長野市「ブレア・ハウス」昭和の空間と素晴らしき玉子かけご飯

玉子

店名 ブレア・ハウス

場所 長野県長野市高田五分一沖655-6 東亜ビル2

電話 026-228-9473

バリアフリー入口に段差あり

駐車場 あり

食べたもの 「玉子かけご飯 W

「降る雪や明治は遠くになりにけり」

とうたったのは中村草田男だ。高濱虚子に師事し、正岡子規直系の「客観写生」を突き進んだ歌人だ。先の句は昭和6年、後輩の学生たちの出立ちが明治の時とは違い、洋装化されているのに驚いた気持ちを表しているのだという。明治が終わってから20年弱しか経過していないのに

 

昭和が終わってから

34年も経過したのだそうだ。「すでに」なのか「もう」なのかはそれぞれだが、感慨無量といった気分となる。昭和天皇が薨御されたとき、私は友人と朝まで飲んだくれていた。昼過ぎに帰宅したときに父親から「天ちゃん死んだぞ」と言われたのを記憶しているが、世が世なら父子ともども銃殺刑に処されるところであった

 

昭和の時代は

生まれてから23歳までというアタマも身体もぴちぴちしていた時だから、なんとなく華やかだったなぁと感じている。バブルもあったしね。もちろん楽しいことばかりではなかったし、行き届いていないところも多々あった筈だが、日本という国そのものが若かったと思う

 

 

野球は観ないけどWBC決勝は

絶対に観るよね、という程度のにわかミーハーファンであるが、9回表2アウトからの打席はすごかった。大谷翔平とマイク・トラウトという同じチームメイト同士の対決は見事!三振に打ち取りゲームセット!日本代表優勝おめでとう!

 

と、車内でひとり

大盛り上がりのひと時。運転に観る方に緊張その後の歓喜!緊張と緩和が連続だったから、とても嬉しかった。動いたあとではないが腹がへったぞ。まぁいつもことだから仕方がない。近くに美味い店はないか。と、探しに探してやってきたのがこちら

 

「ブレア・ハウス」

五分一の交差点から一本入った道沿いの2階にある店。以前から存在は知っていて、面白いお店だよという評判は聞いていたのだが、お邪魔するのは初めてだ。どのようなものかとても楽しみだ。表の看板には

PIZZAPASTA&居酒屋 PUB

と大書されている。夜もやっているのかな。その上には

モーニング 400YEN

ランチ 500YEN 税込

ともある。ほほうモーニングもされているのか。傍らの土日祝日はお休みで、10:3013:30が営業時間か。あれ?夜はやってないのかな

 

内部はとても面白い

壁から天井からあらゆる場所にポスターやら飾りものやらが所狭しと掲示されている。あそこにあるのは赤ん坊のガラガラだよね。フォークギター、いや現在はアコースティックギターというのか。もっとも目につくのは昔のホーロー看板だ。コカ・コーラ、味の素、キッコーマン、ミヤリサン、渡辺のキャラメルなどなど。タバコの看板なんて現代ではありえない。あ!あれはオロナイン軟膏ではないか。浪花千栄子は朝ドラ「おちょやん」のモデルだったよね

 

BGMは

懐かしのCMソング。「WAWAWA、輪がみっつ」とか「ロート!ロート!ロート!」とか「タケダ!タケダ!タケダー!」などの曲が流れている。「明るいナショナル、明るいナショナル、みんな家中、電気で動く」なんて曲はダークダックスが歌っていたのか。私がギリギリ物心ついたくらいまであった、「若い昭和」があふれている。そうだ、昭和って様々なものがあふれていた、ヒトもモノもカネも気持ちもあふれていたのだ

 

メニューは

「朝からランチ」と冠されたものが5種類

ハンバーグランチ

カレーランチ

肉丼ランチ

うどんランチ

きまぐれランチ

「モーニング」と冠された2種類

A:パン食

B:玉子かけご飯

なんと魅力的なメニューではないか。そして私の選択は

 

「玉子かけご飯 W」

生玉子、副菜、サラダ、漬け物、みそ汁というゴールデンなパターン。Wというのはマダムと別の話で盛り上がっていたので聞きそびれてしまったのだが、玉子がふたつにご飯が大盛りという事であろうか。

 

副菜は

タケノコの土佐煮、たっぷり鰹節と柔らかなタケノコ、そして出汁と醤油の見事なコンビネーション。これぞジャパニーズスタイルという感じ

 

サラダ

キャベツ、レタス、キュウリによるシンプル生野菜サラダ。すっぱいドレッシングがさらりとかけまわされている。簡単といってしまえばそれまでだが、ここの場にはコレでなければならないと思う。これでいいのだ

 

漬け物

これはキュウリのQちゃん漬けだよね。高校時代にこれを製造している会社でアルバイトをしていたぞ。ああこの出来事も昭和時代のエピソードだ

 

味噌汁

具材は玉ねぎとジャガイモ。甘い玉ねぎと口の中で溶け果てるジャガイモは最高最上の組み合わせといえる。美味い美味い

 

玉子かけご飯

そしてメインの登場だ。丸い小鉢にふたつの玉子。これはマダムが割ってくれたものだ。そもそも不器用な私にとってはまことにありがたい。醤油を加えてぐりぐりとかきまぜる。なるべく白身が残らないようにしたいものだ。

 

てんこ盛りご飯を

ひとくちふたくち、副菜と漬け物を用いていただく。というか、このままでは玉子をかけられなきではないか。箸で中心を穿ち、そろりそろりととき玉子を入れていく。ああそうだ、このやり方は父親に教わったのだ。注ぎ終わったら箸で撹拌する。TKGは美味いなぁ、子どものころはほぼ毎日コレだったなぁ。漬け物を加えたらよい味変となった。美味い美味い美味い

 

じつに豊かな

ランチタイムとなった。こういった赴きがじつに好きなのだ。懐かしくて安くて美味くて楽しくて面白い。これぞまさに「豊穣なる空間」といえる。みなもブレア・ハウスに走れーーーッ!

 

最後に

マダムと話しているとネットで心ない投稿がなされてお悩みであるという。もちろん、この場を好まないという方もいるだろう、料理が気に入らないという方もいるのは当然だ。だからといって誹謗中傷はあってはならないこと。ネット民あるいはブロガーとして憤りを感ずる次第である。今回、価格表記などがないのは、マダムとの協議の結果となる。物事には愛情をもって接する、よそ様が嫌なことはしない、これが私のポリシーだ。

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