長野市「SURYA DEV」山あいのヴィーガン 場所 長野県長野市七二会甲949

カレー
場所 長野県長野市七二会甲949
電話 080-3712-3165
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
食べたもの 「ミールス」1500円、「トゥルシーチャーエ」450円
 

齢50も半ばを過ぎた

という事は『酸いも甘いも噛み分けた』年齢に達したといっても特に支障はあるまい。そりゃぁ昔は純粋なもので、不正不公平などあらばなにかとカッカとしていたものだ。
オノレジミントーメ!巨悪許すまじ!
というのは現在でもあまり変わってはいないが、20歳代と比べれたら優しいもの。人間生きているだけでいろいろあるのだ。
 

よい事も悪いことも

今ここに立っているだけでやっているのだ。そこのあなたもこちらのお前も、どれほど徳をつんだ方も、おじいちゃんおばあちゃんも街を行くお兄ちゃんお姉ちゃんも、チーマーどももJKもJDも、そして私たちも同様だ。いやいや私など『罪』のほうが多いのではないか。目に見えるような犯罪を犯していないだけだ。

そんなこんなで

よい事はみなで喜びまわるが、少々悪いことは指摘することなく、そのまま放置してしまうことが多くなってきている。もちろん…あまりよそ様に迷惑のかからない範囲内であれば、の事ではあるが。いずれにせよ、すべてがすべてあれが悪い、これを是正せよとスクウェアにやって回ることは滅多に、いやほぼない。

そもそも疲れてしまう

なにかを指弾することは体力を使うのだ。日常的に穏やかにいたほうが疲れない。この歳になると回復が遅くて取り戻すことそのものが苦労なのだ。そうだ!そうなのだ!『酸いも甘いも噛み分けた』というのさ成熟する、人間が丸くなると同様に加齢が嵩んだ末の、言わば老化現象の結果といえるものなのだ。

あーあヤんなっちゃった

などという40年も前に流行したフレーズがアタマの中に轟きまわっているが、それが現実なのだし、わが身が自ら思う通り生きてきた結果なのだから仕方がない。まぁせいぜい大人しく穏やかに、少しでもよそ様に迷惑をかけず、わずかでも世の中のためになる事の出来るように、ゆらゆら下って行こうではないか

と、単純にまとめられれば

気が楽なのだが、もう少しなんとかなりはしないか。転がってばかりはいられないし、To be a ROCK and ROLL!とまではいかないにせよ、下ってばかりはいられない。もちろん上がってはいけないが、少しは勾配を緩くしていかねばならぬではないか。
 
 
 

ヴィーガン

あるいはヴィーガニズムなる言葉を知ったのはごく最近のこと。といってもなんとなく耳に入った程度だからロクな理解ではない。肉や魚を喰わないんでしょ?ベジタリアンとほぼ同じ意味なんじゃない?といういい加減に思っていたのだが、調べてみると少しニュアンスが違うようだ。

ベジタリアンとは

すなわち『菜食主義』を指し、
“動物性食品の一部または全部を避ける食生活を行うことである。健康、倫理、宗教などの理由から実践する人は、一般的に菜食主義者(ベジタリアン)”ということはもちろんWikipediaで知った事だ。

ヴィーガニズムとはさらに上をいって

“食だけではなく、動物から採取した材料を使った製品を実際的に不可能で無い限り避ける行為、思想、人”を指す。人は“自身の目的のために動物を利用する権利はない”のだそうだ。われわれ人間が生きていくために、他の動物をみだりに扱ってはならぬ。ましてや殺して喰ってしまうなどもってのほか!という事か

欧米人らしい極端な思想

あるいは信仰というべきか。仏教の影響もありそうだ。どうもしっくりこない。んぢゃナニを食べるのか?植物だけ?しかし植物に生命はないのか?様々な疑問がもくもくともたげてくるが、そこまで思い詰めずとも、なにかを自らに課すという事も必要ではないか。目標を達するために酒や賭け事、姦淫を断つなどというやり方はよくある。精進料理なんてまさしくこれだ。修行のために肉、魚、卵など動物性の食材を用いない。流派によっては五葷すなわちニラやニンニク、ネギなど刺激の強い植物も避けるのだとか。ズクのない私などかほどに極端なことなどできるはずもないが、野菜のみを用いたランチを摂るくらいの事は出来るぞ。というわけで友人を伴い向かったのは長野市七二会の山中だ。

七二会

とは『なにあい』と読む、なんて事は長野市民であれば大概知っているだろう。しかし、明治時代に5つあった村とふたつあった枝村が合併したことから『七二会村』となった。というのはあまり知られていないことであろう。少なくともわたしはたった今ネットで得た知識だ。『典型的信州の風景』とも言うべき山あいののどかな景色が連続する。いや雪がないから左様に無責任なことが言えるのだが。その山中農村風景の中にあるのがこちらだ
 
 

山あいとは

山と山との間、狭間を指す。すなわち平地などほとんどない。というのはやや言い過ぎかもしれないが、少なくとも徒歩ではあまり行きたくはない道をあちらて曲がりこちらへ返りして行き着いた場所は、古い家屋が連なる、『字』という表現が妥当な穏やかな場所だ。

