上田市「前山寺」古刹にて

スイーツ

前山寺
場所 長野県上田市前山300 [地図はこちら]
電話 026-838-2855
駐車場 あり
食べたもの 「くるみおはぎ」750円

柄にもなく

といってしまえばかえって格好がつかなくなってしまうが、こう見えて美術館や博物館、名刹、古刹の類いを周るのが好きなのだ。それはまたずいぶんな趣味ではないか、そんな敷居の高いところによく行けるよね。という事はしょっちゅう聞くのだが、じつは私にもよく分かっているわけではない。

美術には本来美学の素養が必要となる

これは日本でいえば「道」の概念に近いのか。ある種の見方、接し方があるのだ。博物館も同様で、テーマに対する知識・博識をもって相対するのが礼儀というもの。名刹、古刹に至ってはかの地の歴史や宗教的な位置づけを把握した上で接するのが本来的なあり方といえる。とはいえそんな事を言っていたら何もできない。今から大学にいって学び直すなんてことは出来ない(やってみたいとは多いに思ってはいるが)し、キリがない。

だから私がお邪魔するのはあくまでもなんとなく

ふわりふわふわとしながら、これはなんだ、あれは面白いと、日常ではあまり出会うことのない感覚に接する。エモーションを揺さぶってもらいに行くといえばよいか。ああおれはこういうものが好きなのか、これを面白く感ずるのか。かの地を訪れるのは、作品や事物、寺や仏教に接するのではなく自分を見つめるために出かけるのだ。

「前山寺」

『ぜんさんじ』と読む。上田市前山にある真言宗智山派の寺院で9世紀に弘法大師空海が護摩修行の霊場として開創したといわれる。独鈷山の山麓にあり、ゆるく長く続く参道は樹々に美しく彩られている。途中にある整備された庭園も、春か秋の盛りにに訪れると素晴らしいだろう。平日の午後遅い時間帯は私ひとり。風や樹木のざわめき以外に音はない。

「くるみおはぎ」750円

自らを見つめに訪れた寺院で名物をいただくことは最高級に喜ばしいことではないか。これは昭和30年代に住職夫人が檀家衆をもてなすために作ったのが始まりで、昭和50年代に入ってから一般客にもふるまわれるようになったとのよし。

おはぎ、というよりも『半殺しくるみだれ添え』といった風情のじつに素朴な一品だ。半殺し(でよいのか。名前がわからない)はひょうたん型に置かれておりどことなくユーモラスな表情を浮かべている。中心に添えられたキュウリの千切りがさっぱりとした風合いを与えている。

くるみだれはとても抑制された甘さで

くるみの風味がしっかり感じられてよい。別添えの皿には口直しの漬物と前山寺もうひとつの名物「梅のしそ巻き」だ。種を抜き半割にされた梅の実を赤紫蘇で包み甘く漬けこんだもの。しゃりしゃりとした歯ごたえが心地よい。

到着したのが14:45であったが

おはぎの提供が15:00まで、参拝が16:00までというのを知り慌ただしく過ごす。「ごゆっくりして行ってください」と言われてもそれは失礼というものだ。「未完の三重塔」も垣間見ただけだ。もう少し時間をとってゆっくり愛でに来よう。


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