場所 長野県上田市中央3丁目3-12
電話 0268-55-3980
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「Nico日替わりランチ」1650円
子供たちが自立して
家を出ていってから今年でまる4年となる。おお!夫婦ふたりきりの生活となってからそれだけ経過してしまったのか。結婚した当初はもちろん2人だけしかいなかったわけだが、それから割とすぐに上の子が、それから4年して下の子が産まれたので、夫婦だけの生活は正味で5年と少し程度でしかない
さぞかしラブラブな
ことで羨ましい、と周囲から囃されることがあるのだが、今さらべたべたして愛を語り合うなどということがあるわけがない。まぁふたりともお喋りだから、テレビを観ながら、食事をとりながらペラペラやってはいるが、やはり昔とは違いいたって静かに過ごしている。
家庭の有り様とは
ずいぶんと移ろい行くものであると思う。結婚当初は2人、子どもが生まれて4人、長野の家内の実家に入り2人増えて6人。その後、伯母・義父が亡くなって4人、それからまた2人とたった20何年かで大変転といってよいほどの変わりようだ。
上田市中央の
といえば長野市在住の私にはよく分からない。上ジョビの裏手というか、「池波正太郎真田太平記館」の斜向かいを入ったところというか。細い道路に面した白い建物。これは古い家屋をリフォームしたものであろう。ポーチの一隅が丸くおしゃれに切り取られている。本日のお目当ては昨年12月15日にオープンされたというお店。白い壁に緑地と白字の看板がかかっている
「家庭料理Nico」
そっけないといえばこの上もないデザイン。『家庭料理』というフレーズと真下にメニュー表がなければ飲食店であるとは思えないようなファサードだ。住宅用を転用したと思しきドアを開けると、もう一つ木製の建具がみえる。これはその先すぐが飲食スペースとなっているため、風除室的に設けたものであろう。なかなか気の利いたつくりだ。
2人がけのテーブルが
6〜7席くらいであろうか。小さく天井も低いがその分とても落ち着くことのできる空間となっている。昼を過ぎてはいるが、なかなかの混み具合で座れないかな?と思っていたら「こちらにどうぞ」とすぐに席を空けてくださったのは、あとでお訊ねしたらオーナーのお母様であるとのよし。お元気な品のよいおばあちゃんであった。
品のよいといえば
オーナーの方もとても品のよい女性であった。といっても大地にしっかり根差した感じで私はこういう方に弱いのだ。ああ、うちの奥さんだったらよかったのに。などという不埒なことを言うと家内に刺されそうなので、あくまでもここだけのこと、妄想のひとつとしておきたい。メニューはただひとつ
「日替わりランチ」1650円
火曜日が定休らしいので、週6日間毎日メニューが変わるのだという。それも小さな惣菜が8種とご飯またはパン、そこにデザートが装備されるという可愛らしくも豪華かつ艶やかなランチだ。
そして本日のメニューがこちら
ピクルス
生ハムとモッツァレラ
かにみそ豆腐
お豆のサラダ
あじのカルパッチョ
さわらのピクルスソース
鶏のからあげ
節分汁(けんちん汁)
以上が木製の螺旋状に形造られた盛り器に美しく配されている。では順番にご紹介差し上げよう
ピクルス
またの名を「桜大根」というのかもしれない。軽い酸味にパリパリっとした歯ごたえ。懐かしい、いつもの味わい
生ハムとモッツァレラ
パッと見にはデザートとしか思えない。短い串に刺された白い団子と桜あんだもの。あれあれ?と口にすると、モッツァレラチーズに生ハムではないか。もっちり舌ざわりと軽い塩気が交差した贅沢な味わい
かにみそ豆腐
文字通りかに味噌が練り込まれた豆腐にかにの身をほぐし入れたあんがかけられている。うっわァ濃厚!酒飲みならこれだけで五合はイケてしまいそうだ
お豆のサラダ
紫の大根とミニトマトが可愛らしく配された生野菜に、水煮にされた大豆が加えられたサラダとなる。豆が美味いのです!豆が!
あじのカルパッチョ
鯵の、というよりもこれも野菜が美味いのだ。玉ねぎの舌ざわりと紫大根の歯ごたえ、もちっと脂ののった鯵の旨みが素晴らしい!
さわらのピクルスソース
鰆という魚はどーという事のない、たんぱくなだけのものだが、このように少し手を加えるだけで美味くなるのだねぇ。ピクルスソースをもう少しゆっくり味わっておけばよかった
鶏の唐揚げ
みんな大好き唐揚げクン。鶏肉に軽く下味つけてからりと揚げて。いつものデカ盛りと違った楚々とした存在感
節分汁
ちょうど節分だから、けんちん汁に大豆を加えたボリューミーなスープ。大根やらにんじんやら根菜類と、豚肉がどっさり入った滋味ふかい味わい
バニラヨーグルト
小さなグラスに真っ白なバニラヨーグルト。イチゴの紅がとても可愛らしいデザート
ここにご飯(大盛り無料!)もしくはパンがついてくるというのだから、やめられない止まらない。
じつに華やかな
料理たちであるが、ひとつひとつを仔細に見ると、ごく普通なおかず群。もちろん材料は吟味され、手の込んだ美味なるものばかりなのだ。うちの食卓にそのまま並んでいてもおかしくはないもの。ほんの少し手を加えるだけで、これほど美しくなってしまうのか。素晴らしい
家庭とは
家長として根差す地なのだ。であるからこそ盤石たるを場所として確立せよ。などというと明治時代のようだが、先にも申し上げた通り家庭などコロコロと変転するもの。ましてや資産もない、事業もないわが家になど居ついても仕方がない。せめて子どもたちがいつでも帰ってこられるように、この場を守っていてやることとしよう
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