くず屋根

とは茅葺屋根のこと。他では聞いたことのない単語なので調べてみたら信州の方言らしい。瓦葺とは違う極端に急な勾配なので、建物全体のフォルムがまさしく日本むかし話の世界。じつにほんわりとした風景を形作っている。さすがに茅葺はメンテナンスが大変なので、すべてのくず屋根は鉄板で覆われている。錆びた急勾配の鉄板屋根は、また格別な風景を醸し出している。
 

「SURYA DEV」

日本語以外の言語はほとんど解さないのでネットで検索すると「SURYA(スーリヤ)=太陽」、「DEV(デーヴ)=幸福・安楽」を意味するサンスクリット語なのだそうだ。「安らかなる陽のもとに」という訳語でよいだろうか。古民家のひとつを品よく使い勝手よく改修した室内。柔らかな日差しはまさしく安らかなる光に満ちている。
 
 
 

こちらは

週4日ほど営業されていて11:30、12:00、12:30、13:00、13:30というタイムテーブルの予約制となっている。基本はミールスで日によってターリー、あるいはドーサが用意されるとのよし。ターリー、ドーサという料理についてご説明いただいたのだがまるっきり忘れてしまった。ごめんなさい、記憶力が減退している上にメモを忘れているのだからロクでなしもいいところだ。いただいたネームプレートに『VEGAN』とある。

「ミールス」1500円

ミールスとは南インドでよく出会うタイプの定食ものを指すらしい。パラパラに炊かれたあちら風の長米ご飯と、様々なおかずがワンプレートとなっている。ここまでは知っている。じつは食べたこともあるのだが、完全なるVEGANは未体験だ。OK、とても楽しみだ。日替わりなのか週替わりなのかは定かではないが

おかずは

10種類用意されている。どれも南インドの伝統料理だが、地元産の材料を用いた、七二会流で構成されたミールスだ
 
 

サンバル

インドの味噌汁とされるほど代表的なスープ。今回はレンコンやにんじんなど根菜類を用いた、サクサク歯ごたえが加わった美味いスープであった

ラッサム

やはり南インドで日常的に飲まれているスープ。トマトと黒胡椒の酸味と辛さの効いた味わいで食欲増進によいとされている。私のような酸っぱいもの大好きな者にとってはたまらないひと品

キウイのパチャディ

キウイをヨーグルトで和えたもの。辛さ調整で用いよと言われたが、とにかくご飯にあう優しい味わい。
 
 

雪菜のクートゥ

調べてみると「クートゥ= kootu」とは英語でいうと「combined」。2種類以上のなにかの組み合わせ、という程度の意味らしい。恐らくおばあちゃんがチャチャッと作る野菜の煮物、そんな感じの料理を指すのではないか。雪菜がとても愛らしい存在感を放っている
 
 

キャベツと人参のポリャル

「ポリャル」とは野菜をスパイスで炒め煮したものらしい。キャベツがとてつもなくキャベツらしく、くにゃっとして甘く仕上がっている
 
 

コランブ

南インドのスパイシーで酸味の効いたカレー、との事であったが、たしかにカレーっぽくて美味い。材料をききわすれてしまった
 
 

サツマイモのマサラ

カレーっぽいといえばこれが一番だったかもしれない。サツマイモがふわっと甘くて辛くてご飯との相性が最高のひと品
 
 

ポディ

インドのふりかけともいえるもの。ナッツとバジルの入っているので、香り高くナッツの脂っぽさも加わっている。少し複雑な味わい
 
 

スダチのアチャール

インドの漬け物、福神漬けともいえる存在。今回はスダチを用いている。酸っぱい、梅干しのような酸味だが私はこれが一番気に入った。
 
 

パヤサム

甘いお粥。ココナッツミルクが用いられた濃厚な味わいで、デザート的にいただくとちょうどよい
 
 

パパド

インドの薄焼きせんべい。砕いてご飯にまぜていただくもよし、おかず類をディップして食べるもよし。パリパリというよりも少しふんわりした食感。軽い塩味が心地よい
 
 

これらを

単独で、あるいはパラパラの長米(外米と称してはいけないらしい)と混ぜていただく。一種だけでなく複数を加えるのもまたよろしからずや。見た目は決して美しくはないが、要するに南インドの家庭料理なのだ。それなりに手は込んでいるが、サッと煮込む、炒める、焼いた料理はそのままお母さんの手料理といった感のある、優しくも懐かしい味わいであった。
 
 
 

前段で

「ヴィーガン」を精進料理とか宗教とか、なんとなく思想的に捉えるように書いてしまった。もちろんど真ん中に扱う方々はたくさんいるのであろうが、こちら「SURYA DEV」は少し違う。ごく普通なのだ。どこまでもリラックスできるというか。
 
 

精神的にデトックス

できたというか。楽しく美味しくいただくうちに、大上段にふりかざすまでもなく、ゆるゆる行けそうな気がしてきた。「SURYA DEV」とても気に入ったぜ
 
 
 

夏になると

庭に植っているバナナの樹の葉でミールスを食べさせてくれるという。これは試してみねばならぬ。次回はあちら風に素手でいただいてみようか。

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