山ノ内町「関英ドライブイン」美術館と黒川紀章と土曜日ランチの肉焼売

定食

店名 関英ドライブイン
場所 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏4168
電話 0269-33-2705
ジャンル 食堂
バリアフリー ◯ 入り口に段差ありだがスロープ付き
駐車場 あり

 

初老夫婦ふたりの生活など

傍からすれば、ずいぶん寂しく見えるかもしれない。子どもや年寄りがいた時分は、あーでもないこーでもないと、ドタバタしていたから、余計と感ずるのかもしれないが、じつはさほどの事でもない。ごく普通に、夫婦ふたりで静かに過ごしている。休みの時なども、会話がないわけでもないし、ともに行動しないわけでもないが、おのおの好きなようにしている

 

私など

じっとしているのを、好まない方だから、予定がない日など、友人誘って食事に出かけたり、映画を観に行ったりと、テキトーに過ごしている。家内は自宅で過ごす派だから、好きにしているのであろう。お互い気ままなものだ。先だっての土曜も同様に、あまりにもヒマだったので、とくに予定を決めるでもなく出発した

 

とりあえず北の方へ

天気がよいから、北信五岳道路を走ってみよう。ほどほどなカーブと、山あいからふっと広がる景色が好きなのだ。中野方面へ行ってみようか。中野インター前をなんとなく左折したら、オリンピック道路が無料化されたらしく、料金所が撤去されていた。おおお!それならあそこに行こうではないか

 

「志賀高原ロマン美術館」

可愛いお猿さんたちが温泉に入る、地獄谷公苑ほど近い場所にある小さな美術館。長野オリンピック・パラリンピックを記念してオープンされたのだとか。こちらの独特な企画展が好きで、たまぁに訪れるのだ。今回は

「森をつかむ・つつむ」

アメリカからやってきた2人のアーティスト、…ひとりはアメリカ人、ひとりは日本人。彼らが北進地方で出会った工芸品や手漉き和紙を用いて作り上げた作品が、真っ暗な空間にインスタレーションのように浮かぶ。見事なつくりに思わず唸ってしまう。うーむ、ここに住みたい

設計は黒川紀章

ごく小さな施設で、彼の作品として紹介される機会も少ないようだ。1996〜97年の段階でまだポスト・モダンやってるのかよ?体内回帰とか、共生などという、およそ苦労と受けのしないフレーズがバンバン出てくるし。という評価が一般的なのかもしれない。外観はともかく、一階の吹き抜けや、展示空間はうまく出来ているとは思うのだが

「孤高の人」

であったわけだ。同世代・同窓の磯崎新とは並び評されることはあったし、似たような事をしてきたようにも見えるが、なんだかんだ磯崎はメインストリームの人。師である丹下健三にも重用されてきたし、そのまた上の岸田日出刀にも評価されてきたし、そもそも東大閥だし。一方の黒川は京大出身。西山夘三という、バリバリの共産主義者が師匠だし

オノレの道を切り拓く

ところから始めなければならない宿命にあった人、という事もできる。だからメディア・モンスターと言われながら、テレビにも出たし、銀座のど真ん中のマンションを、思い切り変なデザインにしたり、分かりやすいフレーズとデザインで大衆化路線を走ってみたり

 

建築業界よりも

常に社会に、一般の人たちに向いていたともいえる。建築家ではなく、社会活動家といってもよかったのかもしれない。そういえば都知事選挙にも出たよな、大負けしたが。ああそうか、この人は

 

よい意味での共産主義者

であったのかもしれない。共生だの体内回帰だの、EDOコンセプトなんてフレーズ群は、どこか原始共産制を想起させられるし。小松左京とも仲がよかったのも、その辺が関係しているのかもしれない

 

なんてことを

いびつで真っ暗な空間に身を置きながら考えていた。またしても、美術館にきて建物をみる、というヤボな事をしてしまった。一言説明しておくが、ここでいう「共産主義」と日本共産党あるいは中国その他の政党たちとは、何らの関係もない。もっといえば、私は日本共産党など大嫌いだ

 

美術館を出ると

ちょうどランチタイム。腹もへったし、メシでもいきますか。山ノ内町に来たのだから、アソコがよろしいでしょう。という事で訪れたのがこちら

 

 

「関英ドライブイン」

山ノ内町の、というか北信を代表する定食屋さん。このところ、人材不足とかでフルタイムの営業がままならない、と聞いた。カレンダーをみせてもらうと、週末を中心に月の1/3ほどがお休みだ。なかなか悩ましい事態だ。よい店だけに、うまく回していってもらえたら、とは思うのだが。だからといって、私もしょっちゅう来られるわけもない。もっと悩ましい

 

昼時分だから

家族連れを中心に、けっこう並んでいる。こりゃ、待たされるな、と軽く覚悟していたら、おひとり様はカウンター席へとすぐに通された。お並びの皆様ごめんなさい

 

さて

ナニを喰らおうか。いつもは、こちらの多彩なる日替わりをいただくのだが、今日はレギュラーメニュー

「特盛りでか皿カツカレー」1600円

を注文する予定であったが、傍らのテーブルで、それらしきものを食べている人がいて、そのスケールにビビり倒し、いつもの日替わりへ変更してしまった

 

「肉焼売定食 半冷麺セット ご飯少なめ」1610円

漬け物、小鉢もの、ご飯、半冷麺そしてメインというスタンダード定食もの。メインは熱々の蒸篭。ふたを開けると、ほわんと蒸気があがり、美味そうな香りが立ち上がる。中には焼売が5個も詰まっている。ひとつがデカい!包みがやや甘く、箸で持ち上げるのに苦労するが、これぞ自家製という感じでじつに好ましい

市販の焼売は

皮に包んだ肉団子という風情のものが多いが、こちらの焼売はじつに肉肉しい。ひき肉ではなく、豚の粗挽き肉を用いているので、歯ごたえも噛みごたえもあってよい。お酢としょうゆ、洋ガラシをたっぷりと塗りたくって食べると、天に上りそうなほどの美味さだ

他のメニューは知らないが

こちらの日替わりにはサイドメニューがつけられる

半ラーメン
半冷麺
半冷し中華

ラーメンも冷し中華もよく知った存在だから、躊躇なく冷麺を注文。千切りキュウリと刻みネギ、キムチ、温泉卵そして韓国のり。トッピングだけでも最強ではないかーーーッ!そしてもちもちの麺と鶏ガラの優しいスープに癒されてしまう。温泉卵ともちもち麺のコンビネーションも最高だ。あはん♪

そんなわけで

アタマもお腹もいっぱいの、豊かな土曜日が暮れていく。ほどほどに、テキトーなよきお休みであった

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