店名 あつ美二号
場所 長野県長野市桜新町669−1
電話 不明
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
ニンニクを欲している!I want garlic!
朝起きた瞬間から、すでに身体がニンニクを求めているのがわかる。目覚めのコーヒーよりも、白湯よりも、まず脳裏に浮かぶのがあの刺激的な香り。ニンニクが好きでたまらない。どれくらい好きかと聞かれれば、呼吸と同じくらいと即答できる
ニンニクに恋している
香ばしい匂いを漂わせながら油でじっくり炒められるその姿、すりおろされてソースの一部になっても存在感を失わないその強さ。どこをとっても、もはや惚れずにはいられない存在だ。
ニンニクの香りに夢中なのだ
炒め物の鍋から立ち上がる匂いを嗅ぐたび、心が踊り、胃袋が騒ぎ出す。ニンニクの刺激がたまらない。ピリッとした風味が舌の奥をくすぐり、脳の奥で快楽のスイッチを入れる
ニンニクで元気がみなぎってしまう
疲れていたはずの身体が、ニンニクを一口含んだ瞬間、まるでエネルギーがチャージされたかのように動き出す。ニンニクがないと落ち着かない。冷蔵庫に常備していないと不安になるほどで、もし在庫を切らそうものなら、夜でも買いに走ってしまう
ニンニクを食べて笑顔になる
何より、あの匂いと味を存分に楽しんだ後の満足感。心から「食べてよかった」と思える瞬間が、そこにはある。ニンニクの魔力にとりこだよ。効能や成分の話ではない。これはもはや呪いに近い愛だ
ニンニクと生きていきたい
毎日じゃなくてもいい。週に数回、存分にニンニクと戯れる時間があれば、それだけで人生は少し明るくなる。しかし、そんなニンニクへの情熱に冷や水を浴びせるような現実もある。
ニンニクは匂うから食べられない
翌日の予定があれば、それだけで手が止まる。ニンニクは辛いから食べられない。体質によっては胃や喉が悲鳴をあげる。
ニンニクは重くて食べられない
油との相性が良すぎるせいで、胃もたれの原因にもなりやすい。ニンニクは胃にくるから食べられない。消化器系がデリケートな人には鬼門だ。
ニンニクは翌日ツラくて食べられない
口臭はもちろん、体臭まで変わってしまうことがある。ニンニクは汗が変わるから食べられない。電車の中や職場でヒソヒソされるのは避けたい。
ニンニクは隠せず食べられない
どんなにガムを噛もうが、マウスウォッシュを使おうが、ごまかしきれない何かがある。ニンニクは職場で浮いて食べられない。ランチの選択をミスれば、午後から孤立のリスク
ニンニクはデートが怖くて食べられない
好印象を残したいときに、ニンニクのパンチは強すぎる。ニンニク食べるとチューも出来ない。ニンニクは好きだけど食べられない。…それが現実という名の壁だ
だが、だからこそ
ニンニクを解放できる日、…休日の存在がありがたい
仕事に行かないから
休日にニンニクを喰らう。誰にも会わないから、気兼ねなくニンニクを喰らう。口臭なんて、今日ばかりは気にしない。気にしないどころか、むしろ誇らしくすらある
ニンニクパワーで元気にニンニクを喰らう
寝ても平気だとニンニクを喰らう。汗かいても許されるからニンニクを喰らう。スタミナチャージでニンニクを喰らう。たまの贅沢でニンニクを喰らう。心の解放だとニンニクを喰らう。誰にも止められないからニンニクを喰らうのだーーーッ!
というわけで、今日もニンニクが呼んでいる
どうしてもニンニクが呼んでいる。体調も悪くない。明日も休みだ。であれば、行くしかない。生でガリガリかじるのも嫌いではない。だが辛いし、消化器にも優しくない。ここはやはり、調理されたニンニクの真骨頂を味わいたい。ラーメン系に向かうがよろしかろう。そしてたどり着いたのが
「あつ美二号」
言わずと知れた、二郎系インスパイアの人気店である。元々は「ふくふく」という中華料理屋だった場所を居抜きで使っており、その「ふくふく」時代のメニュー、かた焼きそばも残っているという粋な計らい。
昔来たときより券売機も導入され、少し様変わりしていたが、店内の空気は相変わらずだった。
いつもなら定番の「あつ美二郎」を注文するところだが、今日は思い切りジャンクに攻めたい気分。そこで選んだのが
「まぜそば 200g」950円
いわゆる油そばというやつである。スープは丼底にほんのり。超濃厚なタレが沈み、そこに極太の麺、山のような具材が鎮座してい
ゆでもやし:増し
背脂:増し増し
そしてもちろん、ニンニク:増し増し
チャーシューも
増したい気持ちは山々だったが、そこはグッとこらえる。トッピングで課金がかさむのも、またラーメンの楽しみではある
生玉子をそっとのせ
いざ「天地返し」。ワシワシとかき混ぜる。かき混ぜるほどに立ちのぼる香り。ニンニクの香気が支配する世界。まぜまぜ完了、いざ一口
熱い、太い、うまい
背脂と麺が絡み合い、もやしがシャキシャキと音を立て、ネギが香り、そしてニンニクが――支配する。思考すらニンニクに侵食されていく快感。まさに「ニンニクまみれ」という言葉がふさわしいだが、まだ終わらない。終わるわけにはいかない。ここで追い打ちをかけるべく注文したのが
「脂飯セット」400円
ご飯の上に、チャーシューの端切れ、背脂、さらにチャーシュー一枚、卵黄が黄金色に輝く。変化球の卵かけご飯といった風情。これをまた天地返しで混ぜる。甘い、こってり、幸せ。まぜそばの残り野菜を少し混ぜて食べたらもっと良かったかもしれない、と後悔すら楽しさの一部に思えてくる
食後の満足感は計り知れない
思う存分、ジャンクでパワフルなニンニクを摂取できた。胃も心も満たされた。何も後悔はない。明日も休みだ。誰にも会わない。このまま帰って、ゴロゴロしながら余韻にひたる予定だ
そういえば
同居人というか、家内というか、彼女に何か言われるかもしれないが……。いや、今日は気にしない。気にしない、気にしない。だって今日は――ニンニクを、愛した日なのだから
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