店名 塩尻東座2
場所 長野県塩尻市大門4-4-8
ジャンル 映画館
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
2021年7月23日
なんとなく始まりそうな東京五輪開幕の日に長野市から塩尻市までピンク映画を観に行ってきた。という話が続いている。古い安普請の建築であるために、様々な箇所に支障はあるが愛情のこもった運営により心地よい空間となっていた。という話をさせていただいた。そして2回目はもう少し突っ込んだ内容となる。
前回に記したが
この「東座2」の上映形式は週替わり3本立て興行となっている。毎週違った3本の作品をたったの1700円で接することが出来るのだから、とてつもなくお得な形式なのだ。そして今回観せていただいたのが
「溢れる淫汁 いけいけ、タイガー」
「ツンデレ娘 奥手な初体験」
「奴隷人妻 恥辱のあえぎ」
の3本。以下鑑賞順に内容、感想を記していく事とする。
「溢れる淫汁 いけいけ、タイガー」
監督 国沢実
脚本 切通理作
出演 佐倉 絆、橘メアリー、原美織、小滝正大、安藤ヒロキオ
2019年5月公開
“昂ぶる!荒ぶる!おっぱいぶるぶる!! “
というからにはチェスティー・モーガン級のすげーのが出てくるかと思いきや、ヒロイン3人のうち1人はまぁまぁ、2人はかなり貧弱だよね?という感想がぶっ飛んでしまうストーリー。評論家で映画監督でもある切通理作のシナリオによるこの作品はなんと!SF変身ヒロインもの!
才能あるアニメ作家
タクマ(小滝正大)より造形されたキャラクターを優秀なエンジニア蛇塚(安東ヒロキオ)想像されたアンドロイドダッチワイフのマナ(佐倉絆)。タクマは美しく従順なマナと恋仲となり幸せな日々が続くが、マナを開発する過程で廃棄された部材から自己生成されたジュン(橘メアリー)が虎に変身し、夜な夜なセックスした男ども喰い殺すという事件が多発するようになり…。
なにがなんだが
ストーリーを追うだけで苦労してしまう内容だし、あのチャチな虎のマスクはダイソーで買ってきたのか?あ!演出も編集も下手でよくわからなかったのだが、あれはターミネーターのオマージュだったのか。安いビニール製のツナギをまとったマナのフォルムはまあまあ見られるが、日本人って足短いよな。などなど様々なツッコミどころがあるが、その割に気にならないのはそのあんまりなぶっ飛び方に、少々の瑕疵はどうという事もなく受け入れられてしまう。そうだよ!映画の本質は娯楽なのだよ!
「ツンデレ娘 奥手な初体験」
監督 小関裕次郎
脚本 井上淳一
出演 あべみかこ、月ヶ瀬ゆま、美原すみれ、市川洋平
2019年5月公開
社会派脚本家、映画監督(とWikipediaに記載されている)井上淳一による初のピンク脚本。田舎の町役場に勤務する幼馴染、ちひろ(あべみかこ)と恭平(市川洋平)によるぶきっちょで奥手の男女の性を微笑ましくも繊細なタッチで描いた青春ラブコメディ。
「繊細な」と書いたのでピンク映画のクセになにをいうのか。と言われる向きがあるかもしれないが本当に真面目な青春映画なのだ。一本前に、あまりにもぶっ飛んだ作品と接したからではない。これはつくり手の資質なのであろう。真面目にしかなれない、と言ってしまうと怒られるかもしれない。しかし正攻法でしか立ち向かえない作風は極めて好ましい。
ただ全体的にもう少し抑制されていた方が画面がピシリと締まった気もする。とくに音楽の使い方。いくら佳曲名曲でも、すべて使えばよいというものではない。せっかくのどるたん&しゃあみんが台無しだ。全のせしてよいのは豚骨ラーメンだけだ。ちひろと恭平が自転車でラブホに入るシーン、ちひろがパンツ一丁で校歌を歌うシーンなど、婚活パーティーで勇之助(西本竜樹)の隣にいる俳優のシブい演技など、随所に光るものもあったので惜しいところではある。あまり褒めてばかりいるとかえっていろいろ言われそうだから、あえて書き記すこととした。
「奴隷人妻 恥辱のあえぎ」
監督 関根和美
脚本 関根和美、金沢勇大
出演 東尾貴子、水沢真樹、小倉もも、森山翔吾
2011年11月公開
ある事から上司 甲斐の不正に気づいた哲也(森山翔吾)だったが、逆に甲斐の策略にはまり意識不明の状態に陥る。そして哲也の妻 真理子(東尾貴子)も甲斐の魔の手にかかり身を売る羽目に陥るのであった。
という、ある意味でもっともピンク映画っぽい展開の作品であったが、この日に観た中でもっとも^_^はしょーもない作品でもあった。哲也くん不正に気づいたらもっとちゃっちゃと動けや、というか甲斐も割増支払いなんてすぐにバレるようなことするなよ、いやいやいやそれよりもお前の嫁さんって社長令嬢なんだろ?もう少し上手くやれや。そんなアホ甲斐にうかうかのせられる真理子ちゃん、キミほどバカはいないよ。でも本日観た女優であなたが一番好き。
以上、初めてピンク映画3本立て一挙レビューを試みたがいかがであったろうか。一本が60〜70分程度の作品だからあっという間に終わってしまう。ただ内容といい演技といい、一般映画にはないテイストがものすごく新鮮であった。
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