長野市「秋山食堂」密かなふるさと


秋山食堂
場所 長野県長野市小柴見375
電話 026-228-8431
駐車場 あり
バリアフリー ◯
ジャンル 定食屋

そうでなくとも

暑くてたまらないのに、なかなか減っていかない感染者と、不安を煽り立てるだけのマスコミのあり方にイラつかされる日々を送っている。そしてブレっぱなしの上つ方には怒りよりも呆れの気持ちが増えてきて、これがいつしか諦めに変わってしまうのではないかと、ビクビクすらしている。

このところ

思うのだが、安倍首相にしても西村経済再生担当大臣(長いな)にしても、言葉ひとつひとつは決して間違ってはいない。このようにしか出来ないよな、こんな言葉しか言えないなぁ。まして史上災厄と言われる事態なのだ。ある程度のブレは仕方ねぇべ?と、思わなくもないのだが、いかんせん信憑性に欠ける、いくら間違っていなくともお前の言葉だけは信じてやれねーよ。と思ってしまうのは、やはり人望の有無に関わるというものであろう。

それにしても

片や
「盆休みは外に出るな、周りから来るな」
と言い片や
「帰省はしてもらってもよいけど大人しめに、各都道府県知事の言うこと。よく聞いて判断しなががら行くか行かないか決めてね」
と矛盾の引っ張り合いをしているが、いったいどっちなんだい?と理解に苦しむ事態ではあるが困っちゃうよね。

そうなのだ

そんな季節になってしまったのだ。
年に一度あるいは二度、長い休みに生まれ育った地でゆっくり養生する。親兄弟や地元の友人と過ごす。これを楽しみに、張り合いにしているものも多いだろう。岩手の父親から『絶対に帰るな』と言われた若者がいたが、気の毒なことだ。

私のように

故郷あるいは地元のないものには関係のないことだが。帰るところがある、そこには自分を知るものがいる、という事に羨ましさを感ずる時もあるが、あればあったで面倒なこともなくはないだろう。だが、私には密かに故郷と思っている場所がある。ここはすぐ近くだから折にふれて訪れることができる。なんて幸せなことだろう。

「秋山食堂」

15回目のレポートである。ここまでくれば故郷といって何の支障もないだろう。合理性とかけ離れたフォルムであればあるほど懐かしさを感ずる空間。ここだ、ここが私の帰る場所なのだ。

「日替定食 ホルモンみそ焼定食」680円

こちらに来たらまずチェックするべきはカウンター上の黒板であろう。そうでなくともここの大将は変幻自在なのだ。なにが出てくるかわからないことほど心湧き立つものはあるまい。今回はホルモン焼きだ。

豚もつと玉ねぎにみそをたっぷり加え、ぎゅーっと炒めあげた料理はとてもボリューミィで午後からの活力を与えてくれる。ああ、ここはまさしくオレの実家だ。

中には

「おれは実家などに帰らない」
と言い張るものもいる。世の中いろいろあって当たり前だ
「ふるさとは遠きにありて想うもの、近くばよって目にものみよ」
と大 筒井康隆も言っている。故郷があるのとないのと、どちらがよいのであろうか。

長野市「旬菜 茶々や」Go To 長野!


旬菜 茶々や
場所 長野県長野市青木島町大塚976-4 [地図はこちら]
電話 026-214-6717
ジャンル 居酒屋、定食屋
バリアフリー ◯
駐車場 あり

4連休である。

世間様から1週間おいてではあるが、4日続けての休みとなった。まことに喜ばしい、とはならないのは単に歳を取ったためであろう。とはいえ、だらだらばかりしているのはよくない。と、家人を連れて出かける事とした。といっても日帰り、いやごく近所にちょっと出る程度の「お出かけ」ではあるが、Go To 長野!としゃれ込んでみることとした。

