長野市「三萬亭」大倉山麓のいわし丼

ワンコイン

店名 三萬亭

場所 長野県長野市豊野町大倉2074-2

電話 026-257-5665

バリアフリー

駐車場 あり

食べたもの 「いわし丼」550

信州は

寒い国と認識されているが、実際に住んでみるとさほどではない。厳冬期にマイナス20℃になった、2メートルも雪が積もったなどという地域もあるが、さような場所は県内でもごく限られているので、大半は寒すぎず暑すぎず快適に過ごすことができる。「住みやすい県ランキング」とやらで何年も続けてTOP5入りしているのも、その証拠といえる

 

住みやすい場所

は裏を返せば、歴史的に大きな出来事がなかった、という事でもある。もちろん人が住み暮らしていれば、様々な憂いや悩み、争いごと、お楽しみごとがあるはずだから簡単に「なかった」とは断じてはならないのだが、「歴史を動かした」レベルの出来事は、ないんだよなァ

 

川中島の戦い

なんてこともあったが、あれは善光寺平を武田と上杉が10年に渡って勢力争いというか、陣地取りゲームを繰り広げたに過ぎない。といえば薄情に聞こえるかもしれないが、本当のことでもある

 

すごい出来事ならひとつある

1582年、武田氏の滅亡とともにバランスの崩れた善光寺平は、周辺勢力からの草刈り場となったが、最終的に織田信長が平定する。実際に兵を動かしたのは信長配下の森長可という武将で、木曽路から攻め入り信濃国をすべて制圧するまでものの3月程度しかかからなかったのだとか

 

その最終局面は

「大倉の戦い」といわれる騒乱で、織田 森長可による侵攻に抵抗した者たちが、さんざんに蹴散らされ、逃げ回り旧豊野町(現長野市)にあった大倉城に立てこもったが、結局織田勢に薙ぎ倒された、と記録にある。「薙ぎ倒され」というのは「虐殺」と同義で、その数4000名にもおよんだとされる。なかなか傷ましい出来事だ

 

本日のランチは

その大倉城すぐ近くにある食堂だ。美味くて安いものがあると聞き、いそいそお邪魔した次第

 

国道18号線 大倉中央交差点

の角にデカい牛の像がある。白と茶色に彩られ、大きな角をもつ牛は『モーモー萬次郎』と名付けられているようだが、曰く由来なるものはよく分からない。そしてこれを管理しているのが

 

「三萬亭」

田舎の食堂、といってしまっては身も蓋もない。そこここに配された調度品やら飾り物は、雑然とはしているが、親戚の家にいるような気がしてかえって落ち着くのが不思議でならない。メニューはうどん、そば、定食ものといった構成。「モーモー萬次郎定食」というのは先の牛さんをリスペクトしたメニューのようだ。もつ煮も美味そうだしかつ重にも惹かれるが、私の目当ては以下となる

 

「元気の出る定食」

と題されたメニューには、栄養成分が表示されている。

天丼・味噌汁・漬物他

エネルギー 1049kcal

たんぱく質 22.6g

脂質 37.7g

カルシウム 192mg

2.7mg

塩分 4.9g

野菜量 147g

といった具合だ。天丼のほかに親子丼、かつ丼、いわし丼、焼肉丼といったものが用意されている。そして私が注文したのが

 

「いわし丼」550円

デカい丼はメインと味噌汁、副菜ふた品に漬物、もうひとつの小さな器は色彩からソースかと思っていたらデザートであった。これで550円とは素晴らしすぎる

 

副菜①ほうれん草のゴマ和え

ほうれん草は優しく甘く。胡麻をいれればなんでも美味くなることから「ごまかす」というくらいだから、これほどの良品は他にないだろう。

 

副菜②麻婆豆腐

薄い赤みがかったトロリとした麻婆豆腐。色味からして辛いのかと想像していたが、こちらも優しく甘い。ほやほやとした舌ざわりがとてもよろしい

 

味噌汁

デカいというよりも豪快などんぶり味噌汁だ。ワカメと玉ねぎの古典的具材。量も旨味もたっぷりの素晴らしき存在感

 

 

 

 

 

 

いわし丼

熱々ご飯に千切りキャベツ、その上に小さないわしフライがみっつ。紅生姜がとても可愛らしい。いわしのフライはクセもなくサッパリしている。そのままでもよいが、やはり醤油を施していただくのがよろしい。

 

なんでもない

田舎の風景にも凄まじい歴史あり。そして現在は素晴らしい店あり。「安くて美味いランチ旅」の末にたどり着いたところではあるが、楽しくて仕方がない

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