店名 かつや 長野柳原店
場所 長野県長野市小島82-1
電話 026-225-9218
ジャンル とんかつ専門店
バリアフリー ◯
食べたもの 「秋の海鮮フライ定食」759円、「カキフライ追加2個」374円、「とん汁 大変更」44円
私の生家は
決して裕福な家庭ではなかった。というかむしろ貧乏な方ではあったと思う。新宿区の片隅で、小さな印刷屋で従業員と名のつく者はいたが、すべてが親戚縁者の繋がりで、所詮は個人営業、家内制手工業でしかない弱小な存在だったから、私が中学生のときに辞めざるをえなかったのだが。
それでも
個人営業だからお金については多少のゆとりはあったようで、読書と食べることに関しては不自由を感じたことはない。これが読みたいといった本は大概買ってもらえたし、ずいぶん小さなころから寿司、うなぎなんてものはわりと頻繁に食べていた。
「本当の貧乏は食べものがないこと」
というのが母親の哲学なので、超高級とはいかないが年齢の高低に関係なく食べにつれていってもらった。新宿 小田急ハルクの裏手にあった割烹などかなりな高級店だったと色川武大(だったと思う)のエッセイにあったし、三井ビル55階にあったマンダリンパレスという中華料理店にも連れて行ってもらった。
現在のように
普通の洋菓子店になってしまう前の、まだ高級な香りのあった頃のコージーコーナーで軽いフレンチを食べたこともある。高級といってもわが家近くにある分譲マンション一階にあったところだし、長靴はいてポコポコ行けたくらいだから「超」はつかないだろうが、あの時の体験は今でも覚えている。
料理は主に
銀の皿で供されるのだが、それが妙に美しく見えてならなかった。ジャン・バルジャンがミリエル司教から盗んだ銀食器とはこんな感じだったのか、とか、大きな銀の盆で登場した生牡蠣をみて、ああ小松左京「待つ女」で主人公が食べた牡蠣はこんな感じだったのか。と考えながら食べていた。味の印象はまったく覚えていないが、どうも変な小学生だったらしい。
「かつや 長野柳原店」
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いつものかつやさん。どうもここは入りやすくてよいのだ。安いしほどほどに美味いし。そして今日はシフトの関係であったのか、フロアスタッフがみな女性で、みながみな美人なのだ。いや、ここの女の子は可愛いな、とは思っていたがたまたま全員が揃ったようだ。うーむ眼福々々。ふたりほどテイクアウトしたいがやめておこう。
「秋の海鮮フライ定食」759円、「カキフライ追加2個」374円、「とん汁 大変更」44円
そうだ、そうなのだ。女の子にではなく表の「広島産 カキ入荷」という大きな幟旗に惹かれて入店してしまったのだ。季節だし牡蠣は生かフライに限るのだ。
海鮮フライ
というのでカキフライ2個に海老フライ2本がデフォルトなのだが、これでは生殺しではないか。せっかく今シーズン初なのだからもう少し楽しみたいので2個を追加注文。
なにを揚げても
フライものはすべて同じに見えてしまうのが面白くないが、カキフライだから許す。いつもの海老は普通にいつもの如く美味い。もう少し太ければもっとよいのだが、とは思うがこの価格だからむしろ頑張ってくれている方であろう。
そして
メインメニューであるところのカキフライ。数年前にあるファミリーレストランで食べたカキフライは徹底的に洗浄してしまっていたので安全ではあったが旨味も磯くささもなくなってしまっていた。その点こちらのカキフライはしっかり牡蠣の味わいでよろしい。そのままでよし、ソースかけてよし、タルタルソースでよし、洋ガラシのせてよし。ただわずかに加熱しすぎなのが難ではあったがそういう時もある、という事で許す。
秋の高級品
美味かった。もう少し食べたいな、と思うくらいが丁度よいのであろう。とはいえ今度は生を食べたい。銀の盆にクラッシュアイスで出てくるようなものを。
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