店名 鮮味館 長野稲里店
場所 長野県長野市稲里町下氷鉋1137-9 [地図はこちら]
電話 026-286-1600
ジャンル 中華料理店
バリアフリー ◯
駐車場 あり
Identity
アイデンティティなる言葉が流行したのは私が小学生くらいのことだったか。高度経済成長が終わり、オイルショックで打ちひしがれた大人たちが、少し自分の足元を見つめようやと海外から新しい概念を輸入してきた、ということであろう。バブルが弾けたあとに上杉鷹山が流行ったのと理屈は同じ、浮かれきっていた自らを再構築して清貧に生きよう。なんて妙な反省に至る過程はそれこそ日本人のアイデンティティなのかもしれない。
それはそうと
この言葉は概念だけあって、これという意味を持たないから当初は変な訳語が多かった。『自己存在証明』なんて分かったような分からないような、煙に巻かれたような気にされられるし、『自己存在価値』なんてのもあったが完全に誤訳だよね。
『アイデンティティとは自己と同一化している要素の事』
とはいつも通りWikipediaからの引用だが、要するに自分を自分たらしめているもの、これがあるからオレなのだ。という事だから人によっては場所であったり、ものであったり出来事であったりするわけだ。
では、私のアイデンティティはいったい何なのか。と言われてしまうと甚だ困惑するばかりなのだ。私という一風変わった人格(という事はわかっている)を構成するものはいったい何か。ランチなのか大喰らいなのか、読書なのか映画なのかROCKなのか。自分の事はよくわからないのがもどかしい。
台湾
にあるのかもしれない。と思う事もある。私の祖父は台湾人だった。台湾総督府時代に生まれているので元日本人、台湾人として死んだから少々ややこしい。そして母親も戦後の一時期は台湾籍でいたから(そうだ!私はハーフなのだ!)、彼女から産まれ彼女に育まれた私が彼の地を背景とする何かを持っている、と考えても不思議ではない。
…というのは
いささか強引に過ぎるが、台湾にどこか惹かれるものがあるのは間違いない。今まで幾度か台湾行きを誘われたのだが、時間もお金もない身としては、まだ実現出来ていないのがもどかしくてならない。
「鮮味館 長野稲里店」
同じ名の中華料理店はわが家の近くにもあるが、恐らく系列であろう。『台湾料理』と大書されているからなんとなく入りやすいのだが、そもそも台湾料理と中華料理の違いとはどのようなものであろうか。まったくいい加減なものだ。
「マーボーナス定食」880円
台湾にこれがあるかどうかはわからないが、反射的に注文してしまうのは致し方のないことだ。なにしろナスより美味いものはこの世に存在しないのだ!台湾であろうと中国であろうと北朝鮮であろうとアメリカであろうとフランスであろうとロシアであろうとクリミアであろうと
美味いものは美味いのだァァァァァァァァァ!!!!!!!!
……少し落ち着こうか
まずはサイドメニューから確認していこう。ニラのひき肉たっぷりの台湾ラーメンはさっぱり醤油味だが、たまに鷹の爪を噛み締めてしまってえらい目に合う。というか、これも台湾由来のラーメンなのだろうか。
サラダは
千切りキャベツに少しのコーン、胡麻ドレッシングがよい。ひとつだけの唐揚げはちゃんと揚げたて、塩胡椒で食べるのがよい。
そしてマーボーナス
にんじん、ひき肉と紅いトロトロにまみれた大量のナスこそ崇高な存在であると確信する。これを大きなスプーンで掬い上げ、熱々のご飯にかけて喰らうべし。これが最高の喰らい方である。美味い美味い美味いーーーーーーーーッ!!!
という事で
当面の間台湾料理だけでガマンせざるを得ない。いずれゆっくりルーツ探しをしてみたいと心より思う次第だ。
コメント