飯綱町「とちのき食堂」元小学校の食堂

ラーメン

店名 とちのき食堂
場所 長野県上水内郡飯綱町大字川上1535 いいづなコネクトWEST [地図はこちら]
電話 026-219-1352
ジャンル ラーメン屋、カフェ
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「牛骨ラーメン 塩」650円、「チャーシュー丼 ミニ」220円

そのふるさとがなくなってしまう

という事実はものすごく悲しいことなのだろうな。と、よそごとのようにしか語る事ができないのは、もともとそんなものを持たないから感傷などありようもないのだ。15歳の時わが家が商売をやめ郊外へ引っ越したわけだが、あの時の夜逃げのようなコソコソした、…いや夜逃げではなく堂々と出てきたのだが、なんとなく一敗地にまみれという感覚はいまだに脳裏の片隅にある。それだけ強烈だったから友人知人にもほぼ知らせず出てきてしまったから、彼の地とは関係性がぶった斬れてしまってきるし、その後地方へ転出したから余計と感じられるのかもしれない。

話を戻すが

ふるさとあるいは『原風景』がなくなってしまうのはよほどの喪失感を伴うものらしい。『原風景』とは自らの人格形成において、決定的な役割を果たした人物や書物、言葉、美術、芸術といったものと同様に、その時目にした風景や光景を指す。ある者は戦火で灰塵と化した故郷を目に焼きつけやってやるぞと奮起した、とかいうあれの事だ。

かつて自らを育んだ地

家族や友人・知人と過ごした地がなくなってしまう。これほど悲しいことはない。他県の方だったが、70歳を過ぎてなお町おこし運動をされている人物と行き合ったことがある。彼を突き動かしているものは故郷を失いたくない、失ってはいけないという想いひとつ。
「町も人も同じ、死んでしまっては元に戻らない。だから死なせてはならないのだ」
という強い信念で行動されていた。ああそういうものなのか、と感動したものだ。

飯綱町という場所はあまり深いご縁はないが

いいづなアップルミュージアムやいいづな歴史ふれあい館といったユニークな施設があり、とくに前者のブッとびさ加減に心を撃ち抜かれて以来、精神を揺さぶってもらいに、年に何度か訪れることにしている。今回は現場帰りにふらふらと、…というか好天で気分よく走っているうちに、かなり大幅な寄り道で飯綱町にさしかかってしまっただけなのだが。

山道を抜け集落に入り

というところで妙な風景と出くわす。あからさまな学校然とした施設に『ラーメン』と記載された幟旗が立ち並んでいる。なんだこれ?門柱には
「長野県上水内郡 牟礼村立牟礼西小学校」
とある。「いいづなコネクトWEST」という、廃校になった小学校を再利用した施設らしい。ああ、そういえば三水方面にもうひとつあるよな。三水の方にあったのは「いいづなコネクトEAST」といってカフェやアップルシードルを作る酒造会社が入っていたが、こちらはスポーツ施設やコワーキングスペース、セミナー室、コインランドリーやコミュニティスペース、児童クラブなどが入っているようだ。

「とちのき食堂」

高く吹き抜けた玄関ホールのすぐ脇にある飲食スペース。ここは元職員室であったという。床とテーブル(図工室で使われていたような)以外はきれいにリノベーションされている。ぴったり昼どきであったためか、私の入店直後から続々とお客様が入ってくる。近在の方々であろうか、小さな子どものいる家族連れが多い。

「牛骨ラーメン 塩」650円

透明のスッキリしたスープは『淡麗系』にカテゴライズされるであろう。

“厳選した牛骨だけをじっくりと時間をかけて炊きだしたスープです。凝縮された甘みと旨味をお楽しみください”

とのメニュー記載通りあっさりした旨味が充満したスープだ。穂先メンマ、刻みネギ、板海苔と具材もごくシンプル。すっきりしたストレート細麺との相性バッチリ。そして何より素晴らしいのがローストビーフの存在だ。チャーシュー代わりなのであろう。別添えになったローストビーフをスープに投入。徐々に温まり水分を吸ったローストビーフの旨味、食感がなんともいえずによい。

「餃子 3個」190円

大ぶりで厚手の皮で作られた餃子は肉も野菜もたっぷり。肉汁がほとばしるよい出来の餃子はすべてを幸せに誘ってくれる。

「チャーシュー丼 ミニ」220円

ローストビーフ丼もあったが、ラーメンに附属しているのであえてチャーシューとした。チャーシュー端切れを用いた小さな丼。タレのかかったスタンダードでとても美味かった。

食後、施設をひと回りする。

教室から子どもたちが飛び出てきそうな気がする。こういう残し方もあるのだな。やはり使っていかねばなぁ


信州のラーメン2 写真集・フリー素材集 あらら?のランチ

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