長野県立歴史館

場所 長野県千曲市大字屋代260-6(科野の里歴史公園内)
URL https://www.npmh.net/
電話 026-274-2000

こちらの企画展はいつも刺激的なもので面白いのだ。いつぞやの「長野誕生」は長野県発祥をテーマに北信対南信いわゆる『南北問題』にまで踏み込むものであったし、「田中芳男-『虫捕御用』の明治維新」は維新の元勲たちとほぼ同年である飯田出身の生物学者 田中芳男の地味で目立ちはしないが、確実に近代日本を作り上げた男の生涯を取り上げたものだった。そして今回は

「地酒王国 信州」

米を主食とし、米を祀り、米をもって日常を形づくってきた日本人にとって米で作る酒は、単に嗜好を満たすだけのものではなく、ごく神聖なものであった。国内第2位という80もの酒蔵をもつ長野県の酒づくりとその歴史、数多の試練と現在をテーマとした企画展示だ。

信州は

酒づくりが盛んで、室町時代から酒蔵があり、明治10年代には1000を超すほどの規模であったが、時代の波、いやたび重なる「試練」に立ち向かい現代に至る。

といった酒をテーマとした信州のもうひとつの歴史がコンパクトにまとめられていた。酒を好まぬものにも、十分インパクトを与えてくれる企画だった。

これだけ

酒瓶を見れば一杯やりたくなる。というのはごく一部の方でしかない。運転もあるから飲めるわけもないのだが、せめて飲んだ気になろう、という事でお邪魔したのがこちら

「旬菜 茶々や」

青木島の居酒屋さん。魚が美味い店、ブリかはまちを毎日1本仕入れる。といっていたが最近はどうだろうか。一時期あまりに繁盛しすぎて店が回らなくなり、休業せざるを得なかったという奇跡の地でもある。昨年11月にお邪魔して以来だから8ヶ月ぶりか。昼を少しすぎているためか、客はわれわれだけであった。

「あら煮定食」1070円

以前は定番ランチ的なものがあったような気がするのだが、ラインナップを変えて少し値上げしたのか?といってもほんの少しだからあまり気にならないが。

はまちのあらを醤油、酒、みりん、砂糖で甘く甘く。目のまわり、ほほまわり、くちびるまわりのプルプル部が泣きたくなるほど美味い。

次回企画展

は「稲作とクニの誕生」との事だ。内容はあえて確認していないが、絶対に刺激的であろう。秋が楽しみでならない。

長野市「乙妻」19年のおつきあい


【お店のデータ】
乙妻
場所 長野県長野市高田338 [地図はこちら]
電話 026-226-4240
営業時間 11:30~14:30、18:00~22:00
定休日 日曜日

移住

長野県に移住して今年で20年になる。
時の流れに疲れ果て、というほどでもなかったのだが、東京でいろいろあったのは確かである。バブルも終り、狂騒やんでヤレヤレと思ったのもつかの間、勤務先が一気に傾きはじめ、困り果てたが逆にこれを幸いとして、いっそのこと長野へ行こう。嫁さんの実家も心配だし、環境の良い場所で子育てするのがよいだろう。そんなこんなで引っ越して来たのが1998年6月のことである。
転職先で最初に配属されたのは松本だった。

排気ガスだらけの東京と違い、澄み切った大気と清麗な水。水が「うまい」と感じたのはこの時が初めてだった。
窓を開け放っていたら、寒くて起きてしまった6月の朝。どうも顔面がぴりぴり痛くて仕方ない。よぉく観察したら紫外線が強く日焼けしたのが原因だった。冬もすごかった。「痛い」としか感じられない寒さ。街中でダイヤモンドダストを見た時の驚愕。
安曇野の山々はどこまでも深く、昼間でも野生動物たちサル、キジ、カモシカを目撃する、イノシシと出くわした時は感動してつい近寄ってしまい、同行の先輩に怒られた。初めて過ごす地方の生活は、東京でのほほん育ったお坊ちゃん(という歳でもなかったが)の予想を遥かに超えるものだった。

