長野市「とんかつ幸房 かつ膳」手のひら-Tonkatsu

とんかつ

店名 とんかつ幸房 かつ膳
場所 長野県長野市青木島町大塚149-1 おいしい広場内 [地図はこちら]
電話 026-283-6338
ジャンル とんかつ
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「ジャンボロースかつ定食」1750円

高校生のとき

ほんの一時期だが教員になりたいと思っていた事がある。小学校、中学校あるいは高校でもよい。人を教え導く仕事はとてもよいものではないか、左様に考えていたのだ。

おいおいおいおいおい

ずいぶんではないか、若い頃のお前は現在とは違って純粋だったのだな。と、例により天の声が聞こえてきそうだがさにあらず。新田次郎の、それも「聖職の碑」にどハマりしたからに他ならないところが情けなくもある。

「聖職の碑」

とは、大正年間に木曽駒ヶ岳で遭難した箕輪町高等小学校の修学旅行団を軸に、白樺派と反白樺派の対立など大正デモクラシーそのものを描いた新田次郎の代表作でもある。


新装版 聖職の碑 (講談社文庫)

映画化もされており、…作品的には大したことはなかったが主人公である校長役の鶴田浩二の熱演が気に入って、という単純なところは今も昔も変わらない。その後、自分向きではないと判断し、引っ込めたわけだが、こんな事を話すのはほぼ初めてだと思う。

なんでやめたのか?

と言われるといろいろあったとしか言いようがないのだが、中でも小学3〜4年時の担任を思い出したからでもある。

A先生

という男の先生だったが、この人がまたおっかなかったのだ。自分の両親よりも少し歳上の方だったが、体格がよかったから前に立つだけで威圧感がある。とはいえ、普通にお話している分にはごく常識的な優しい先生なのだが、少しでも悪いこと、曲がったことをするとものすごく怖いのだ。怒鳴りつけられるだけならまだしも、ひどい時は平手打ちが飛んでくる。

ばっしぃぃぃぃぃぃんッ!!!

という衝撃は現在でも忘れられない。多少は加減してくれていたのであろうが、そこは小学3年生相手だ。身体も顔も小さいので、A先生のデカいデカい手のひらでひっぱたかれると顔面の半分以上が痛くて痛くて。私など大きな方だったから耐えられたが、吹っ飛ばされた級友たちを何人みたことか。

それでも

問題視されなかったのは、当時はまだ体罰がある程度許容されていたし、子供たちなりに納得のできる理由があってのことだったからだと思う。とすれば、私のようにすぐ
「まぁいいか」
と思えてしまう人間には、生徒を怒るあるいは叱るにせよ、黙っているにせよ説得力のある行動はとれないのではないか。左様に考えたからだ。

そのA先生

と数年前、卒業以来初めてお行き会いする機会があった。80歳を過ぎ少し痩せられたが、ほぼ昔のままのお姿と大きな手のひらを拝見して、懐かしく思う前に精神的直立不動というか、背筋にビビビと電流のようなものが走り、全身に冷や汗が流れたのを明瞭に覚えている。

「とんかつ幸房 かつ膳」

青木島おいしい広場内に古くからあるとんかつ屋さん。先に店主が交代されしばらくご縁がなかったが先々月たまたまお邪魔する機会があり、内容・味わいともに変わりなく運営されているようだったのですっかり気に入ってしまった。そんなわけで再訪となる。

「ジャンボロースかつ定食」1750円

大盛り特盛りデカいものが好きなので、当然ジャンボも嫌いなわけがない。

2枚に見えるが、一枚肉を切り分けたものであろう厚みはさほどない(といっても1.5センチは余裕である)が面積はまさに手のひらサイズ。私の掌よりも大きいだろう。

ゴマをごりごりと摺りソースを投入。この方式を考えたものは誰か。あまりにも素晴らしすぎる、ノーベル平和賞を捧げるべきではないか。キャベツにも当然ソースをだばだばっと。あとは淡々と噛み締める、飲み込むべし。

まこと喜ばしいことに脂身がたっぷりしっとり。硬めの衣も好ましい。昔はソースたっぷりとんかつでご飯を3杯おかわり。残った衣で2杯おかわりしたものだが。どれだけ食べていたのだ、私は。

40年ぶりに

お行き会いするA先生はのほとんど変わらぬ佇まいにびびりながらご挨拶さしあげようとしたら私より前に
「おお!あらら?か!」

とお声がけ下さった。担任した教え子は絶対に忘れないよ。という師に感動・感謝しつつ、昨夜の献立も忘れてしまうようなものはやはり向いてなかったと心底安心した夜であった。

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