店名 ターバンカレー 須坂インター店
場所 長野県須坂市大字井上1865-1 [地図はこちら]
電話 026-246-8998
ジャンル カレー専門店
バリアフリー ◯
駐車場 あり
両親が
結婚したのはたしか昭和33年だったと思う。なにゆえこの相手を選択したか、などという話題は野暮だし気恥ずかしくて聞いた事がないが、片や親なし片や父親不在で無国籍者という、完全な欠格家庭、社会的弱者同士が出会い、寄り添ったという事だけでよいではないか。
家があったからなんとかやってこられた
と、両親ともに言っていた。昭和ひとけたの時代に建てられた安普請、というよりはっきりとぼろ家でもあるのとないのとではずいぶんと違ったようだ。とはいえ親なしカネなし、あるのは健康とぼろ家だけという新婚生活。まだ独立する前の父を送りだし、あれやってこれやって。それまで家族のためだけにやってきた人たちだから、2人きりの生活がそれなりに楽しいものだったという。まぁ、それもほんのしばらくで破られるわけだが。
「あのころは何もなかったねぇ」
新婚生活や当時のことを母はしみじみ語った。終戦後20年も経過してから生まれた身としては、『何もない』という状況が今ひとつわからない。昭和30年代ともなれば生産力がない、というわけではなかったろうが、輸送方法なし冷凍技術もなしという事であれば製品がありようもない。
「八百屋には季節の野菜、それも大根と菜葉くらいで、魚屋には旬の魚がちょっとあるだけだった。そのかわりゴミも少なかった」
当時の東京はすでに100万人都市、メガロポリス化していたはずだが、まだまだ季節感あふれるエコでヘルシーな街だったようだ。
いつも通りナスを摂取したくなってきた
肉でも魚でも野菜でも、旬など関係なく1年中手に入るから、とくに気にする必要はない筈だが、夏を過ぎれば目にすることが少なくなる。日替わりランチで「麻婆茄子」「なすの味噌炒め」なる魅力的なメニューが登場しなくなっていくのは仕方のないことであろう。しかし、ナス好きはやめられない止まらない。となれば恒常的にナスをいただける場にいくしかないではないか。という事でお邪魔したのがこちらである。
「ターバンカレー 須坂インター店」
という事でいつもの場所、困った時のターバンカレーである。そもそもカレーは好きだし、CoCo壱サラサラカレーよりもモッタリ金沢カレーの方を強く好むのだし。そしてこちらの“なんでも素揚げしちゃえ式“トッピングがこの上もなく好きなのだ。
「茄子カレー ジャンボチキンカツ、ベーコントッピング」1100円
なんぢゃこりゃ?と、われながら思うコンビネーションである。まぁ仕方がない、好きなものをあれもこれもと選択したらこうなってしまっただけだ。
ジャンボとつくだけで身も心も動いてしまう。したがってジャンボチキンカツは名を見ただけで、いや感じただけで券売機のボタンをポチリとやってしまう。卓上のソースをじゃぼじゃぼかけて食べるのは、行儀が悪いとかカロリーがとか、多大な背徳感に見舞われるのがよし。
ベーコンはかなり厚めのカットなのが高好感度といえる。脂身とぷりっぷりの歯ごたえがなんとも可。
そして茄子。素揚げされた茄子はトロトロで素晴らしい。これ以上いう事なし。季節に関係なくいつでもものが手に入る。なんて素晴らしい世界となったのだろうか!
両親の甘い甘い新婚生活もすぐに、それもほんのひと月かふた月で父の兄が転がり込み、ほどなく母の母と妹、私の祖母と叔母がやってきて、その他身内親戚知人友人入り乱れての生活にはまり込み、本当の意味で2人だけの暮らしとなるのはそれから25年後となる、お疲れ様でした。ちなみに私の茄子好きは母の影響である。
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