店名 タイガー東和田店
場所 長野県長野市大字東和田746-11
電話 026-243-5572
ジャンル ラーメン、定食
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
食べたもの 「カツ丼 半ラーメンセット」1150円
日常的に屈託もこだわりもなく
生きているようなものでも、まったく拘泥せずに生活しているわけもない。私の母親のように、アッパラパァにやっているようにみえてもそこはそれ、絶対にこれでなければならない。そんなこだわりを持ちながらやってきている。
「カツ丼に使うカツは惣菜ものを使う」
これが彼女最大のこだわりであった。なんのこっちゃ?という事だろうが、自宅で普通のトンカツを食べる場合は揚げたて熱々、さくさくをいただくべきだが、カツ丼を調理する場合は煮てしまうのでわざわざ揚げる必要はない。したがって近所の肉屋から買ってくる。これはわが家の鉄の掟として言い伝えられてきた事だ。
教育とは恐ろしいものだ
特に幼少期に叩き込まれたルールは後々まで影響する。現在でも煮カツの際わざわざ揚げてくれる様をみると
「本当にこれでよいのか」
とドキドキ動悸が止まらなくなる。しかしその反面揚げたて煮カツが美味いのもよく知っている。上面衣がサクサク、中はふわふわの二重食感が楽しめることを。しかし本当にこれでよいのか、とアンビバレントな感情がわいてきてたまらなく狂おしくなっていく。
「タイガー東和田店」
東和田の細い通り添いにあるラーメン屋さん。こちらも何年も前から知ってはいたが、なぜかお邪魔することがなかった。ほぼ斜向かいといってよい場所にあるD・UPANUSにはよく行っているのに。そんなことはあってはならぬ。という事でのれんをくぐってみた。
長いカウンターとテーブル席、小上がりもあったりする広い店内は、典型的な昔ながらのラーメン屋だ。壁面に掲示された短冊メニューもそのまんま街中華の様相を呈している。大きな開口部から差し込む明るい日差しがよい。私はこのくらいの光量を好む。
短冊メニューは麺類や丼ものが中心だが、テーブルメニューは定食ものが記されている。しかし初訪問の今回はこれを注文するのだ。
「カツ丼 半ラーメンセット」1150円
丼ものプラス300円で半ラーメンが付属されるという方式だが、これは「半」ではないというのもよくあるタイプだ。
吸い物代わりなのでまずはラーメンから。濃褐色のスープに典型的なちぢれ細麺、小さめなチャーシュー、メンマ、海苔一枚そして刻みネギがちらされた日本の醤油ラーメンあるいは支那そばという風情の存在感。
これは久々に接したが大変美味い。鶏ガラあっさりスープが美味くてならぬ。とりあえずカツ丼には目もくれず一気にスープまでいってしまう。これは素晴らしい!
そして本丸であるところのカツ丼
私は気づいていた。厨房から発せられる物音から類推する限り、こちらのカツ丼はわざわざ揚げてくれている事を。おおお!これは素晴らしい。丼に目を向けるとそこにあるのはまさしく絶景かな。
カツそのものはさして大きくも厚くもないが、揚げたてカツの衣さっくりとしっとりふわふわな歯ごたえがなんとも言えずに絶妙。甘めの味わいもよし。くたくた柔らか、甘い甘い玉ねぎも素晴らしい。なによりも甘いタレしみしみ炊き立てご飯が美味くてならぬ。
食べている最中
ずーっとこれでよいのか、大丈夫なのか。と思いながら食べている。動悸が止まらない、不安感が増幅し脇の下には冷や汗少々。でもしかし美味くてたまらない。これはこの先直らないだろうなぁ。幼少期にあまり極端なルールを課してはいけないという笑い話であった。
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