長野市「萬in on玲」日替り定食A

日替わり

店名 萬in on玲

場所 長野県長野市鶴賀七瀬中町48

バリアフリー △ 入口に段差あり

駐車場 あり

 

Diversityとは

直訳すれば「多様性」である。潜水夫の街ではない。耳にする機会は増えたが、その実態については、案外ぼんやりと捉えている人も多いのではないだろうか。多様性とは、年齢、性別、人種、宗教、趣味、嗜好、職業、思想信条など、あらゆる属性や立場の異なる人々が、ともに存在している状態、あるいはそれが自然であるという前提を指す。そこには優劣はなく、ましてや排除や偏見はありえない。違いを違いのまま認め、互いにリスペクトし合うこと。それがDiversityの本質だ

これは人間社会に限った話ではない

生物の世界を見渡してみればわかる。森には大小さまざまな動植物がいて、それぞれが異なる役割を担いながら共存している。昆虫も鳥も獣も草木も、誰が主役ということもなく、それぞれが「そこにいていい」存在として混ざり合っている。多様性は、むしろ自然の理(ことわり)そのものだ。人間社会がそれに学ばない手はない

そう考えると

私たちは、誰もが等しく尊重されるべき存在である。あなたも私も、年配者も若者も、大人も子どもも、日本人も外国人も、そして人間以外の生き物も。それぞれの命、それぞれの存在が等価であると知るところに、社会の成熟がある

だからこそ

半裸の女性と戯れることを「Diversity」などと言い訳する、一部の若手議員は恥をしれ。手前を棚の上に置き、よそ様に退陣を迫るなど、言語道断も甚だしい。恥を知れ、オノレが消えろ

などと、つい語気が強くなってしまったが

なぜこんな話をし始めたかといえば、今日の私の「食」にまつわる欲求が、まさにDiversityだったからである。要するに、ひとつの味では物足りない。あれも食べたいこれも食べたい。脂っこいものからさっぱりしたもの、肉も魚も野菜も、バラエティ豊かに味わいたい。そういう日というのが時折ある。しかも今日に限っては、特別な理由もない。ただ、無性にいろんな料理を心ゆくまで楽しみたい、それだけなのだ

ホテルのバイキングにでも行けば良いか

とも思った。が、近年のホテルバイキングはなかなかの高価格。昼食に数千円を投じる気にもなれず、もっと庶民的で、しかも満足度の高い場所はないかと、あれこれ探してみた。すると、見つかったのだ。まさに「多様性」に満ちた、庶民派のオアシスが。その名も

 

「萬in on玲」

場所は鶴賀七瀬、通称・東東通り沿い。外観は、どこかスナックのように見える。実際、以前はそのように使われていたのかもしれないが、今は居酒屋兼定食屋として営業している。実はこの店の存在は以前から知っていたが、なかなか足を運ぶ機会がなかった。最近になって「ここの日替わり定食はうまい」「種類豊富でお得だ」との声を複数聞き、いよいよ訪れることにした

扉を開けてみると

中は明るく清潔で、若いスタッフが4人ほど、テキパキと動いている。活気があって、居心地も悪くない。メニューはシンプルに2種類。Aが1100円、Bが900円。多種類を楽しめるのはAとのよし、迷わずそれを

 

大きな盆には

主菜・副菜・汁物・漬物・ご飯がずらりと並ぶ。なんと、惣菜だけで6品(のちにもう1品追加)。その内容は以下の通り

①もつ煮

②まぐろたたき

③豚肉の玉子とじ

④キムチ入り松前漬け

⑤もずく

⑥生野菜のサラダ

⑦豚肉のマリネ(追加)

 

①もつ煮

根菜類がごろごろと入っており、白もつがぷりぷり。味噌ベースながら意外とあっさりしていて、飽きがこない。スタンダードながら、完成度は高い

②まぐろたたき

いわゆるネギトロ。とろっとした舌触りに、シャキシャキのねぎがよく合う。少し効かせたドレッシングが絶妙で飯が進む

③豚肉の玉子とじ

いわば「他人丼」の上だけを取り出したような一品。甘く優しい味つけで、しみじみとした美味しさがある

④キムチ入り松前漬け

恐らく既製品だが、貝類が混ざっており、コリコリとした食感がアクセントとなり感動

⑤もずく

さっぱりスタンダードな味。ツルリと喉を通るたびに身体が整っていく

⑥の生野菜サラダ

キャベツ、レタス、水菜、トマトに少量のハムとクルトンが添えられ、シーザードレッシングが施されている。見た目には地味だが、野菜の鮮度が良く、実に美味

⑦の豚肉のマリネ

後から「これもどうぞ」とマスターらしき人が出してくれた一皿。これがさっぱりとして、酸味の効いた味つけが豚肉にぴったり合っていた。サービスなのか、通常メニューなのかは不明だが、心づかいがうれしい

こうして多彩な品々を心ゆくまで楽しみ

価格は1100円。お腹も心も満たされる、まさに理想の定食。私の欲求は「多様性のある食」だったが、それに完璧に応えてくれる場所が、こんな身近にあったことに感動

 

食も人生も、多様性に富んでいる方が楽しい

異なるものが共存し、調和し、互いを高め合っていく。Diversityとは決して難しい概念ではない。それは、ときに政治の世界で語られるよりも、定食屋のランチにこそ、真実として存在しているのかもしれない

コメント

タイトルとURLをコピーしました