「越後妻有 大地の芸術祭」周遊記③ 田島征三やりたい放題およびサラダバー付きイタリアンのランチ

新潟県

中里エリアにはまだまだ観たいもの

みすごした作品がたくさんあるのだが、これくらいにしておこう。昼も近くなりお腹も空いてきた。そろそろ十日町方面へと向かうこととしよう。そうはいってもそのまま国道117号線を進むのも芸がない。調べてみたら、信濃川の対岸に「ミオンなかさと」なる温泉施設があるようだ。近辺にも作品がいくつか点在しているのうだし、そこで昼を済ませ、温泉に入るなんてのもよいかもしれない。
 

心とお腹をふるわせて

意気揚々クルマを走らせ10数分。ミオンなかさと到着したはよいがなんと!定休日!!なんたること!!!すっかり温泉アタマとなっていたのでとてつもないショックとなる。まぁこれも仕方のないこと、もともと無計画なのだ、こういうかも面白みのひとつであろう。よし十日町へ参ろう
 
 

とはいえ

そのまま戻って国道を行くのもつまらない。私はそもそもハズレ人間なのだ。ハズレものはハズレものらしくハズレた道を行くべきであろう。とりあえず元来た方向へは戻らずまっすぐに進む。土地勘などあるわけもないから、どこをどう走っているかなど分からない。しばらく行った山中で十日町中心地へとナビを設定する。こうするとルートがめちゃくちゃになって面白いのだ。
 
 

ぐにゃぐにゃと回るうちに

参加作品の案内板がそこかしこにある事に気づく。作品ナンバーと作品名そしてある程度の方向を示しているのだが、その中にこれまた面白そうな名前を見つけたのでそちらへと向かう。
 
 
 

「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」

鉢とはこの美術館のある集落のこと。この地の住民の心の支えともいえる真田小学校は2005年に廃校となってしまった。なんとかして校舎を活用したいと考えた関係者は、絵本作家 田島征三の個人美術館とすることを提案、数々の苦難を乗り越え実現した施設だという。
 
 

パスポートを

受付に提出した時に、後ろからカタンパタンとお音がする。なんじゃこりゃとよく観てみたら、小さな池の真ん中で、木製のオブジェがカタンパタンと動いている。水路の流れを利用した、鹿威しみたいなものだが、牛なのか馬なのかはわからないが、ゆったーりとろーりとした動きがユーモラスすぎて思わず吹き出してしまう。
 
 
 

スリッパに履き替えて

中に入るとそこは講堂となっている。木製トラスなんてずいぶんと古い建物だ。そして広々した空間に所狭しと置かれたオブジェ群。おそらくこの地の木の葉や木の実、枝や皮などを用いて即興的に作られたであろう彼らは、かつてここで飛び跳ねた生徒たちに見えてくる。などと考えていたら、向こう側から時折、「ぎぎぎ」「ごごご」と木の擦れるような音がしてくる。なんだこれは気持ち悪い。奥をみると天井からぶら下がったオブジェがゆったーりとろーり動いている。駆動部をどうしているかは分からないが、キモ可愛くてよろしい。
 
 

年2回

新しいコンセプトに沿って展示替えが行われ、今回は「生きもののケハイのする美術館」がテーマなのだとか。カタンパタン、ぎぎぎ、ごごごもその一種だったらしい。そもそもこの美術館は世界初の「空間絵本美術館」。この学校と出会った田島が描いた「学校はカラッポにならない」をベースに形作られている。おおおおお!そーであったのか!下調べどころかたった今(この文章を書いている現在のこと)知った身としては甚だ口惜しい限り。
 

2階への階段

から始まるの先の絵本の登場人物たちが暴れ回る!夢を食べるオバケ「トペラトト」と、夢をつぶすオバケ「ドラドラバン」、そして最後の在校生であった3人ユウキ、ユカ、ケンタが床と言わず壁と言わず天井と言わずあっちゃこっちゃに飛び移り動き回る。その様はかつてのこの学校の喧騒そのままのようだ。まったく初めての出会いなのに、妙な懐かしさが感じられてならない。やりたい放題、学校はカラッポにならない、鉢集落のひとびとと田島征三の想いが作り上げた見事な美術館=作品であった。
 
 
 
 
 
 

いきあたりばったり

の出会いが面白くてならない。偶発的というかオレにもこんな感情が湧き出ることがあるのか、あんな感受性を今でも持っていたのか、そういえばこんな思い出があるな。そんな様々な想いが噴き出てくるのが楽しい楽しい。
 
