店名 十萬石 高田店
場所 長野県長野市南高田1861
電話 026-243-3824
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
食べたもの 「キムチカレーうどん」990円
たとえば
長男坊、次男坊、三男坊の三人息子がいたとしよう。…いや三人娘でもよいのだが、サンプルがないので、この場はオトコばかりのむさい、すなわち私が育った家庭の話としてみよう。
長男次男三男の中で
もっとも得をしたのは誰か。それはもちろん長男であろう。父も母もまだまだ若いし、第一子馴れぬ子育てともあれば手の掛け方も、期待も他とは違おうというものだ。兄ちゃん、地球儀やサッカーボールやバイク買ってもらったの、あーただけだぜぇ。もっともこちらは欲しいと思ったことすらないが。
2番目は間違いなく三男だ
商売上も経済的にもうまく回り始めてから出来た子、いや商売上も経済的にもうまく回り始めたからこそ3番目が欲しい欲しいと授かった子であるから、甘やかされたという点では三男が一番かもしれない。
まことに残念なことに
可哀想なのはご次男さまかもしれない。長男よりは場慣れしているから手はかけられない。少し落ち着いたところで三男の登場により忘れ去られる。
「うちのお父さんは子どもの頃の写真がない」
と嘆いたの次男の連れ合いである。
そして、ヒネこびれた小僧が出来上がる。
育てた両親からすれば
まったく差別はない。これは経験上からも断言出来ることだが、ただその場その時の状況、商売であったり経済的なものであったり、はたまた家族間の状態であったりが影響して多少の色むらが出てしまったとしても、無理からぬ事ではある。
具体的に
どのようにヒネこびれていたかを記述すると、いろいろ支障があるのでやめておくが、
「生意気で絶対に謝らない」子であったと母が言っていた。子どものくせにシャレもので、同級生の中で一番早く長ズボンをはき、ランドセルをやめ、という感じか。その後は飲む、打つ、買うも一番だったというと面白いのだが事実ではない。
ある時
長男次男が中学、私が小学低学年のころ。少し前に引っ越した長男友だちの家に招待された。おばちゃんが好きな食べ物を言え、作っておいてやる。というので長男と私はハンバーグだの唐揚げだのをリクエストしているのに次男は
「おれ、朝鮮漬け喰いたい」
あの辛い辛い、キムチなんて名前が定着する前の、韓国異文化真っ只中の“朝鮮漬け“を食べたいなどとは、なんて生意気な可愛げのないガキなんだろう。
「十萬石 高田店」
いつものうどん屋さん。
バシバシに固く太いうどんでとんでもないほど個性的なお店で今回いただいたのは、
「キムチカレーうどん」990円
はっきり申し上げて、カレーうどんはこちらでもっとも完成度が高いメニューである。大根、にんじん、ネギ、豚こま肉などが大量に入ったスパイシーなカレースープに固い硬いうどん、そして辛いキムチ。同じ辛味でも微妙な違い味わい同士の幸せな出会いといえる。これは美味い。
はてさて
おばちゃんの美味しいハンバーグやら唐揚げを喜んで食べている長男三男を睥睨し、いざキムチならぬ朝鮮漬けを食べようとした次男坊、テーブル上に紅い小鉢が見当たらない。おばちゃん!朝鮮漬けないよ!と登場したのは真っ白な普通の白菜漬け。おばちゃん、朝鮮漬けの食べ方知らなかったので、ぬか漬けの要領で洗ってくれちゃったわけで。落胆しきった次兄の顔はいまでも忘れられない。
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