店名 給食カフェ HUNGRY
場所 長野県長野市鶴賀西鶴賀町1456-1 [地図はこちら]
電話 050-5457-8992
ジャンル 給食カフェ
バリアフリー ◯
駐車場 なし
食べたもの 「揚げパンセット」
歳をとり何もかもが減退してきた
とくに悪くなったのが目と記憶力。いやはや歳は取りたくない。もっとも忘れているのが学生時代。義務教育の時代など覚えているわけもない。仲の良い友人とどこで遊んだかなどはほぼ忘れ果てている。その割に覚えているのが給食のことなのが、当たり前すぎてわれながら面白くない。
給食に鯨メニューが登場した
最後の世代だったとか、小学校の給食室にオーブン設備がなかったのでメニューにハンバーグと記載されていても問答無用でメンチカツに変更されてしまったりと他愛もない記憶でしかないが、もう一つ鮮明に記憶している事がある。
他校へと転任された先生が
なにかの都合で訪れてくる事がある。その時にたまたま全体朝礼などが重なると、ひと言ご挨拶をいただくことになるのだが、その先生方がほぼ例外なく
「この学校の給食はとても美味しい!」
とおっしゃるのだ。……ホンマけ?
私は味のわかる人間ではないと公言しているが、それは今も昔も変わることがない。小学校の時代からお腹がいっぱいになれば幸せな人間だし、学校で過ごす時間のうち給食がもっとも好きなひと時であったが、であるにも関わらずこの世で給食ほどまずいものはないと思っていた。
少し前に『変な給食』という本が話題になった
食育が叫ばれている時代に、変なレシピや組み合わせの給食を紹介するものだったが、私の子どもの頃はもっとひどかった。なにがなんでも食パンしか出てこなかった。バサバサに乾燥したそれを副菜の豚汁(もちろん味噌味)で飲み下すのだ。よほど価格を抑えたのであろうか、トマトは半分青いままのゴリゴリで、揚げパンは安いコッペパンを使いさらしの油で揚げるから臭い油にまみれている。いくら私でもこの揚げパンだけは食べられなかった。
そんなものだったから
「この学校の給食はとても美味しい!」
と連呼する先生と接すると強烈な違和感に襲われたものだ。あ、そうかあれは皮肉だったのか。
昼間の権堂をふらふらするのが好きなのだ
夜の華やかさはなく人もいない(最近は夜もいないらしいが)街角。暗い時間帯には躊躇してしまうような小径を歩くと、うら寂しく荒んだ風景がみえてきて面白いのだ。
「給食カフェ HUNGRY」
その権堂村の一画にあるこちらは『コンセプトカフェ』と称されるジャンルの飲食店だ。名前の通り小学校や中学校で供される給食にフォーカスした店だ。テーブルは学校机だしメニューは紙張りの黒いファイルを使っている。コップはビーカーだし、本日の日替わり献立は黒板に書かれている。なかなか凝った造りの店舗だ。
「揚げパンset」1320円
日替わりメニュー、いや『今日の給食』に揚げパンを搭載した豪華なセットメニュー。揚げパン以外はプラスチックのトレイに載せられているのがやや残念ではあるがまぁよいだろう。献立は
・野菜カレー
・ウインカーとチーズの揚げ春巻き
・コールスロー
・揚げパン
・ミルメーク
・デザート
野菜カレーはニンジン、玉ねぎ、ジャガイモごろごろで適度に辛くてよろしい。各野菜が小さく刻まれているのが給食っぽくてよい。
揚げ春巻きはパリパリで子ども受けしそうな存在感。コールスローもよく出たよなァ。
揚げパンは砂糖、きな粉、ココア、チーズから選択せよというのでココアとする。砂糖は甘すぎて嫌だし、きな粉も同様、チーズは当たり前すぎるからという理由。これは専用のパンがあるのだろう。昔のコッペパンと違ってふんわりほわほわで美味い。ココア味もとてもよいのだが、粉だらけになってしまうのが閉口だ。口のまわりがベタベタになる砂糖よりはよいかもしれないが。
ミルメークもコーヒーかストロベリーから選択と言われたので躊躇なく前者とする。中学に上がった長兄が
「すげー美味いものがある」
といってかっぱらってきてくれた、あのミルメークの衝撃は今でも忘れられない。牛肉(紙フタではなかった)にドサリと投入しかき混ぜる。もちろんスプーンでぐりぐりやるのだ。ストローがついていたが、給食とはそのようなものだろう。瓶の底に溶けきらず溜まってしまうのも変わらない。
久しぶり
いや何十年ぶりかの給食は美味かった。…が、美味かったゆえに不満もある。美味すぎるのだ。カレーはともかく惣菜類はしっかり暖かく、揚げパンの完成度は素晴らしい。しかし美味すぎる。昔の給食は先に言ったように不味かったのだ。その点が不満でもあるが、不味いものをわざわざ食べには行かないので、これでちょうどよいのか。
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