 
 

とはいえ美学の知識も素養もない以上

下調べは必要だとつくづく思うのはいつものこと。とくに現代美術は。倉庫美術館しかり田島征三しかり、というか大地の芸術祭の作品群は、その場にはほぼ説明がない。インスタレーションなんて言われてもいったいなんのこっちゃ?だからとても重要なポイントを見逃したりする。でもズクなしの私にはハードル高いなぁ。アーティストの皆さんは大概「好きなように観て下さい」と優しくお声がけいただくのだが、あまりにテキトーに鑑賞されちゃねぇ
 
 
 
 

そんな想いを抱きつつ

十日町中心地へと突き進む。新潟県は海の街なるイメージしかないが、ここは内陸部、とてつもない山の中しかも県内有数の豪雪地帯。山の深さ緑の濃さは山の民 長野人も圧倒されるほどだ。信濃川をわたると市街地っぽい風景となる。昼を少しまわった時刻だ、ランチタイム腹がへったぞ。
 
 

新潟だから海鮮

というのは間違いである、とはつい先ほど書いたばかりだ。そうはいっても探せば美味いところはいくつもあるのだろうが、いかんせん土地勘もない、情報もすくない。南魚沼市までいけば「本気丼」というすげーのがあるのだが、そこまでいくと片道40分くらいだから時間がもったいない。そんなわけで知らぬ街をふらふら回る以外ないのだ。
 
 

さぁナニを食べたら幸せなのか

しばらくいくとイタリアンっぽいのぼり旗を見つける。ん?サラダバー?オレの大好きなものではないか!という事で
メシだ!メシだ!昼メシだ!
 
 
 

新潟県十日町市「ぺペロッソ」

場所 新潟県十日町市稲荷町3
電話 025-752-2133
ジャンル イタリアン
バリアフリー △ 入口に段差あり
駐車場 あり
 
イタリアンといってもボックス席のあるような、バシっとしたものではなく、街角にある気軽に入ることのできる、ちょっとオシャレなイタリアンという感じ。もちろんさして大きいでもない、2人がけ、4人がけのテーブルがいくつか、というくらいの気安いサイズのお店。
 
 
 

優しげな笑顔の

女性スタッフさんが差し出してくれたメニューには美味そうなものが目白押し。そうはいってもこれだけあると選べるわけがない。オレは優柔不断オヤジだぞ!そんなわけでランチメニューのみしか観ないこととする。以下はサラダバー、ドリンクバー付きのメニューとなる
 
 
A 揚げナスのボロネーゼ スパゲッティ 1320円
 
B 津南産トウモロコシとツナ&トマトのピザ 1650円
 
C 津南産ポークのチリソース煮 1650円
 
その他、カレーやらリゾットがあったがここはコレとしたがまずはサラダだ野菜だサキベジだ。
 
 

サラダバーといっても

多種大量というわけではない。レタスキャベツなどの生野菜と色とりどりの豆類、キュウリの塩昆布和え、コールスロー、ポテトサラダ、野菜のピクルスそしてデザートのスイカ。これにスープとパン、ドリンクバーが用意されている。
 
 

スープはカボチャ

だが甘すぎて今ひとつだったが、野菜類はとても新鮮でよろしい、レタスなどシャキシャキだし。キュウリもパリパリ、昆布の旨味を吸って美味い美味い。ポテサラも豆類もよし、そしてなにより
 
 
 
 

ピクルス最高!

キュウリ、セロリ、レンコン、パプリカ、コリンキーなどたくさんの野菜が投入されたピクルスはすっぱくてじつに美味い!3回もおかわりしてしまったのはここだけの秘密としておきたい。そしてメインディッシュ
 
 

「C 津南産ポークのチリソース煮」1650円

濃褐色のソースにゴロリと置かれたポークの塊、そして周囲に夏野菜のグリル。傍らには平べったいパスタ。たった今調べたらタリアテッレというそうだが、それで合っているのであろうか。
 
 
 

津南ポーク

というのはいかなるブランド豚かは分からないが、味が濃くてとてもよろしい。フォークだけでほろりと崩れるほど煮込まれている。ナス、緑と黄色のズッキーニ、黄色と紅のパプリカなど色とりどりの野菜どもがカタチを残しつつビシッと火が通っていてよろしい。
 
 

結局のところ

サラダバーを2度おかわりして満足々々。とてつもない多幸感に包まれてランチタイムが終了した。そして越後妻有の午後が始まる。

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