上田市「市坂山荘」まことに贅沢なる…

和食

店名 市坂山荘
場所 長野県上田市別所温泉2094-1
電話 0268-38-0328
ジャンル 松茸小屋
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
食べたもの 「Bコース」8200円

 

最近はあまり言われないが

『死んだら◯◯を棺桶にいれてくれ』
『孤島に流刑されるとしたら□□を持っていく』
なることがよく言われていた。ジャズやクラシックの名盤だったり名著だったり。私の高校時代の友人はジョン・コルトレーン「至上の愛」を棺桶に入れる!とベタなことを言っていたりしたが。

ベタなことといえば

『今死ぬとしたらなにを食べたいか』
なる問いかけはいまだになされているようだ。死刑囚になる予定もないし、政治は狂っているが第三次世界大戦に至る兆候もないから真面目に考えた事はないが、どうせ最後のメシなら少しはよいものを食べたい。そう考えるのはごく普通のことであろう。

では

『少しはよいもの』
とはいったいなんだろうか。これがなんとも難しい。だってよいものなど食べたことがないのだ。エレミヤの中華がよかった、ホテル国際21の鉄板焼きが美味かったとかいろいろあるが、それ以上のものなどいくらもあるだろう。いやなかなか難しい。

 

「市坂山荘」

では、よいものをいただきに来よう。という事で松茸を食べにやってきた。信州 上田名物の松茸小屋には2年ぶり2回目、すなわちしっかり松茸をいただくのも2回目となる。

松茸なんて大して美味いものではない

同じ松なら松屋の方がよいに決まっている!と嘯いてはいたが、いざ食べてみるとこれがまたよいものだった。
「におい松茸、味しめじ」
などとはよく言われるが、いやいや滋味深く美味いものと感じた。2年ぶり2回目の今回は味わいの確認作業となる。

 

こちらは単品注文もできるが

コースがお得というのでそちらを検討する。コースはA、B、C、フルコースのよっつがありそれぞれ5500円、8200円、9600円、13000円という豪快な価格となっている。庶民派筆頭の立場とすれば間違いなくAコースなのだが、今回は別所の谷に飛び降りる覚悟でこちらとする。

「Bコース」8200円

全7品の超豪華コースとなる。わくわくドキドキが止まらない。お通しであるシメジのおろしのせ、茄子の辛子漬けをつまみつつ最初のメニューが登場する。

 

「土瓶蒸し」

小さな土瓶に昆布出汁、ナルトと薄切りの松茸一枚。まずは杯で出汁を飲むのが正答なのであるという。

もう少し塩気が欲しいな、というくらいの薄口にほんのりと香る松茸。ナルトってあらためて味わうとけっこう美味いものだよね。

「茶碗蒸し」


土瓶蒸しとの違いは玉子入りかそうでないか、くらいしかないのではないか。と簡単にいうがずいぶん違うよね。具材は松茸、ナルトは変わらない。中に鶏肉ひとかけら、三つ葉一枚が参加するだけで品が向上し、食べ応えが出てくる。ああこりゃうんまい。

「松茸銀蒸し」


銀蒸しとはなんぞや?と不思議に思っていたが、要するにホイル焼きのこと。薄切りにされた松茸をアルミホイルできれいに包みコンロで膨らんでくるまで加熱する。店のおばちゃんは塩で食べろというが、そのまま何もない方が美味く感じた。

 

「松茸鍋」

鍋の表面には大量のネギそして松茸。他の具材は白菜、豆腐、鶏肉。松茸入り鶏すきだが、醤油ベースのスープがしょっぱい感じ。とき玉子につけるからこれでよい。という判断なのだろうが、これは好みが分かれるであろう。ちなみに私は甘い派だ。

 

「松茸天ぷら」


やはり揚げたては美味い。松茸だけでなく、ナス、モロッコインゲン、ピーマン、カボチャなどがひとつ盛りとなっている。これも塩でさらりといただく。

 

ああご飯がほしいよぉ。と思ったところに締めのコンビが登場する。

 

「松茸ご飯」「松茸吸物」


率直に申し上げよう。どれも美味かったが、この松茸ご飯がもっとも美味かった。相乗効果というか、米と松茸との相性がよいのか。あまりに美味くてついおかわりをしてしまう。まことに幸せなひとときであった。

だからといって

松茸を最後の食事としたいかは分からない。というかその場になってみないとねぇ。「世界大戦争(1961)」みたいに海苔巻きと玉子焼きを注文しちゃったりして。

 

 

 


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