須坂市「ニュースコー」昭和のパルム、昭和の喫茶店


ニュースコー
場所 長野県須坂市須坂東横町344 須坂ショッピングセンターパルム2F [地図はこちら]
電話 026-245-5314
ジャンル 喫茶店
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり

須坂は豊穣なり

といったのは私だからあまりありがたい言葉ではなかろうが事実だ。さして広い範囲でもないのに様々なものが詰まっている、臥龍公園ありストレートタイガーあり、そしてパルムあり。

「パルム」

須坂駅から少しだけ歩いた場所にある、この古典的ともいえる『集合商店街』が好きなのだ。昭和44年日本が1番元気だったころオープンされたというこの施設は、高度経済成長期どこにでも人がたくさんいた時代に、今より明日をよくしていこう。未来はきっとよいものとなる。そんなピュアな気の横溢した「元気な空間」だ。磯崎新風にみえなくもない正面玄関のファサードなどピンピン飛び跳ねているようだ。

ここに

昔ながらの、いや昭和テイスト満載の喫茶店があるという事はずいぶん前から知っていたのだが、ここに来るとつい「ホームラン亭」か「かねき」へと足を向けてしまう。それでは片手も両手も落ちてしまっているだろう。いずれにせよ、このままの状態でいられるわけもない。よし、この際だからお邪魔してみよう。

「ニュースコー」

どうも『スコー』の意味が分からない。ちょっと調べてみたら『須高』と書き、須坂、上高井郡小布施町、上高井郡高山村の3地域をこう呼ぶ。とのことだ。なぁんだ、とも思ったが『純喫茶』なみによい響きでもある。入口のすぐ脇にあるショーケースの食品サンプルはまことに正しく蝋細工だ。

狭いせまい階段を上がった先にようやく現れる喫茶店は、カウンターに数席、あとは合成皮革のイスにデコラ張りのテーブルがいくつか置かれている。隣の気配が分からないように背の高い衝立で囲まれたスペースはもう少し薄暗い方が妖しげでよいのだが、そうなると一般的とはいえなくなってしまう。このままで充分に正しく昭和のかほりが漂ってくる。常連らしきおばちゃんたちが楽しくおしゃべりしているのも懐かしい風景だ。

「ナポリタンスパゲティ」450円

茹で置きと思しき太い太いスパゲティは、恐らくアルデンテなる洒落のめした立場であった事など記憶の片隅にもないであろう。現在の私は単にぶよぶよの、『ほぼほぼうどん』とさえいえる存在で、間違ってもパスタとは呼ばないでください。と語りかけてきているかのようだ。

玉ねぎ、ピーマンそしてソーセージをケチャップで真紅に彩ったThe昭和第一弾!ともいうべきメニューだ。もちろん、タバスコをイヤというほどふりかけ、むせ返りながら頂くのが正しい食し方といえる。

可能であればナポリタンを大盛りか別メニュー、他のスパゲティかピラフを注文しようと考えていたのだが、ショーケースにこれを見つけてしまっては変更せざるを得ない。

「いちごパフェ」350円

『当店のおすすめ品』という黄色いステッカーに素直に惹かれてしまうのは、昭和中期生まれの性、もしくはDNAレベルにまで刷り込まれた「パフェへの憧憬」によるものとしか思えない。内容はといえば、少しのアイスクリームに大量の生クリームだけのものだが、何もかもが揃っていればよいというものではない。

『いちご』と冠されながらただの一滴も果汁が使われていないであろう『いちごソース』がふんだんにかけ回され、白いクリームを紅く彩っている。紅白というだけでどこか嬉しくなってしまう。このピュアな大らかさが大切なのだ。生クリームは少々苦手ではあるがこれは許す、許さざるをえない。

ただ、

大好きなパルムではあるが一部を除いて大半の店舗がシャッターを閉じたままだ。かつての賑わいが伺いしれるだけこの風景が一層寂しく感じる。
「役目を終えた」
というのは身も蓋もない言い方だが、物事には終わりは必ずくる。耐用年数があるのは構造体だけではないのは、建物も人間も同じだ。