そして長野へ

翌年長野市へ転勤。
「めくるめく」体験をもたらしてくれた松本とは、正直別れ難かったが、会社から「行け」と言われては致し方ない。それにもともと来たかった地であるのだから、嫌も応もない。
長野市に来て最初の確認事項は本屋と図書館、そして定食屋の在り処だったのが「らしいところ」と言えよう。双方ともになければ死んでしまう。とはいえ、本屋も図書館もちょいと探すだけでなんとかなる。問題は定食屋だ。
「端から試していけばいつかは」
という手法もなくはないが、それではあまりに非効率すぎる。ここはひとつ口コミを利用するべきであろう。同僚のMくんに、うまくて盛りよくそこそこ安い定食屋を。と尋ねたら教えてくれたのがこの店である。

「乙妻」

おとづま
と読む。今昔物語を思わせるような響きで少々驚いたものだ。こちらはとにかくすごい。大皿にてんこ盛りの惣菜、ドンと鎮座する丼メシ、油揚げと麩、もやしのみそ汁はいつも変わらない安定感をもたらしてくれる。

大盛り!

などとコールしようものならとんでもないことに発展する。定食ものはあの丼メシが二つどん!どん!カツ丼天丼などは蓋が閉まらないほどの大ボリューム。
オムライスは真円のマクラである。よほどの食欲と覚悟をもってして挑むがよいだろう。幾度となく後悔したものが言うのだから間違いない。

こちらのお気に入りはデカい丼に並々と盛られている「豚汁定食」、あるいはもつ煮の汁気をとばし、炒めなおした「もつ焼き定食」。比較的新メニューであるところの「豆腐チゲ定食」なのだが、では最初に食べたものは何であったか。

「焼肉定食」

おそらくこれであろう。
豚こま肉と玉ねぎを甘辛いタレで炒め、千切りレタスと共にドサっと盛られた豪快な一品。
「見ただけでお腹いっぱいに」
と言い放ったのはわが家内であった。
こんなことを考えていると、やはりどうしても食べたくなる。致し方ない、これは行くしかないであろう。乙妻、焼肉とは切っても切れない関係なのだ。
到着したのは12:00少し前だったが、そこそこな入りである。着席するなりお冷やと注文取り。
「焼肉定食!」
のコールの後5分ほどで出てくる。スタッフの機敏さと正確性は見事なものた。これぞ人気店の所以と言えよう。

大皿の…

直結30cmほどの大皿一面に薄く敷かれた千切りレタス、そして強烈な色合いと、猛烈に美味そうな香りを放つ肉!肉!肉!
なにが美味いといって、千切りレタスとともに食すのがもっとも美味いであろう。少々火を入れすぎて、甘たるいタレが焦げくさい臭気を放っている時もあるが、男のコは気にしない。額に汗を浮かべ、唇の周りを油だらけにしながら「かきこむ」のだ。美味い!

ランチはゆっくり楚々として

というあり方は否定しない。あって然るべき、とも思う。しかしながらかきこんでこそのランチ、ガッツいてこそのランチでもあるのだ。ガツガツと食べてこそ午後の戦いに挑むことが出来るのだ。

「乙妻」と出会って19年。これまでありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。

【追伸】
そういえば、乙妻の名前の由来を聞いたことがない。今さら改まって聞くのも恥ずかしい。誰かご存知の方がいればご教示されたし。


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上田市「十一屋」『地元民仕様(に見える)』素晴らしいお店


【お店のデータ】
居酒屋 十一屋
所在地:長野県上田市吉田319-2 [地図はこちら]電話 :0268-23-1008
営業時間:11:30~13:30、17:00~22:00
定休日:水曜

「地元民しか行かないような、安くて美味しいお店を教えてくれない?」
「そんないい店はないし、あっても教えねーよ。バーーーカ」

長野に越してきて19年になる。
最初の1年のみ松本であったが、その後はずっと長野へ居住している。
おかげで土地勘もそこそこ出来てきた。東北信限定ではあるが。言葉もすっかり板についてきたとみえ、先だって東京の姪から
「いったいどこの国のひと?」
と訝しく顔を見つめられた。よほどおかしな言葉と感じたのであろう。信濃言葉は「ほぼ標準語」であると思っていたが、どうやら違うようである。

かようなわけで「ほぼ地元民」であると自負している。
ほぼ、とはいえ地元民であるからには観光客など絶対に寄り付かない店のひとつやふたつ知っていて当然である。長野市のあの店の「玉ねぎのロースト」は凄かった。そもそも発想が違うのだ。この店の中華もとんでもなかった「彩りのサラダ」など次元が違う。酸っぱくない「黒酢酢豚」辛くない「麻婆豆腐」「干焼蝦仁」があれほどうまいとは!!!

