飯田市「満津田食堂」南信にて

かつ丼

店名 満津田食堂
場所 長野県飯田市主税町1 [地図はこちら]
電話 0265-22-0437
ジャンル 食堂
バリアフリー ◯
駐車場 なし(近隣に市営駐車場)
食べたもの 「ミックス丼」900円、「山菜味噌」300円

しばらく前から物置の整理を始めた

すでに亡くなってしまった2人の年寄りの遺物が大変な量となっており、そのままにしておいてもよいのだが、なんとなく気になったまま何年も経過してしまっていた。ただここしばらく少しだけ時間と心の余裕が出来たので、整理整頓を始めた。という話は幾度かしたが、この度ひと段落した、…わけもなくまだまだ先は長く続くのだがとりあえず目指すものをいくつか見つける事ができたのだ。

 

目指すものとは伯母の満洲時代の資料のこと

昭和16年に教員として渡満し、様々な辛苦の果てに帰国したという人物で、その帰国の模様もかなり特殊な体験といえる。本当は私が資料や手記をまとめてみたいと思っていたのだが、うかうかするうちに伯母が亡くなり、義父も亡くなりと当時の事を知る人物がいなくなってしまいどうにもこうにも。

いずれにしてもこのままでは何も出来ない

なんらかのかたちで残しておかねば散逸するだけなので、阿智村の満蒙開拓平和記念館に持ち込めば、最低限アーカイブに入れてくれるであろう。という事でお邪魔した次第だ。

対応してくださったのは

まだ若い女性の学芸員さん。まだ20代ではないかと思えるような方であったが、さすが研究されているだけあってよくご存知だ。この当時ここはまだ新設校だったとか、あの時はこうだった筈だったなどディテールがばんばんと出てくる。もちろん、私がついていけるわけもなくただハァハァとお聞きするのみ。今後の研究の役に立てばよいのだが。

運転の身体的な疲労と

満蒙開拓平和記念館での知的な疲労とが重なり、ややふらついているような状態だが、達成感のあるさわやかな疲労でもある。よし昼メシだ。という事で飯田市街地まで。飯田といえば焼肉なるイメージがあるのだが、ひとり焼肉の気分でもない。とはいえ肉を食べたい、といろいろ探してお邪魔したのがこちらだ。

「満津田食堂」


古式ゆたかな食堂という表現が妥当なフォルム。ショーケースのありさま、雑然とした内部などさぞや長い間稼働してきたのであろう、と思わせられる空間である。

これで小さな子どもでも出てきたらパーフェクトなのだが。こういういかにも田舎の街角にある『昭和の食堂』を嫌う人はたくさんいそうだが、あいにく物好き代表の私は大好きだ。ぞくぞくしてきたぞ。

メニューを眺めると、丼もの定食など様々あるが、少し南信っぽいものが食べられそうなのでややドキドキしながら検討する。おたぐりは食べたことがあるから、鯉甘煮か鯉こくを注文したらそれは予約制であるとのこと。それは残念!致し方ない、ではよくわからないがこれなら地元っぽいものではないか。

「山菜味噌」300円

細かく刻まれた山菜を味噌に漬けこんだもの。恐らく青唐辛子が大量に入っているのであろう、ピリ辛と言われたが、これはハッキリと辛い。山クラゲかタケノコといった歯ごたえのある山菜が小気味よい。これは白飯か酒のアテであろう。

しっかりとそれっぽい小鉢を頂いている間にメインディッシュが登場する。

「ミックス丼」900円

ミックスというくらいだから、なにかとなにかが混ざっているのであろう。と予想してはいたが、半分は玉子とじかつ丼、半分は牛焼肉丼という、善し悪しの判断がつかない丼であった。私は料理はしないが、豚なら豚、鶏なら鶏と合わせるのが定石ではないか。という井之頭五郎のような思い込みを軽々と超えてくるあたり独自の道を歩んできた食堂の真骨頂とはいえまいか。

なんの衒いもなく、双方ともいつものカツ丼であり肉丼であり、というのがすごい。醤油甘い味つけがとてもうまい。1/2の範囲とはいえ、カツはそこそこな厚みと大きさで食べごたえあり。牛肉もけっこう入っているぞ。

ここでソースが登場する

決して特別なものではない、ごく普通のウスターソースだ。
「よかったらお使いください」
とごく普通に盆におかれたソースの瓶。これはいったいいかように使うのか。恐る恐る訊いてみると、昔から玉子とじカツ丼にはお好みでソースをかけていただく習慣があるとのよし。これが飯田のやり方なのか、この店独自のものであるかはわからないが、試してみるしかないではないか。

ほんの少し

と思ったが、しゃばしゃばのウスターソースなので想像以上に飛び出てしまいあたふたする。それは仕方がない。落ち着いてひと口食べてみるとあら不思議。ソースの香辛料が加味されてとても複雑な味わいと化してしまう。甘味も加算されてしまうので、そこはやや閉口ではあるが、そのほかの香りや味わいはクセになりそう。そういえば松本の高橋食堂にはウスターソースで作る玉子とじカツ丼があるから、南信にはそのような伝統でもあるのか。

という事で

ランチタイム終了。このまま帰宅するのも面白くないのでしばらく南信地域をふらつきながら帰ろうと思う。

 

 

 


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