店名 炭火焙煎珈琲 風乃坂道
場所 長野県上田市別所温泉1796-1
電話 0268-38-5634
ジャンル カフェ
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「温泉珈琲」600円、「ベイクドチーズケーキ」400円
「我汝を愛す」
I love you を「我汝を愛す」と訳した生徒に対して英語教師をしていた夏目漱石は
「バカもん、日本男児はそんな軟弱なことを言わない。『月が綺麗ですね』というのだ」
と言い放ったのは有名な話。ではあるが、このエピソードは戦後の資料、それも1977年以降のものにしか登場しないので、まったくのガセらしい。
とはいうものの
直接的な表現を好まない、日本人の琴線にピタリとハマるものがある。だから広まったといえるのではないか。だって恥ずかしいではないか。アメリカ人でもあるまいし、愛だの恋だのいちいち言ってられるかい!こちとら江戸っ子でいッ!態度で察しよお前ら!
ってなものだから
成就しなかった、あるいは破れてしまった関係など無数にあるだろう。あなた自身も私自身にも必ずある筈だ。まことにまだるっこしい話ではあるが、これが日本人の美徳の問題だから致し方のない事でもある。
だからこそ
「愛を止めないで」「I LOVE YOU」「愛の中へ」と歌ったオフコースいや、小田和正は衝撃的なほど新しかった。誰もが恥ずかしくて口にするどころか考える事も憚られる歌であったからこそ受け入れられた。もちろん徹底的にバカにもされたが、数十年を経た現代をみよ。彼以上に愛を歌い上げた作品などゴロゴロとある。時代を変えたとすらいえる彼はやはり偉大な存在といえよう。
「炭火焙煎珈琲 風乃坂道」
別所温泉近くの住宅地、というよりも集落の中にあるカフェだ。元は住宅をリノベーションしたのではないか。そんなカフェにふらりと入ってみたがなかなか居心地がよい。
「温泉珈琲」600円
別所だから温泉には事欠かない。というわけでとなかろうが、コーヒーを温泉で淹れるという発想はなかった。豆の種類は分からないが、温泉独特の鉱物質の香り、味わいははっきりわかる。とはいえこれがまた心地よいのだ。メニューには軽くまろやかと記載されているが、私にはさわやかな味わいに感じられた。
「ベイクドチーズケーキ」400円
手作りケーキと冠されたものが3種用意されているうちのひとつ。私はレアよりもこちらを好む。白い花柄の皿はケーキだけでなくフルーツで美しく彩られている。チーズケーキはしっかりとしたハードタイプ。ぐっと力を込めなければ切る事が出来ないほどだが、その分濃厚で美味い。添えられたオレンジのジャムを用いると一層味わいが増す。
「スコーン」
サービスで出していただいた品だ。焼きたてのスコーンはほんのり温かく、あちら式のようなボソボソではなく柔らかなパンのような感触で美味い。
店内に流れるBGMは
どこかで聴いた声と思っていたらオフコースではないか。とはいえアレンジが違うからその場で調べてみたら、何年か前に小田和正がセルフカバーしたアルバムのようだ。「秋の気配」「愛を止めないで」「さよなら」「Yes No」といったヒット曲が次々と流れてくる。
どうも懐かしいね
さんざんバカにしていたつもりなのだが、よく覚えているところをみると、私もしっかり聴き込んでいたようだ。「風に吹かれて」のLIVEバージョンをリクエストしようと思ったが、長くなりそうなのでやめておいた。
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