松本市「かつ亭」重厚長大ロースとんかつ

とんかつ

店名 かつ亭
場所 長野県松本市笹賀4456-2 [地図はこちら]
電話 0263-86-7500
ジャンル とんかつ屋
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「スペシャルロース」1700円

重厚長大

という言葉ほど魅力的なものはない。本来は重化学工業などの産業を意味したり、それら巨大にならざるを得ない得失を表現する経済用語なのだそうだ。鉄鋼、セメント、非鉄金属、造船、化学工業、巨大な港湾やダム、灌漑施設などを作り上げる土木・建設も含めてもよいのかもしれない。

そもそも

サイズでものの価値を図ることそのものがシンプルかつ分かりやすくてよいではないか。重くて厚くて長くて大きいもの。計量することによって事を決する。じつによいではないか。これぞまさしく民主主義、よいものはよい、悪いものは悪いとはっきりするではないか。

もちろん他の価値観があるのはよく知っている

重くて厚い書籍がよいとは限らない。上映時間の長い長い映画だけが傑作ではない。先も黒澤明「用心棒」を久しぶりに観たが、じつにキビキビとまとまっており、これぞ映画!黒澤映画の粋を魅せてもらえた。

だから分かりやすくてよい

といっているだけなのだ。何kg、何センチ、何メートル、何ヘクタールと測るだけでよい。じつにシンプルではないか。私のような単純な人間にはまったくをもって相応しい。まぁただそれだけなのだが。

「かつ亭」

松本は住んでいた事もあるし、そもそも好きな街なのだがいかんせん土地勘が薄くなってしまった。今回お邪魔した笹賀という地籍も、どこだったやぁとナビに誘われるまま進んだら、なんだアルウィンのある通りじゃないか。我山と並び個性的なとんかつ屋さんに恵まれた、素晴らしい界隈といえる。

中に入るとテーブル席半分、小上がり席半分といった間取りで、時間が少し早かったためか小上がりのよい場所に座らせてもらえた。店のおばさんとお兄さんの対応がとても気持ちがよい。今回の注文は決まっているからもっと具合がよい。

「スペシャルロース」1700円

にこにこ笑顔のおばさん曰く
『350gありますよ』
というロースとんかつはとにかく重くて厚くて長くて大きい。ひとつの厚さは30mmくらい。

箸でもつところを撮影すると

重さで手首がぷるぷるしてくるくらい。これはすげーなぁ。というか、350gよりもあるんじゃないか?分厚いロースとんかつは岩塩で、というのがセオリーだ。洋ガラシをのせ岩塩にちょんちょんとつけていただく。肉の旨味、いや甘味が立ってくる。もちろんソースも美味い。いつも通りダバダバダっとぶちかけて噛み締める。美味い美味い美味い。

とんかつこそ重厚長大であるべきだ

と、つくづく思う。6ミリまでといった者がいたが、それは余計な戯言に過ぎない。とんかつは重くてナンボ厚くて長くて大きくてナンボなのである。


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