小諸市「レストラン牛車」品のよい照焼チキン

洋食

店名 レストラン牛車
場所 長野県小諸市和田877-21 [地図はこちら]
電話 不明
ジャンル 洋食店
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
食べたもの 「照焼チキン定食」1000円

「妙にきれいな言葉を使うね」

と言われることがある。
「見た目も性格もがらっぱちなクセに、電話の応対だけはいいね」
とも言われた時がある。そう、主に電話の受け答えだけは意識して敬語を使うようにしている。そもそもお客様や初めてお話しする方に対して丁寧な応対をするのは当たり前なのだが、その上に
「左様でございますか」
「かしこまりました」
と聞かされれば、変にみられても仕方がない。

じつはわざとやっている

コミュニケーションとは「伝える」ことなのだ。相手に情報を与えるだけでは意味がない。「伝わって」こそのものだ。信頼関係のできている家族や知人・友人の間では多少いい加減でも伝わってしまう。そうでなくとも直接対面してさえいれば視線や身振り手振り、紙に描くなどすればなんとかなってしまう。

ところが、電話はそうはいかない

なにしろ相手が見えないのだ。ボディランゲージが使えないから、どうしても情報を与えるだけになってしまう。時間と表現は限られているから、ついペラペラ早口で喋りまくってしまう。そして伝わらない、意味がない。これで幾度失敗した事か。ではどうすればよいのか。長い間かけて、考えたり人に訊ねたり、意見を伺ったりして到達したのがゆっくり話すこと。なんだ、そんな事当たり前じゃないか、と言われる向きもあるだろうが、これがなかなか出来ないのですよ。慣れていないうちは、単にゆっくり話すと間延びしているような気がしてならないし、途中でなにを話しているかわからなくなってきたりもする。

そこで編み出したのが先の馬鹿丁寧語なのだ

わざとゆっくりゆっくり「左様でございますか」「かしこまりました」とやっているとその分時間をかける事やリラックスする事もできる。生まれ育ちがよいと見られる場合もあるし。非常に具合がよい。

「レストラン牛車」

東北信地区の道なら任せておけ!とかなんとかうそぶいてはいるが、その実すこしでも中に入ると分からない箇所はたくさんある。とくに東信地区、それも小諸あたりは威張れるほど知らない。こちらも、佐久平駅前からなんとなく走っていた時になんとなく出くわしたのだ。いかにも「昔の洋食屋さん」といった、懐かしさすら感じさせる風情が気に入り飛び込んでみた。木材と大昔のビニールクロスで構成されたインテリアは年季の入った色合いがよい。

「照焼チキン定食」1000円

照り焼きというから鶏肉が一枚、ドンとくると想像していたが、小ぶりに切り分けられた姿で登場。といってもこれだけの量があるのだから、けっこうなボリュームだ。和風の醤油甘辛には違いないが、すりおろした玉ねぎとニンニクが少し添加されているのか、生姜焼きに感じられなくもない。火の通し具合も、少し硬めでこれも好み。

傍らのポテトサラダや千切りキャベツは年季の入り具合が違う。レッド、イエローのパプリカはとても可愛らしい。おっとっと後ろにデザートのみかんが隠れていた。隠れていたといえば小鉢もの。おおおおおおお!麻婆茄子ではないか!!!!これはうんまい!うますぎる!おばさん!おかわりちょうだいな!

おばさん

と書いてしまったが、店を切り盛りされているマダムの言葉づかいが美しすぎて。べつになんという事を言っているわけでもないのだが、いらっしゃいませからメニューの提示、料理から精算までの行程すべてがここちよい。話し声しかりタイミングしかり間しかり。現代ではあまり見かけないような言葉でうっとりしてしまう。こういう品のよさがオレにも備わっていたらなぁ。


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