しかし

このまま潰えさせてしまうのももったいないではないか。この大らかさこそ豊穣といえる。便利で嘘偽りの少ない(ないとは言わない)社会にはなった。昔はよかった戻りたいとは絶対に言わない、現代がもっとも幸せだとも思ってはいるが、もう少し寛容で大らかなものが必要ではないか。『かつて』を知らない、須坂市民でもない無責任な立場でしかない私が言ってよい言葉ではないが。

長野市「カリメーラ」“ひっそり喫茶店”のうれしいランチ


カリメーラ
場所 長野県長野市西和田433-11 [地図はこちら]
電話 026-244-7300
営業時間 9:30~22:00
休日 第2・第4木曜日
駐車場 あり

喫茶店に、出くわさなくなった。いや、
「コーヒーを飲みながらひと休みする」
という場所ならいくらでもある。しかし、スタバやタリーズではなく、いわゆる昔ながらの『喫茶店』が少なくなってしまったのは本当に寂しいことではないかとつくづく思うのだ。

ここでいう『喫茶店』とは、先にあげた『誰でも入れる空間』ではない。ひっそり裏通りにあって、誰にも見つからず静かに1人、コーヒー飲んだりタバコ吸ったり、ご飯食べたり、あるいは漫画読んだり何時間もぼーっとする場の事である。

昔はそこここにあったものだ。
振り向くとKEY COEFEEやらUCCのロゴ入り看板があり、ではひと休みしていくか、メシ喰っていくかなどとやっていたものだ。『もやもやさまぁ〜ず』の終盤のような感じ、という分かってくれる方もいると思う。

絶滅したわけではない。
長野市内でもあそことあそことあそこ、などと数件あげる事はできる。ただ、昔ながらの使い方のされている店はあるのだろうか。ぶっちゃけて言わせて貰えば、今どきの高校生はどこでタバコを吸っているのか。

未成年の喫煙を奨励しようということではない。あくまで昔の話、自分の若いころのことを例に出したまでである。10才代後半、背伸びしたい盛りの子供たちが、親にも教師にも知られずにいられる空間が今でもあるのだろうか。という事を言っている。

きっとあるのだろう。形式が変わっただけ、私が知らないだけで。どんなところか見てみたい気もするがそこは彼らの空間だから汚れたオヤジが覗く事は遠慮しておこう。では身近にある、イメージに近い『喫茶店』に行ってみよう。

『カリメーラ』

長野市西和田の陸運局斜向かいにあるこちらは、国道沿いにあるのだが道路と店の間に植え込みや駐車場があるため、中が伺えずどことなく『裏通りのひっそり』感があり、ドライバーたちでいつも混雑している。

最近では定食屋として定着してしまった感があるこちらを『喫茶店』と言い切るのには、少し抵抗があるかもしれない。しかし、カウンターに『コーヒー粉入りの灰皿』があるだけで、十分その資格があると申し上げよう。さて、何を食べようか。

申し上げたように、こちらはほとんど『定食屋』として機能している。カレー、ハンバーグはもとより『海老フライとナポリタン』『ビーフ・チキン・海老フライコンボ』なる魅力的なメニューもある。こうなると目移りしてならない。さぁ、何がよいのだ、何を食べれば喜ばれるのか。

うな重 サラダ・味噌汁付』880円

本日のおすすめメニューである。『牛ステーキ』にも『マーボ豆腐ラーメン』にも惹かれたのだが、ここはやはりうなぎの魅力に勝てるものはなかなかいないだろう。きちんと重箱に入っているのも好感度が高い。

シラスウナギの不漁でうなぎの値段が高騰して始めて何年になるだろう。本寸法の鰻屋など自費ではとても行けなくなってしまった。という事でこのところ、うなぎといえばすき家の『うな牛』となってしまったが、この場で再会できるとは嬉しくてならない。

出自はよく分からない。無論、国産ということはないだろうが。とはいえ、かなり立派なうなぎである。厚みも十分、ぽってりとした舌ざわりもよし。脂ののり具合は今ひとつだが、880円でここまで食べさせてくれるのだから、文句など言う筋はない。

思わぬ場所で思わぬものを頂いてしまった。本当は『喫茶店メシ』っぽいものを食べる予定だったのだが、これはこれで結構、じつに楽しいランチであった。


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