坂城町「四川料理 鉄人」刀の街で刀削麺

中華料理

店名 四川料理 鉄人

場所 長野県埴科郡坂城町上五明641-2

電話 0268-81-2525

ジャンル 中華料理店

バリアフリー

駐車場 あり

食べたもの 「角煮刀削麺 半チャーハン付」980

 

坂城という町は

北信地区と東信地区を結びつける、言わば通り道的な存在に扱われる事が多いが、少しでも接してみると一種独特な風が流れていて好きなのだ。戦国時代にはあの村上義清を、武田信玄を上田原の戦い、砥石城の戦いと2度も破った大英雄を生み出した。もっともその威信を貫くことが出来なかったため、坂城を追われ上杉謙信の庇護の元に去り川中島の戦いを起こす中心となるという、じつにユニークな人物だ。

現在では

大小の企業が軒を連ねる工業の町。日精樹脂工業や竹内製作所といった東証一部上場の会社があったり、社員数十人の会社でありながら国内あるいは国外のシェアが10位以内といった重要な企業があったり。農業では稲作だけではなく、りんご・ぶどうといった果樹栽培、あるいはバラ・カーネーションといっあ切り花栽培が盛んである。千曲川の両サイドにあるバラ園などそれは見事なものだ。

 

「鉄の博物館」

という施設がある。ここは坂城町出身である刀匠で人間国宝であった宮入行平(1913-1977)は多くの弟子たちを育て上げた。

その宮入の功績を顕彰するとともに、町の工業発展に大きく寄与した鉄の素材、加工技術の変遷など鉄に思いを馳せて、鉄の展示館を開館された。との事だ。さして大きな施設ではないが、いく振りもの日本刀がズラリと並び、妖しいまでの光に吸い込まれそうな感覚に陥る。こういう体験は他には味わえないと思う。

2階に上がると

映画のポスターが並べて掲示されている。何事かと思いきや高倉健の出演作ばかり。ごく若い時期に出演したニュー東映の「鬼検事」から「現代任侠史」「日本やくざ伝 総長への道」といった売り出し期の作品から「海へ」といった最晩年期の作品まで。たしかに日本刀といったら健さんだしなぁ。


極めて真面目な施設だけあって、あのポスター群はどことなくユーモラスでよかった。あれがないと息が詰まりそうだ。

 

刀を観たあとに刀を喰らうのは

常識であろう。そのまま千曲川を渡り行き着いたのがこちらだ。

 

「四川料理 鉄人」

鉄の街にあるからこの名をつけたのか定かではない。あちらの方が切り盛りされているのだが、いわゆる大陸系中華にはみえない。リーズナブルで美味そうな定食が並んでいるが、私はここで刀を喰らうのだ。

 

「角煮刀削麺 半チャーハン付」980

刀削麺シリーズとしていくつかメニューが用意されているが、今回は角煮刀削麺。豚の角煮がトッピングされたものとした。四川料理らしく3段階辛口に出来るというので3辛としたが、スープの表面が真っ赤でややビビる。そもそも刀削麺とは

小麦粉を水で練った生地の塊を板に乗せ、片手に生地、片手にくの字型に曲がった特殊な包丁を持って湯の沸いた鍋の前に立ち、生地を細長く鍋の中に削ぎ落とし”Wikipedia

たものだ。こちらで実際にそのような作り方をされているかは分からないが、平たく分厚い麺は中華麺というよりもうどん、あるいはすいとんを連想させられる。

噛みごたえ、食べごたえがあってじつによいし美味い。のではあるが、正直なところ食べづらい。幅広の麺をうっかり啜り込もうものなら、あちらこちらにスープが飛び散ってしまう。まぁこれも楽しみのひとつという事としよう。

半チャーハンとされるものは決して『半』ではないボリューム。刻んだハム、長ネギと玉子だけのシンプルチャーハンだが、見事なパラパラで美味い。今度はこれだけを食べに来ようかと思うほどであった。

 

以上、刀の街で刀を喰らった話であった

坂城はもっと面白いものがたくさんある。次回は時間をとってゆっくり歩いてみたい。

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