でも、脂の旨みと肉の柔らかさのバランスが取れた、極上部位ということらしい

実際、口に運んでみれば

その美味さに唸る。洋がらしとソースをたっぷりとつけて、ガシガシと喰らう。うん、美味い。脂の入り具合も絶妙。重たすぎず、しかし満足感はしっかりとある。これぞ“ごほうびランチ”という感じ

 

さらに素晴らしいことに

こちらでは味噌汁を「赤出汁」か「豚汁」から選ぶことができる。今回は迷わず豚汁を選んだ。しかも、ご飯、キャベツ、豚汁、いずれもおかわり自由というサービスっぷり。ただし、ご飯まで食べすぎると午後の仕事に差し支える。ここは大人の判断として、ご飯はおかわりせず、キャベツと豚汁で満腹感を補うことにした

腹は満たされ、気持ちは上向き、外は晴れ

普段であればここでテンションが一気に下がり、「まぁ今日はここまでにしておくか」などと思ってしまうところだが、今日の私は違う。10年に一度のやる気満点あげあげモードに突入しているのだ。だからこそ、食後もダラけることなく、颯爽と席を立ち、午後の仕事に向かっていった

 

世の中には

理屈では説明できない衝動がある。その多くは突発的で、不合理で、厄介なものだ。だが時には、その衝動こそが人を突き動かし、なにか新しい流れを生む。今日という一日は、そんな“理由のない働きたい衝動”に突き動かされた、珍しくも清々しい土曜日だった

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