上田市「お城の坂道」魅力の城下町


【お店のデータ】
お城の坂道
場所 長野県上田市大手1-12-23 [地図はこちら]
電話 0268-27-6516
駐車場 あり

上田映劇の始まりと終わり

上田映劇という映画館がある。
上田市中央なる地籍は、昔から大きな歓楽街であったとのことだ。この場所には明治の時代から芝居小屋があり、大正になってから「上田劇場」として建て替えられたとのことだ。
昭和に入り、映画が中心の興行となったため、「上田映画劇場」と改称、それを縮めて「上田映劇」となったのだとか。映画全盛の時代は、大変な混雑だったそうだが、次第に観客は減少、平成に入り定期上映を終了することとなった。

再生

しかし、このまま伝統ある上田映劇をつぶしてはならぬ、という声があがり、映画だけではなく、演劇や落語、トークライブ、クラシックコンサートなどフリースペースとして活用されることになった。また映画も、シネコンにかからないような地味な作品やドキュメンタリーなどを上映する、いわゆる「ミニシアター」としての機能も持つようになった。

その豊穣な空間

大正6年落成という小屋は、決してきれいな施設ではない。あちらこちらはが古びている、清掃は行き届いてはいるが、どうしても「清潔感あふれる」とまではいかない部分がある。当たり前だが、耐震強度も不足しているだろう。
しかし、これがよいのだ。映画「館」というよりも映画「小屋」という風情が、マニア、映画好きにはなんとも言えないほどの良さがある。室内の格天井はおそらく大変高価なものであったと、推察される。さぞや豪華なものだと、持て囃されたのではないか。創業当時の館主、スタッフたちの気合いが今でも匂ってきそうな、豊かな空間なのだ。

上田市街の面白さ

この映画館と出会って以来、上田の街中をふらふらするのが気に入ってしまった。といって2度ほどしか試したことはないが、駅前から袋町などの小径を、あてどなくウロチョロするのが面白い。
城下町だけあって、細かな道が縦横にはしり、迷路のようになった地形は、自分がどこにいるか、一瞬わからなくなるというちょっとしたゲームを体験しているような感覚が起こって、これがまた面白い。

お城の坂道

先述の通り、2回ほどしかあるいていないので、まだまだ発見があるだろう。楽しみ楽しみ。特に楽しみが食事処である。こちらは調査が行き届いていないので、今回は行きつけの「お城の坂道」に参る。

「お城ごちそう小鉢御膳」

野菜たっぷり、なるべく地元の野菜をつかって、その日ごとに変わる主品と小鉢の各種おかずをひとつひとつ手づくりしています。との事だ。本日もいつも通り豊穣なおかずども。全部で7種の惣菜にご飯と味噌汁という、スーパー豪華な御膳である。まずはご馳走小鉢から紹介しよう。

じゃがいもの甘辛煮

という割にはあっさり味つけで美味い。新ジャガらしく、ぷっつりと弾ける皮がなんとも言えない快感となる。

山芋とキュウリの和え物

こちらもとろとろでよろしい。山芋のさくさく感とキュウリのパリパリ感、歯ごたえの違いが楽しめる。

にんじんしりしり

お母さんの手料理そのもの。にんじんの甘さがしっかりとしてとてもよいのだ。

瓜の漬物とサラダ

もはや安定的存在といって過言ではないだろう。なにはさておき、瓜が美味い美味い。

味噌汁とご飯

味噌汁の具材あおさと豆腐で大感激。あおさはざっとした刻み方だから歯ごたえよくてよし。ご飯はいつも炊きたてで、熱く甘みがよろしい。おかわり自由というのが泣ける。そしてメインディッシュである。

丸茄子のしぎ焼きおよび油味噌

野菜好き、なす好きにとってこれほどの幸せはない。双方とも、なすと味噌を用いた料理でありながら、これほどくっきりとした違いを魅せてくれるとは。しぎ焼きは、丸なすの水分を上手に利用しており、とてもジューシー。油味噌は加熱したなすの、トロンとした舌ざわりがとても美味い。

上田 底なしの魅力

以上である。
いつもの通り、野菜中心のメニューで、若い人には「地味なメニュー」としか映らないであろうが、肉類がない(肉類がメインディッシュの場合もある)というだけでじつに挑戦的なメニューであると思う。「なるべく地元産の野菜」でこれほど多彩な惣菜を作ることができるなど、相当な技量であるといえる。素晴らしい。これが上田の、底の知れない魅力のひとつなのだ。


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