店名 すしはうす
場所 長野県須坂市墨坂4-9-3 [地図はこちら]
電話 026-245-5634
ジャンル 寿司店
バリアフリー ◯(スロープがやや急勾配)
駐車場 あり
食べたもの 「づけぶり丼 大盛」850円
毎度々々しつこいようだが
私はグルメではない。グルメと呼ばれることそのものが嫌だと公言している。だってかっこ悪いではないか、明確な職能として成立しているわけではない、言わば「趣味者」のような存在なのだ。これは名乗るものではなく周囲から認められ、呼んでいただくものだ。そういえば昔々のバブル時代、「建築家」と自ら記載した名刺を持ち歩くバカがたくさんいたが、あれは観ていて恥ずかしかったぞ。
恥ずかしいといえば
知人が隣で「グルメぶり」「通ぶり」を始めたときほど恐ろしいことはない。よく申し上げることだが、そばの小麦の香りを楽しみたいと、つゆなしでうどんやラーメンを食べたり、コップの水に浸けてみたりするヤツとか。あるいは寿司屋のカウンターで符牒を使いたがるヤツとか。
「お手元ください」
くらいなら許してやるが、
「最初はギョクで」
と言ったときは後頭部をはたいてやった。玉子焼きや巻き物は最後に食べるものなのだ。どこで仕入れた知識か知らんが最初に食べるという事は、職人の技量を試すつもりなのかよお前は。
その他
「紫が足りないよ」
バカもの、醤油でよいのだ醤油で
「寿司は波の華で食べるのもいいですよね」
塩と言いなさい塩と。それともお前は落語に出てくる、居酒屋でクダ巻いている大工の八っつぁんか。
「アガリをひとつ」
バカ、お茶でいいんだよ。それにまだ途中じゃないか。
私がそこまで気を使うことはないのだが
ペラペライいきがっていた若いのを連れていったのは私だし、寿司屋の常識を教えていなかった(あそこまで無邪気にやるとは思わなかったが)私も悪い。私の冷や汗を観て板さんが苦笑いをしていたのをよく覚えている。
「すしはうす」
豊穣の街 須坂にて昼ごはん。本日はすしはうすにて。2週間ほど前にも来たのだが、その時は定休日に当たってしまい断熱。再訪問は問題なしで入店できた。じつに喜ばしい。
「づけぶり丼 大盛」850円
『いつもの』と化しているメニュー。気づかないうちにこれを注文してしまう。とはいえこれは美味いのだ。もう寒ぶりの季節から外れてしまったから、脂しっとりというわけにはいかないが、醤油とみりんによる、ほどのよい味わいがなんとも。さりげなく添えられた白菜の浅漬けも素晴らしい存在感を与えてくれている。
ガリ
こちらはガリが美味いのだ。生姜の甘酢漬けという事になるのだろうが、これがよろしくてならない。自家製であろうこの生姜は、甘すぎずけっこうピリつくほどの辛味が感じられてよいのだ。卓上に器が置かれており、好きなだけ食べられるのもよい。ひと瓶食べてしまいそうになるほど魅力的な一品だ。
符牒
それも寿司屋の符牒はお客様にわからないよう、気を使わせないように用いる店内の暗号のようなもの。だからわれわれが使ってはいけないのがお約束。先の若いのに教えておかなかった私が悪いのだ。ああ恥ずかしい。
とはいえ
ガリも符牒なんだよね。大きな声で
「ガリのおかわりください!」
なんて言わなくてよかった。
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