んっ?「あの店」「この店」と書くのはなぜか?なぜ黙っているのか?意地悪ではないか?とご憤激のみなさまにお答えしよう。

「そんないい店はないし、あっても教えねーよ。バーーーカ」

よい店は自分で探すのだ。自らの目と耳と足を使って探し出してこそ「良店」なのである。うっかり話してしまったがために混雑でもされては目も当てられない。

とはいえ
「あの店」「この店」だけで済ませるわけにはいくまい。そこでこちらを紹介することにしよう。

「居酒屋 十一屋」

なんだ。
あちらこちらで紹介されている店じゃないか。食べログにも掲載されている。
とクレームをいただきそうだが、いやここは完全に「地元民仕様」のお店なのである。

上田と松本を結ぶ国道143号線を西へひた走り、塩田を抜け築地バイパスの交差点を越え1.5kmほど行ったところにこの店はある。
店構えを観てほしい。「十一屋」という屋号こそ確認できるが、まるで廃業したたばこ屋ではないか。

おそるおそる中を伺うと、元雑貨屋という風情の店内は酒あり野菜ありその他商品が陳列……いや、放置されている。中尾彬のような強面のオヤジが一人店番をしている。
「やだな、怖いなァ」
とビクビクしながら見回すと、奥にもうひとつのドアがありそこが「居酒屋 十一屋」なのであった。

このつくりはやはり「地元民仕様」と表現するのが妥当であろう。
二つ目のドアを開くと、予想以上に明るく広い空間が現れる。
カウンターが3席ほど、四人掛けのテーブルひとつそして小上がりにテーブル3~4脚ほどの、居酒屋としてはそこそこな規模である。
大将とその奥方らしきわかい男女が切り盛りされているようだ。大将は先ほどの強面オヤジの息子さんなのであろうか。

目当ては日替わり定食である。
梅・竹・松の三種類が用意されているという。
各々500円、700円、1000円という素晴らしい金額設定である。
値段も去ることながら、内容が素晴らしい。

梅:マカロニサラダ・マグロのブツ切り・春まき
竹:さしみ(マグロ・ブリ)・ブリ大根・イワシのフライ
松:マグロ丼・マカロニサラダ・ブリ大根

典型的な「和テイスト」定食である。
日によりけりで洋食系も入ることがあるようだが、本日は魚中心である。
さぁ、どれを喰らうか、オレはなにを入れたいのだ。

様々な逡巡と試行錯誤、優柔不断の果てにいきついたのが竹700円である。
中を選択してこその大人、謙虚であり奥ゆかしさを発露してこその日本人である。あらためてメニューを確認してみよう

竹:さしみ(マグロ・ブリ)・ブリ大根・イワシのフライ

さしみはマグロ三切れブリ二切れ。新鮮でプリプリしている。
ブリ大根というメニューはそもそもアラで作るものと思っていたが、こちらは立派な「身」である。多少血合いは入っているものの、大きなブリの塊と面をしっかりとった大根の見事なコンビネーションによって別の次元に誘われているかのように思えるほどだ。
そしてイワシフライ。
25センチほどの「大羽」といわれるサイズを使用したものとみえ、大変大きなイワシフライである。ソースをたっぷりとふりかけ、大胆に噛みしめると、熱い肉汁がほとばしる。うまい。新鮮なるがゆえに、まったく臭みを感じない。ああ、至福の時である。

すべて食べつくすのに7分ほどかかったであろうか。
「おかわり」は別料金というので注文はしなかった。「大盛り」は無料とのことなので、次回は遠慮なしいただく事にしよう。

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