長野市「ケーキ屋Sun」メロンのまんま


【お店のデータ】
ケーキ屋Sun
場所 長野県長野市三輪4-4-1
電話 026-217-8231
駐車場 あり

誕生日

家内が誕生日であるという。実際には4日ほどのちの事であるが、そんなものは誤差のうちであろう。
めでたい、と素直に言ってよいのかどうかは定かではない。若者たちのように、はしゃいでよい年齢でもあるまい。とはいえ、さしたる病もなく、障害もなく50数年これた事は、少しは寿いでやっても罰は当たらないであろう。あくまでもほどほどに。

彼女は、昔から装飾品、調度品、過度な服飾品など、飾り立てるものを好まない。いや、反対にそれらが大好きで、あれがいいこれがいいと、要求されても困り果てるだけなので、助かってはいるのだが。どうせくれるのなら、その場で消費できるものが良いという。すなわち食品類、大概はケーキ、デザートの類を求められる。

ミルキークリームロール

ケーキ、といえば近年出会ったものの中で、もっとも完成度の高いものが不二家の「ミルキークリームロール」であると確信する。

「ふ、何を言っているのだ。そんな俗なものが美味いわけがないであろう」
そのように言うものがいた。たしかに不二家ペコちゃんからは、「幼稚な子どもだまし」と受け取られても致し方ないであろう。
しかし、世の中かほどに甘くはないのだ。…いや甘いのだが、ミルキークリームロールは単なる甘さではない。
クリームがミルキーなのだ。
あの、不二家の古典的名作、ミルキーキャンディ。高濃度のコンデンスミルクの口あたりをよくしたような、千歳飴にも擬せられた、あのミルキー。
とはいえ、あまりの濃さに、ひとつ食べきるのが精一杯なミルキーが、クリーム化されるとじつに豊穣な味わいと化す、複雑な味わいが現出する。たかがロールケーキが、高高度なdesartとなる。バカにしてはならぬ、美味いものに聖も俗もありえない。入浴中を覗かれたペコちゃんが「ミルキー?」と叫ぶだけが能ではないのだ。

しかし、ミルキークリームロールを誕生ケーキにするわけもいくまい。いや、そうした事もあるのだが、何度も使える手段ではない。はてどうしようかと考えていたら、家内からこれがよいとリクエストがあった。なるほど、希望を叶えてあげるのがもっともよい。それに考える必要もない、となれば、それがベストであろう。

「ケーキ屋Sun」

本郷通り、三輪1,3,4,5丁目交差点を西へ曲がり、少し行ったところにある洋菓子店である。以前はドイツパンを扱う、評判の店だったと記憶するが、何年か前に変わられたようだ。使わせてもらうのは初めてだが、前以上に真面目で誠実な、美味しいケーキを作られている、との噂を漏れ聞いていたのでとても楽しみだ。

「メロンのまんま」

季節限定商品なのだそうだ。
1/2に切ったマスクメロンをくり抜き、中にスポンジケーキ、カスタードクリーム、生クリームを仕込み上に皮を取り除いたメロンを載せる。これ以上シンプルなものはない。

ミースの言葉

Less is more 「最小こそ豊かである」
と言ったのは建築家ミース・ファン・デル=ローエである。ガラスと鉄骨、タイルのみで作り上げた「ファンズワース邸」は、住みこなすにはよほどの覚悟と努力が必要だが、そこには現代人の求める「美」がある。

同様に、「メロンのまんま」も切り分けづらく、食べづらくはなはだ閉口ではあるものの、シンプルであるがゆえの美味さがある。これはなかなかの傑作と確信する。

ending

「お母さんは何歳になったのか?」
と、執拗に尋ねる息子を、ひたすら無視する家内。50すぎればいくつでも同じであろう、と思うのだが、そこは女心というものである。黙っておいてやろう。秋の気配が近づく夜長である。

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