店名 とら食堂
場所 長野県須坂市大字相之島539
電話 026-245-8100
ジャンル 食堂
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「焼肉定食 超大盛」1350円
ギリシャ・エジプトの神話に登場する
怪物スフィンクスは人間を「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足」と表現していたが、これはあくまでも形態、行動を表しただけのことであり、実際にはずいぶんと違ったあり様が展開される。そもそもわが娘はハイハイをせずにいきなり二本足で立ち上がったし、老人だからといって必ずしも杖をついて歩くわけでもない。
外観が
そんな風だから、内面的なこととなるともっと話は複雑になる。子どもは未熟、大人は成熟とは分類し難いものがある。やけに老成した落ち着きのある若者がいる反面、私のようにふらふらした50オヤジもいる。嗚呼、人間とはかくも複雑怪奇な存在なのだ。
複雑といえば
年齢を重ねれば重ねるほど、成熟すればするほど元に戻る、すなわち子どもに返ってしまう。という事もある。これはまことに面白い。私の母親など今年で85となり、まだしゃきしゃきとひとり優雅な暮らしをしているが、思いつくと居てもたってもいられない。すぐに私のところに電話をしてきて、「あれを食べたいから送れ」と指示がくる。
だいたい
今の世の中、どこにだってないものはない。そもそもアンタは東京に住んでいるのだし、カネだって潤沢ではないが、ゼロでもないのだから近くで買ってくりゃいいじゃないか。などといくら言ってもきくものではない。まったく子どもどころか赤ん坊ではないか。あーはいはい、今回は何をお送りさせていただければよろしいのでしょうか。
マダムは葡萄をご所望
だそうな。それも紫色の葡萄がよいとのことだ。シャインマスカットだの長野パープルだのといった新品種はご存知ないようだから、そこらのスーパーでデラウェアか干し葡萄を買って送ってやろかとも思ったが、それは意地悪というものであろう。
そんなわけで
小布施のハイウェイオアシスまで。こちらは韓国客相手に露天で季節の野菜や果物を売っている。春の山菜、夏野菜、秋の栗に葡萄といった塩梅。価格は普通だが、地方発送もしてくれるので便利だから重宝使いさせてもらっている。
といっても
葡萄は盛りをややすぎてしまったようで、数も品種も少なく、りんごや梨に置き換わりつつある。年寄り1人だから、巨峰の大きめなものをひとつ取り上げて、これを東京に送ってくれと言ったらダメなのだという。なんだ、融通がきかねーなぁ。致し方なく、発送用の箱入りの一番安く小さなものを手配する。ああ、これシャインマスカットじゃないか。高いなぁ
サイフの中も
軽くなったが、お腹の中も同様なのだ。腹がへったメシだメシだ。そのまま小布施街道を須坂方面へと走らせると、あの店が見えてくる。そうだ!ここなのだ!腹がへったからここに行くのだ。
「とら食堂」
腹がへったらとら食堂。ここにもずいぶんと通い詰めている。味よしボリュームよしそしてニコニコよし。こちらほど接客が素晴らしい店はあまりみたことがない。
そして注文するのはこちら、というよりもこれしか頼んだことがないぞ。
「焼肉定食 超大盛」1350円
脂身たっぷりのみゆきポークをたっぷり200g。醤油と酒とあれやこれやを入れた生姜焼き風ではあるが、味の決め手はマヨネーズ。ぐにゅぐにゅと大量に投入されるから、まったりネットリと舌にまとわりついて美味いのなんの。
このタレが絶品なのだ
みゆきポークとからめ、キャベツとからめそしてご飯の上にじゃぶじゃぶとかけ回しまくる。絶対的に身体に悪いと、アタマでは理解できるが感情が許さない。これを食べねば漢がスタる。男一匹ガキ大将よどこへ行く。こちらがよいのはご飯、味噌汁、キャベツがおかわり自由なこと。といってもご飯をおかわりすると動けなくなってしまうので、味噌汁とキャベツのみにするのが常だ。
熱い熱い味噌汁は乾燥具材を使っているのがまる分かりなのだが、これがよいのだ。おかわりキャベツをタレに投入して、ぐしゃぐしゃとまとわりつかせ、ご飯にダイブ。たれとキャベツとご飯が渾然一体となって美味いのなんの。え?ご飯おわかりいかがですか?うーーーーーーむ、はい半分だけください。あ、キャベツもお願いします。
壁面には
ご飯おかわり記録が記載された紙が掲示されている。3杯達成者から名前が出るのだ。まったくいい歳してなにをやっているのか。あああああ何年か前にオレの名前も出ていたのだっけ。あのときは4杯食べて動けなくなったのだよな。
最後のタレを
ご飯に掛け回し、サラサラいただいてフルタイム。もう腹いっぱいで動けない、ご飯のおかわりは一度だけだったがもうダメだ。ここでお仕舞い。昔はここからが勝負と思いまだチャレンジしたものだが、もう若くはないなぁ。とはいえ80過ぎたらまたやってしまいたくなるのかな。30年後が楽しみだ。
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